玄米と白米

玄米が体に良いと実感する人がいる一方で、
「消化吸収が悪いのでは?」と玄米を遠ざける人もいます。
何故そのようなイメージがついてしまったのか、
また実際はどうなのかという事についてお話させていただきます・・・

玄米は完全栄養食品とも言われ、栄養価が高いことは多くの人が知っている事です。

しかし、食べにくいとか消化に悪いと思われ、敬遠されている人もいます。

このイメージがついたのは、国立栄養研究所が行った消化吸収の比較実験にて「玄米の消化・吸収は極めて悪い」としたためだと言われています。

しかし、実験結果を見てみると、タンパク質、糖質、脂質、
無機質、熱量の消化吸収率の中で、玄米と白米の結果に差が大きく出たのは脂質でした。

白米の消化吸収率が86.8%に対して、玄米は58.3%ですが、玄米団子にすると、88.5%と白米よりも高くなるのです。

また、忘れてならないのは、最終的に吸収される量が重要で、100gの玄米の脂質が2.3gに対し、白米は0.8gにまで減ってしまいます。

先にお話した玄米と白米の脂質の消化吸収率をふまえると、玄米を食べる方が多く吸収できると言えます。

また、玄米を食べて胃がもたれるのは、白米や消化によい食べ物に慣れて退化した胃にいきなり玄米を入れるので、当然とも言えます。

白米は精製されているので、体にスッと入りやすい。
さほど噛まなくても食べられてしまうのです。

玄米に慣れるまでには10日から2週間くらいかかると言われています。
始めのうちは、少し量を減らして、よく噛むことに徹しましょう。

また、玄米はよく噛むことで味わいが出てきます。
福岡市にある高取保育園は、玄米中心の和食の給食を出すことで知られていますが、給食を食べる前に皆でまず玄米を100回噛むそうです。
玄米の甘味が口いっぱいに広がり、本来のおいしさを感じるようになります。

玄米食にすっかり慣れてくると、和食の美味しさが一段と感じられるようになり、逆に洋食の味付けはそれほど好まなくなり、
食事全体が健康的なものへ変わっていきます。

園部 知紗