・現代人のほとんどが低体温!?
・体温が1℃下がると・・・
・低体温はデメリットしかない
・原因を知って改善しましょう
ここ数十年で日本人の体温は平均して1℃下がっています。
健康な人の体温は36.5℃以上ですが、今では体温が35度台の人は珍しくありません。
しかし、平熱が下がることは体にとって一大事です。
放っておくと将来命に関わる事態を招きますので、早めに改善させましょう。
低体温になると、体内では様々な支障が起き始めます。
体温が1℃下がると代謝機能が12%低下します。
代謝とは食べた物を栄養として吸収し、体内の老廃物を外に出して生命を維持する機能が正しく行われる働きの事です。
代謝機能が低下すると、体内の糖や脂肪の燃焼が十分に行われず、燃焼できずに残ったものが体内に蓄積されて高血糖、高脂血症、肥満になってしまいます。
また、体温が1℃下がると酵素の働きが50%低下します。
酵素は体内で行われるあらゆる活動に関わっているため、代謝を滞らせてしまうのはもちろんですが、内臓の働き、血液の循環、自律神経の働き、運動、想像したり考える事などの活動も妨げてしまいます。
つまり低体温になると心身ともに悪影響ばかりを及ぼしてしまうのです。
今では40歳以上の日本人男性の約半数がメタボと言われています。
適切な栄養が摂れておらず、適量よりはるかに多く食べる習慣が作り出した国民病だと言って良いでしょう。
メタボと聞くと肥満を連想すると思いますが、それはつまり代謝が低下している状態を指します。
代謝機能が低下して、老廃物が体内に溜まっているので血液はドロドロ、細胞も汚れています。
メタボリックシンドロームを訳すと「代謝症症候群」。
メタボを改善しない限り、生活習慣病になることは避けられません。
大病をする前に食生活を改善させましょう。
35.0℃においてがん細胞は最も増殖し、39.6℃以上で死滅します。
つまり低体温の人は体内に老廃物が溜め込んで体内で活性酸素が大量に発生する上、がん細胞が増殖しやすいのです。
野生動物にメタボは存在しません。メタボとは生物として正常ではないのです。
今の日本は食べるものに困らない世の中になりました。
美味しいものもたくさんあって迷うほどです。
好きなだけ食べて飲んでいたらメタボになり、100%病気にかかります。
若い人にとっても生活習慣病は遠い未来の話だと安心していられません。
年齢を問わず低体温の体は体内活動を滞らせるので、様々な体調不良が慢性化しています。
風邪にかかりやすい。
体がだるい。
やる氣が出ない、集中力の低下。
肌荒れ、便秘、気分が落ち込みやすいなど。
このような症状が続くと、先に挙げました生活習慣病にかかるリスクが高くなります。
低体温を甘く見ていると将来大変な目に合いますので、原因を知って改善してください。
改善すれば、平熱は正常値(36.5℃以上)に戻ります。
では、なぜ低体温の人が増えたのでしょうか。
低体温の人がこれほど増えたのは生活習慣の変化によるもので、その中でも食事が主な原因です。
低体温を招く主な原因を以下に挙げました。
◇未精製の食品を食べる
白米や小麦粉、白砂糖など未精製の食品を多く食べている食事は体を冷やします。
主食を玄米に変えて、小麦粉や白砂糖が使われているパンやお菓子などの加工食品は極力控えましょう。
玄米はビタミン・ミネラル・食物繊維などの栄養が豊富な上に、塩、味噌や醤油など日本が誇る調味料と大変相性が良いので、効率的に美味しい食生活を送ることができます。
◇減塩
塩の摂り過ぎは体に良くないと言われますが、塩は人間にとって大切な食べ物です。
化学的な塩は極力摂らない配慮が必要ですが、栄養豊富な塩はしっかり摂らなくてはなりません。
栄養豊富な塩とは海で採れたミネラルが豊富な塩の事で、人間の体液と組成が非常によく似ています。
では、なぜ塩を食べると血圧が上がると言われるようになったのでしょうか。
東北地方の人が南の地域に住む人と比べて血圧が高い人が多く、塩の摂取量を比較すると東北地方の方が多かったことから、そのように言われるようになりました。
しかし、寒い地域に住む人達は血管が収縮して血圧が高くなる傾向にあり、そのような背景は考慮されずに塩を多く摂ると血圧が高くなるとアメリカの学者が結論付けてしまったのです。
実際に減塩、減塩と叫ばれるようになって久しいですが、高血圧の人は減るどころか増えています。
塩はノンカロリーで体が温める強力な作用があり、暖房が無い時代に寒さをしのぐため寒い地域に住む人達が生み出した知恵だったのです。
高血圧の対策をするならば、減塩に励むよりも動物性食品などの脂肪の摂取を控えてください。
動物性脂肪は血液をドロドロにして、血管を硬くするので高血圧になり、さらに悪化すると動脈硬化につながります。
◇運動不足
運動不足は血行不良を招き、体内の循環を滞らせてしまいます。
体温の40%は筋肉から発生しており、現代のように移動手段は車や電車に頼って体を使わなくなった生活が低体温化に拍車をかけました。
ウォーキングのような有酸素運動をすると血流が良くなり、全身に酸素と栄養が届けられます。
代謝も上がるので、栄養吸収や老廃物の排泄もスムーズになります。
運動をすると氣持ちも前向きになりますので一石二鳥です。
◇水分の摂り過ぎ
生理的に必要とする量を超えて水分を多く摂ると、体が冷えてしまいます。
漢方では「水毒」と言われ、昔より水分による冷えが指摘されてきました。
体内の水分量が増えて冷えが伴うと、次のような症状が表れます。
・寝冷えをすると下痢をする。
・雨の日は関節が痛くなる。
・冷房が効いた部屋にいると腰痛が悪化する。
・風邪を引くと鼻水やくしゃみが出る。
水分によって体内が冷えてしまうと、体は体温を上げて正常な機能を取り戻そうと体内の余分な水分を外に出そうとします。
人間の体内で行われる代謝や血液の循環など様々な生命維持機能は、36.5℃以上で正常に働きます。
◇浴槽に浸からない習慣
湯船に約10分浸かると体温が1℃上昇して、その後も約数時間体を温めます。
血管を拡張して血行が良くなり、全身の細胞へ酸素と栄養が送り届けられます。
各細胞からの老廃物の回収もスムーズになるので疲れが回復します。
38~40℃のお湯に浸かると副交感神経が優位になり、胃腸の働きが活発になるので心身ともに
リラックス効果があるので、一日の終わりに湯船に浸かることは理に叶っています。。
浴槽に入らずシャワーだけで済ませるだけでは、皮膚表面の温度は上がっても体の芯までは温まりません。
いつもシャワーだけと言う人は、湯船に浸かる習慣を始めてみてください。
上記に挙げました体温を下げてしまう習慣にほとんど当てはまる人は
風邪を引きやすい、体がだるい、気分がふさぎがちなど、日頃から心身に何らかの不調を抱えていると思います。
風邪は冷えから来ていて、体内が冷えると血液循環が悪くなり、代謝が滞ります。
すると血液中に老廃物が増えて血液がドロドロになって風邪を引きやすくなります。
食習慣を改めると体温は上がり、体調に変化が表れます。
体温が1℃上がると免疫力が5~6倍もアップするので風邪を引きにくくなり、季節の変わり目でも体調が安定しやすくなります。
がんなどの病気予防になることはもちろんですが、日々の体調に変化が表れます。
体温が低いと代謝が滞るため血液はドロドロ、免疫力は低いままです。
習慣を改善して、病気になりにくい体を作りましょう。
山本 和佳