・数々の有効成分を持つ玄米
・○○への依存を解消する
・足るを知る
物事を理解したり、学んだり、習得しようとする時には要点を押さえる事が欠かせません。
人間の体でいうと腰という漢字に「要」の文字が使われ、
「話の腰を折る」という言葉もあるように腰は大事な事にも例えられます。
また、腰は腸や丹田、子宮など命に直接関わる器官と近い位置にあります。
まさに体の中で要になる部分と言えるでしょう。
これを食事に置き換えてみると普段の食事の中で要となるものは、やはり主食です。
日本人にとって主食は米であり、毎日食べて健康な体の土台を作ります。
世界中で7割の人が米を主食としていました。米の9割はアジア諸国で作られています。
しかし、食の欧米化に伴って米の消費量が減り、がんなど生活習慣病が急増していきました。
現在の地球では、約10憶人の飽食する人(先進国)と約10憶人の飢餓に苦しむ人がいます。
日本人は飽食の生活をして、1年中ハレの食事を食べ続けています。
農薬や添加物がたくさんついた食べ物をハレの食事と呼ぶのもおかしいのですが、
身勝手な食事をするようになってしまった事は間違いありません。
主食の選択は大変重要です。
玄米は栄養がバランス良く含まれていて、食後の血糖値上昇を抑えるので、体に負担をかけません。
食べ続けるほど、玄米の重要性を身をもって分かるようになり、たまに白米や小麦粉を食べると体に違和感を感じます。
玄米は白米と比べて栄養価が高いのは既に知られているように
ビタミン、ミネラル、食物繊維の他にも次の有効成分が含まれています。
●γオリザノール・・・自律神経を増加、シミ・シワの予防
●GABA・・・精神安定作用、血圧安定作用
●フィチン酸・・・交感作用、アンチエイジング、デトックス作用
●アラビノキシラン・・・NK細胞の活性化、抗酸化作用
●イノシトール・・・肝機能の改善、動脈硬化の予防、高脂血症の改善
●フェルラ酸・・・認知症の予防
これらの有効成分は胚芽に含まれているので、白米にはほとんど残っていません。
日本は飽食の国だと言われていますが、必ずしもそうとは言い切れません。
厚生省が発表した国民健康栄養調査によると、
第二次世界大戦が終戦した翌年1946年と2011年時点の日本人の栄養状態を比較した結果、
以下のような変化があったことが分かりました。
●終戦後より増加・・・脂質(4倍)、カルシウム(2倍)
●終戦後に近い・・・タンパク質、ビタミンA、ビタミンC
●終戦後より不足・・・エネルギー、炭水化物、ビタミンB1、鉄
脂質が増加したのは、肉や乳製品、加工品から油をたくさん摂っているためです。
カルシウムの増加は、牛乳を飲むという誤った習慣が広まった影響がありますが、
残念ながら牛乳を飲むと人間の体内からカルシウムが溶け出して、体はカルシウム不足になってしまいます。
ビタミンB1不足は、玄米を食べなくなった人が圧倒的に増えたためで、江戸時代には脚気にかかる人が増え、今も予備軍の人がたくさんいます。
また、鉄不足は女性にとって深刻な問題で、女性の不定愁訴の8割が貧血が原因とも言われています。
貧血の人が妊娠したとしても、分娩時に貧血を起こして陣痛がちゃんと起きなかったり、
その場合、分娩誘発剤を使うと子宮収縮ができなくなり、産後に出血を起こして生死に関わる問題にもなるのです。
多くの日本人は、お腹一杯食べているので飽食と言われますが、栄養面から見れば飢餓状態なのです。
脂質を過剰に摂り続けると、動脈硬化を引き起こしてしまいます。
こうした習慣を止めたいのに止められないという人も多いと思いますが、それを救ってくれるのが玄米です。
玄米に含まれるγーオリザノールは良質な脂質成分で、自律神経を調整するほか
脂肪の多い食事への依存を断ち切る効果があります。
高脂肪の食事への依存はタバコやアルコール、麻薬への依存性よりも高いため、
なかなか止められず苦労している人が多いかと思いますが、
主食を玄米に変えると、食事を改善しやすくなります。
玄米を食べ続けると食事の嗜好が正常に戻り、和食を美味しいと感じるようになって
揚げ物を食べる量が自然と減っていきます。
ほとんどの日本人が何かしら不調を抱えています。
頭痛、低血糖、便秘、生理痛、アレルギー、イライラ、落ち込み・・・
たとえ病名がついていなくても、体に痛みが出たり、何もする氣が起きないといった日常の中で症状が酷くなると仕事にも支障が出てしまいます。
これが度々起きたり慢性化すると、その症状から鬱につながる可能性もあります。
検査をしても異常無しと診断されると、放っておく人も多いですが、不調が出てきたというのは生活習慣に何らかの問題があると言うサインです。
そのままにすると高脂血症や高血圧、糖尿病に変わり、それが元で動脈硬化が進み心筋梗塞、脳卒中、がん、認知症へ進行してしまいます。
洋食やファーストフード、加工食品を良く食べる人や、脂っこいものが大好きという人は
重病になる前に食事を見直さなくてはなりません。
食べ物を選ぶ上で「近くて遠いものを食べる」という法則があります。
「近く」とは、地元で採れるものを食べると言ういわゆる地産地消のことです。昔は三里四方で採れるものを食べると言われていました。
また、野菜や果物であれば季節外れのものより旬に採れたものを選ぶことも、時期としてより「近い」方が栄養価が高い点も重要なところです。
今は流通手段が発達しているので、海外の栄養価の高い食べ物も手に入るようになりました。
そのため、「自分の手で採れるものかどうか」という視点で食材を選ぶことも大切です。
木になっている果実や畑で栽培された野菜を食べるには、そこまで自分の足で歩いていき、自分の手で摘み取ります。
また、浅瀬の海に棲む小魚や貝類も自分の手で摑まえることが出来ます。
そして「遠いものを食べる」とは、生物学的に遠いものを食べなさいという意味です。
人間から見れば牛や豚は同じ哺乳類なので食べてはいけない、鳥類も恒温動物なので食べません。
次いで魚介類、植物(野菜、果物、豆類、海藻類)と遠くなっていきます。
ファーストフードやインスタント食品は化学物質の塊ですから、自分の手で採れる「近くのもの」ではありません。さらに「生物学的に遠い」にも全く当てはまらないのです。
食べ物の法則は、人間の歯並びからも読み取ることが出来ます。
例えば、肉食動物はとがった犬歯だけで構成されています。
牛や馬など草食動物は、草をかみちぎる門歯とそれを消化しやすくすりつぶす臼歯で成り立っています。
人間には32本の歯が生えていて、野菜や海藻を噛む門歯が8本、魚を食べるための歯と言われる犬歯が4本、穀物や豆類をすりつぶす臼歯が20本あります。
これは人間にとってバランスの良い食事をそのまま示してくれています。
つまり野菜が2、魚が1、玄米など穀類が5の割合で食べるのが理想的と言えます。
本来、食は時代の流行でコロコロ変わっていくものではありません。
なぜなら食べ物を受け入れる体質は数年、何十年という単位では変化しないからです。
ご先祖様が食べていた食事、つまり体を養う食事内容を動かぬ証拠として、そのまま歯に残してくれています。
「○○を食べると健康になる」という情報が世の中にたくさん出回っているので、結局何を食べればよいのか迷う人もいるかもしれません。
しかし、私達はもともと正しい食事をすることを想定して体が出来ていますので、
歯が持つ重要なメッセージを受け取ってほしいと思います。
肉食をしない、玄米を主食にするというところから始めると食事の改善をしやすく、
食事の嗜好も正常に戻っていきます。
山本 和佳