【一般無料】ネット依存の後遺症(健康基礎講座)

・依存はすぐには治らない

・怖いのが後遺症

・テレビの長時間視聴も要注意



依存が進むときは蟻地獄のようにズルズルはまってしまいますが、依存から脱する時はかなりの労力や時間を要します。
ずっと依存状態でいる事も苦しいですが、そこから元の生活に戻ろうとする時はもっと苦しいかもしれません。


例えばゲーム依存を克服する場合、ゲームを止めたらすぐ規則正しい生活に戻れるわけではありません。
後遺症が残るというのも依存の怖さです。




●睡眠障害

まず利用時間が長くなると生活が昼夜逆転したり、起きる時間がバラバラになってしまいます。

夜も画面から強い光を浴び続けるため、体内リズムが崩れて睡眠障害を起こします。

特にゲームをしている時は覚醒剤の静脈注射に匹敵するほどドーパミンが大量に放出されて
強い興奮状態になるので、眠りにくくなります。

当然、朝は起きられなくなるので勉強や仕事に支障が出てきます。


一度睡眠リズムが狂ってしまうと、直すのは容易ではありません。

大量のドーパミンを浴び続けると、神経が過敏になって深刻な不眠になるケースもあり、
ゲームを止めた後も不眠の症状が続きます。



●成績・仕事の低下

生活のリズムが狂い睡眠不足になると、それに伴い学業成績が低下していきます。

「今はゲームばかりしているが、受験が近づいたらまた一生懸命勉強すればいい」と思っていても実際には難しい問題です。

ネット依存になると脳がダメージを受けるため能力全体が低下して、
前は出来ていたことが思うように出来なくなったりします。


以前は1時間勉強していたとしても、それほど集中力が続かなくて散漫になりやすいのです。
なかなかやる氣にならない。何とか勉強しようとしてもゲームのことを考えてしまう。

元の生活に戻ろうとしても思うようにいかず、勉強する氣まで失せてしまいます。


さらに記憶力も衰えるので、単語や数式を覚えるのも苦痛になります。

このように依存になる前には無かった障壁がいくつも重なって出来る氣がしなくなり、
受験などの目標に向かって頑張る事自体が嫌になってしまうのです。


勉強以外でも何かにチャレンジする氣が奪われていきます。

そのような状態から勉強習慣をつけるのは容易ではありません。

ネット依存の場合は脳の機能自体が低下するので、例えば試験に向けて勉強するといった
具体的な目標に向けての行動もままならなくなります。


物事を理解する力も衰えますので、社会復帰するまでの道のりは長くなることを覚悟しなくてはなりません。


文部科学省が行う全国学力テストの結果から分析した調査によると、スマートフォンの使用時間が長いほど明らかな学力低下が見られるという事です。


また、海外の研究では学力低下だけではなく対人関係のトラブルも増える事が分かっています。

脳機能の著しい低下により学力だけの問題にとどまらず、あらゆる方向に問題が広がってしまいます。



●うつや無気力

ネット依存になる人はかなりの確率でうつ状態、または無氣力に陥ります。

もしゲームをして集中力が高くなるなら、それ以外の時も高い集中力を発揮するはずですが
実際はそうではありません。

ゲームをしている時は興奮していても、普段は無氣力になってしまいます。

なぜ、このようにゲーム中とそれ以外の時で別人のように変わるのでしょうか。

それは脳内のドーパミンの働きに大きく影響を受けているからです。

非日常的な興奮状態になることは、自分を躁うつ状態にしているのと似ています。
つまり脳内でドーパミンが大量に放出されている非日常的な状態です。

それを経験すると普通の生活の中の刺激では何も感じず、虚しさや落ち込みを覚えるようになってしまいます。

身の周りにある楽しさや喜びを感じられなくなって、社会に適応しにくくなってきます。


なぜならドーパミンを大量に放出する行為に依存すると、その行動以外の時に喜びを感じられなくなるからです。

しかし、ドーパミンは際限なく作り出せるものではありません。
大量のドーパミンを浴びることを繰り返していると、やがて枯渇してしまいます。

すると、その反動で落ち込んだり無氣力になってしまいます。



●社会に関わる不安や恐怖、攻撃性や敵意の増大

また、ネット依存の傾向として人付き合いに無関心になり、誰かと会ったり一緒に遊ぶ事にも熱心でなくなります。
それと同時に集団の中に入っていく事に強い緊張や恐怖、不安を感じるケースもあります。


神経が過敏になるため、イライラしたり周りを敵視することもあります。

周囲の人を不快な存在とみなして視線や些細な言動に敏感になり、それに対して傷つくこともあります。

特に暴力的なゲームに依存した場合は攻撃性が強くなり、自分の痛みを感じる事に敏感になる一方で
他人の痛みへの共感力は低下してしまいます。

つまり被害妄想が起きやすい状態だと言えます。
これが酷くなると現実の世界で無意味に人を攻撃したり、それが犯罪に至る危険性もあるのです。


そのほか、認知機能が歪むのも依存からくる特徴的な症状です。
白黒はっきり分けないと氣がすまない。または物事に対して否定的、悲観的になります。



●体の健康問題
ゲームのやり過ぎによる視力低下、頭痛、腰痛など体の機能が衰えます。
食べるタイミングが不規則なので、食事の改善も必要です。



ネット依存は、楽しくてゲームをするというより嫌な事から逃れるために
過剰に使用してしまう特徴があります。

楽しそうだからというきっかけで始めたとしても、ネット環境を手放せない程利用時間が増えると
現実の世界で社会に関わる社会的欲求や目標を達成する充実感や自己効力感が満たされない時、
それの埋め合わせをネットに求めるようになります。

自分の居場所はネットの世界にしか無いと感じ始めたら要注意です。


また、依存から脱するには自分の意志だけでは難しく、専門家のところへ通って治療を受ける場合も
その過程では多くの時間や労力を必要とします。



ここまでネットについて述べてきましたが、テレビの見過ぎも子どもの成長に問題を残します。

子どもが何時間もじっとテレビを見ている姿を「集中力がついている」「興味をもって見ている」と捉えるお母さんもいます。


しかし、まだ幼い子どもをテレビに長時間お守りをさせる事は、正常な発育の妨げになってしまいます。

特に歩き始める前の赤ちゃんは自分で動くことが出来ないので、じっと見続けてしまいます。
赤ちゃんは画面が変化している事は認識していますが、意味は分かりません。


幼い頃は一方的な刺激を与えるより双方向のコミュニケーションをとる事が大変重要です。

お母さんと触れ合う時は、笑いかけたり頷いたり様々な反応が返ってきます。
この過程で、赤ちゃんは自分の表情やしぐさがお母さんに届いた事、お母さんの声を聞いた事を確認します。

自分が笑ったらお母さんが喜んだ、泣いたらあやしてくれたりオムツを取り替えてくれる事など
様々なやり取りを通して、意志表示することを学んでいきます。


しかし、テレビは赤ちゃんの反応とは無関係に情報が一方的に流れていきますので
自分からアクションを起こすことも無く、受け身の行為になっているのです。

「これは何だろう?」と興味を持ったり、想像力を自由に使う時間を十分に与えません。

赤ちゃんの頃からテレビを長時間見ていると、「人と視線を合わさない」「情緒が希薄」
「他人から与えられた事しかできない」「言葉が遅れる」というように発達に支障が出てしまいます。


テレビの長時間視聴は子どもの体や脳から自由を奪い取ってしまいますので、長時間の視聴は避けましょう。



大人にとってはいつでもどこでも持ち歩く大切なスマホですが、幼い子どもには安易に渡さないでほしいと思います。

なぜかというと、楽な方へ流れる思考や行動が身についてしまうからです。

成長し、大人になって直面する課題や問題等を乗り越えられず、不満のはけ口がネットやゲームに向かい、
ますます依存が進みます。

学力が伸びず、人と関わることも億劫になれば現実の社会で生きることがますます辛くなって、
ネットの利用時間が増えることは容易に想像できます。


少年院に送られる少年の多くは、読書習慣を全く持っていないそうです。
漫画を読む場合も、文字を読み飛ばして絵を目で追う人も多いほど、文字に親しんでいない事は驚きです。

犯罪に至る原因はいくつもありますが、読み書きなどを通して文字に触れる時間が
圧倒的に不足している事とも何らかの関係があると考えています。


幼いうちは外で体を動かす遊びをして、家では絵本を読んだり手を使う遊びをする事をお勧めします。

体が丈夫に成長し、文字をたくさん読むようになると勉強の楽しさにも氣づきやすくなります。
言葉で遊んだり、現実世界の色んな事に興味を持ち始めます。

子どもが外に興味を向ける事、学びを楽しいと感じる芽を刈り取らないでほしいと思います。
こうした遊びは子どもの将来に繋がっていきます。


しっかりした土台が出来上がった後にスマホを利用すれば、依存のリスクは減らすことが出来ます。
(リスクがゼロというわけではない)

ネットはあらゆる面で生活を便利にして、連絡のやり取りにも大変重宝しています。
依存のリスクを理解した上で、利便性の高いツールの主人となって使う事が大切です。


山本 和佳

無料メールニュース登録はこちら

勉強会&酵素教室&女性限定企画情報はこちら