【一般無料】塩が持つ力(健康基礎講座)

・原爆症を防ぎ、多くの人の命を救った

・みそ、醤油の効能

・減塩するとコレステロールが増加する!?

 

自分が塩不足だと自覚している日本人は、ほぼいないでしょう。

減塩が常識のように思われている現代では、まだまだ塩分を減らそうとしている人もいるのではないでしょうか。


しかし、皮肉な事に塩を減らす事が日本人の不調や病氣を増やしています。


海水から作られたミネラルが豊富な塩は体に活力を与えます。

昔は塩は大変貴重なものとして扱われていました。



過去を遡ると、塩の持つ力の凄さを学ぶことが出来ます。


1945年8月9日に長崎県長崎市に原爆が投下され、約7万4000人の方が亡くなりました。

その時、爆心地から約1kmの所にあった聖フランシスコ病院の秋月医師は
玄米と塩と味噌で辛いおにぎりと辛い味噌汁を作らせて、職員や患者に毎日与え続けました。

すると、皮膚が溶けるほどの被爆をした人でも原爆症が出ず、
その後何十年経った後も、ほとんどの人が原爆症になりませんでした。


秋月医師の著書「長崎原爆体験記」は英訳され、1986年のチェルノブイリ原発事故の後は
多くの欧米の人達に読まれて、ヨーロッパでは味噌が飛ぶように売れました。



人間と同じように動物にとっても塩は貴重で、彼らはそのことを本能的によく知っています。

羊や象は、塩分濃度の高い土地を求めて移動します。

アフリカでは象の生息地の土は塩分濃度が高い事が分かっており、
また、塩分濃度が高い場所に生息する象ほど繁殖力が高く、頭数も多いそうです。



江戸時代に度々起きた飢饉では多くの人が亡くなりましたが、これも塩不足の影響が大きいです。

食糧が底を尽きると草や葉、植物の根などを食べることになりますが、
これらにはナトリウムが少なく、塩を体外へ出すカリウムが多いため
ますます体内の塩が不足して死者が増えてしまいました。


当時の書物「飢餓対策」には、
「塩さえ食べていれば、草や木ばかり食べていても死なない」と記されています。


生命は海で誕生して、その一部が陸に上がって人間や他の動物へと進化を遂げました。

人間の体液は血液と組成が非常に近いため、体内のミネラルバランスを保つには塩が絶対に必要なのです。

塩が不足して体内のミネラルバランスが崩れると、体のあらゆる機能が低下してしまいます。


ミネラルは酵素の働きを助けていて、ミネラルやビタミンが無いと酵素は働きません。

酵素は体が行うあらゆる活動(運動する、消化・吸収など内臓の働き、血液の循環、考えることなど)に関わっています。


塩が不足すると、体内のミネラルが不足(またはバランスが崩れる)して
酵素が上手く働かなくなるため、体に不調が出てくるのです。



1930年代の米国でテイラー医師は、自分自身の体で塩を抜いた食事を続けた実験を行いました。
塩の摂取を止め続けた結果が以下の通りです。


3~4日目: 食欲低下、冷や汗が出る
5~7日目: 全身の倦怠感に襲われる
8~9日目: 筋肉の痙攣が止まらず、実験を中止。


いかがでしょうか。
少し怖ろしい思いがしますが、塩は体が行うあらゆる活動を支えている事が分かります。


塩が不足すると体内の水分量が減るため血液の総量も少なくなり、血液の循環不全を起こしてしまいます。

水さえあれば3ケ月生きられると言われますが、仮に水が足りても塩が不足すれば、
それよりも早くに命を落としてしまいます。



塩は日本の発酵食品にも用いられ、その栄養・健康効果にも貢献しています。


①みそ
1970年代から13年間に渡って、26万5000人を対象にして国立がんセンターが行った調査によると、
味噌汁をよく飲む人には胃がん、皮膚がん、乳がん、狭心症、胃潰瘍、肝臓病が少ないという事が分かっています。

味噌汁の効能は様々で、「味噌の医者殺し」と言われてきたほどです。

・体を温めて、血行を良くする。
・肝臓を強くする。
・酵母や乳酸菌の力によって、腸内環境を整える。
・含有成分メラノイジンが強力な抗酸化力でがんを予防する。
・脳細胞を活性化し、ボケを防ぐ。


現代では低体温の人が本当に多いですが、塩不足と共に味噌汁をはじめとした
和食離れや減塩信仰、動物性食品や加工食品の摂り過ぎが影響しています。


先に挙げましたように、体を温める作用や抗酸化作用が強い塩を摂ることは
ホメオスタシスを正常にして、代謝が良い状態を保つことに大きく関わっています。


さらに、味噌に含まれているタンパク質は大変消化が良いので、
体が弱い人やお年寄りにとっても最適な栄養食となります。



②しょうゆ

味噌と並んで和食には欠かせない発酵調味料。
醤油は昔から民間療法にも用いられてきました。

・火傷をした時、すぐに醤油を塗ると早く治る。
・風邪の引き始めの時には、暑い番茶に醤油を2~3滴垂らして飲むと効果がある。冷え性にも良い。
(梅干しを加えると、更に効果がアップ)


醤油は非常に抗酸化力が強く、赤ワインの約10倍、ビタミンCの150倍にもなります。
つまり、活性酸素を抑制する力が凄いので、様々な病氣や老化を防いでくれるのです。

醤油を料理に用いた時は、そうでない時と比べて血流が50%上がります。




現代では塩を敵視して減塩に励む人が多く、化学塩に関しては避けるべきですが、
塩そのものの価値が低く見られているのは、大変残念なことです。

しかし、歴史上、塩は命を支える大切なものとして扱われていました。


徳川家康は「塩は軍用第一の品、領内一番の宝」として、
現在の千葉県市川市辺りで盛んだった製塩業を保護していました。

そこで作られた塩を江戸まで最短距離で運ぶために小名木川を造らせました。

それほど塩は大切にされてきたのです。


塩を食べると元氣になることを利用して、戦の時には兵士に塩をたくさん食べさせ、
氣力がみなぎった兵士が一生懸命に戦ったという話も残されています。



塩の健康効果が分かっても、血圧のことを心配して塩を積極的に摂ることに躊躇する人もいるかもしれません。


しかし、「塩の摂取量が増えるほど、血圧が上がるという因果関係が無い」と発表されています。

米国インディアナ大学のミラー教授らは、血圧が正常な男女82人を対象にして、
1日の塩分摂取量を9.2gから4gに減らした食事を12週間継続したところ、
血圧に変化がない人は53%、上昇した人30%、降下した人17%という結果が出ました。


塩の摂取量を減らすと血圧が上がる場合があったり、逆に摂取量を増やすほど血圧が降下することもあります。
これは塩の持つ作用から見れば、次のようになります。


まず、塩を食べて血圧が上がる場合。

冷え性で陰性体質の人が塩の摂取量を減らすと、体温が下がります。
体温が下がると血管が収縮して血流が悪くなります。
すると、心臓は勢いよく血液を押し出そうと力を入れるため、血圧が上昇します。


逆に塩を摂るほど血圧が下がる場合。

冷え性の人のように血流が悪くて血圧が高めの傾向の人が塩を摂ると、
塩の温め効果によって血管が広がり、血流がアップするので血圧が下がります。



飽食の時代になり、メタボは現代特有の病氣の1つですが、実はこれも塩不足が関係しています。


塩の摂取量が減って体温が低くなると、体内の脂質であるコレステロールや中性脂肪の燃焼が悪くなり、
不完全燃焼を起こしてしまいます。

これによって、高コレステロール血症や高中性脂肪血症に陥ります。


メタボは食べ過ぎが最も大きな直接的原因ではありますが、このように代謝が滞った体になると、
ますます脂肪が蓄積されてしまいます。

塩には代謝を上げる効果もあるので、代謝が悪いと感じる人は塩を多めに摂りましょう。



塩は生命の源であり、昔の人や動物はそのことをよく知っていました。

しかし、日本人は塩嫌いになるよう仕向けられてしまいました。

いくら良い食事をしても、塩が足りなければ健康を維持できません。

ミネラルバランスの良い海塩をしっかり摂って、活力ある体を作っていきましょう。



山本 和佳

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