一般無料「前向きに年をとる~Part2~」健康基礎講座

 

・老化が加速する人の習慣

・親切のつもりが体を弱らせる?

 

 

70代、80代になってなお元氣な方は、

しかし、そのような方も全く老化を感じないわけではありません。

老化を受け止めながら、体を痛めても毎日の活動を諦めないで続けた結果です。

若い時には当たり前に出来たことが難しくなっても、悲観ばかりではありません。

例えば、高齢になると転倒のリスクが高くなります。

若い頃は転ぶことなど何でも無かったですが、高齢者の転倒は
骨が弱っていることもあり、骨折を引き起こしやすくなっています。

いざ転んで怪我をすると回復に時間がかかり、長く安静にしていると
その間に体がさらに衰えて寝たきりに…という悪循環に陥ることも珍しくありません。

 

転ぶのが怖くて歩けなくなり、精神的な老化が進む。

厚生労働省の「令和3年人口動態統計」によると、
高齢者の転倒・転落による死亡者数は9509人。
交通事故の4倍以上にもなります。

なぜ高齢者に転倒事故が起きやすいのでしょうか?

年をとって筋肉が衰えると、運動量が減ったり、動作が鈍くなっていきます。

もちろんそれもありますが、静止している時にも筋肉は働いています。

正しい姿勢を保つにも筋力が必要です。

しかし、筋肉が弱ってくるにつれ、重力に負けて直立不動の姿勢を保てなくなります。

すると、体は何とかバランスを取ろうとして、体勢を替えます。

背中が丸くなり、頭と肩が前方へ出て、それとは反対に骨盤は後ろへ傾き、
お尻が後ろへ突き出します。

そして下半身は膝を少し曲げて前に出るというように、
横から見るとクネクネと前後に交互に曲がる姿勢になります。

この状態をを円背(えんぱい)といいます。
背中が丸く曲がったお年寄りの人が手押し車を押している様子を
思い浮かべてもらうと分かりやすいと思います。

実は筋力が衰えて、この円背の体勢になることが
転倒の大きな原因の1つになっているのです。

人間の頭の重さは約5kgあり、スイカと同じくらいです。

つまり重い頭が前方へ傾くほど転びやすくなります。

筋力が衰えるほど腰が丸くなり、頭がどんどん前へ傾くため
さらに転ぶリスクが高くなります。

そのため、円背にならないように筋力を鍛えることが大切です。

姿勢を保つために働く筋肉を、総称して抗重力筋と呼び、
足からお腹や背中の周りへと全身に分布しています。

まるで縁の下の力持ちのように、抗重力筋も若々しい体を支えています。

 

 

●家族の手厚い手助けが思わぬ結果に

生きている限り、できるだけ長い間自分のことは自分でしたいと願う人は多いです。

生活の中の動作は、体を衰えさせないための大切な運動です。

高齢になると、ご家族が心配して助けてもらえることも増えていきます。

しかし、ここで注意。

できることは自分でやること。

ご家族の愛情が深いほど、手厚いお世話をしたくなるものですが、
それが高齢者の身体機能を衰えさせているかもしれないのです。

身の回りのことを全てやってもらうと、家事は家族にお任せするようになります。

一見すると、老後の幸せな生活に見えるかもしれません。

しかし家族が世話を焼き過ぎて、体がまだ動くのに生活動作を奪ってしまうと
お年寄りにとっては、それが衰えの引き金になってしまうのです。

洗濯物を干すときは腕を上げる動作や、ハンガーをかけるときに
バランスを保つ動きが上腕二頭筋や背中の筋肉が鍛えられます。

さらに洗濯ばさみで服を留める時に指先を細かく動かします。

掃除機をかける時には部屋中を歩き回り、掃除機を前後に動かす動作が
腕や脚の筋肉を使っています。

料理をする時は指先を細かく使ったり、出来上がりをイメージして
段取りを考えながら複数のことを同時に進めることが脳を活性させます。

家事をしなくなると、このような筋肉を動かさなくなり
その分筋力が衰えてしまいます。

複数の家事を進めるためには、順番や時間などの調整も必要となり、
それが考えたりイメージするトレーニングになっていますので、
家事をしない生活は脳を使う機会も奪ってしまいます。

 

高齢だからと何でも手を借りるよりも、基本的に自分がやって困った時は
助けてもらう方が体に無理なく負荷がかかり、運動量も確保できます。

家族と同居する環境は、万一転んだり怪我をした時に早く気づいて
対応してもらえる安心感があります。

また、介護のために手すりをつけたり、床をバリアフリーにする
リフォームについても同じです。

お年寄りと言えど、普通に生活できているのに介護用リフォームをするのは
一見先を見越した家族への思いやりと感じるかもしれません。

しかし楽ができる生活環境へ変えると体の衰えを早め、基礎体力を弱くしてしまいます。

手すりに寄りかかれば、自ら体のバランスを保つ筋肉を僅かでも使わなくなります。

さらに手すりにつかまって立ち上がると楽ですが、その分足の筋肉は衰えます。

段差が無ければ、足を上げてまたぐことも無くなり太ももを上げる機会が減ります。

実際に介護を必要としていなくてもバリアフリーの家に暮らしていると、
だんだんとそれに慣れるため、よその家にお邪魔した時に
少しの段差でつまづいたなんて話もあります。

もちろんそうした設備を必要としている人もいます。

何度も転倒していて危険だったり、病を抱えて療養している人には
手すりやバリアフリーは心強い道具となります。

 

 

●フレイルを防ぐ体を衰えさせない体操

寝たきりになる手前の状態をフレイルといいます。
ここまで衰えてしまうと、元の生活に戻るのは困難です。

寝たきりになって初めて、体が動く有り難さに氣づく人もいるように
自分の意思で手足を動かせることは、とても幸せなことです。

自分の足で歩き、生活を成り立たせていられる事が
大きな自信になるといいます。

足腰を鍛えて、まだ体が普通に動かせるうちから習慣にしておきましょう。

 

<片足立ち>

①両足を肩幅に開いてまっすぐ立つ。

②片足を上げて、太ももが地面と平行になる状態でキープ(10~20秒)
左右の足で3回ずつ行う。

※10秒も続かなくても出来る長さを繰り返す。
※転倒が心配な場合は、壁や机などに少し手を添えて行う。

 

<スクワット>

①両足を肩幅に開いて立ち、太ももが地面と平行になるまで膝を曲げる。
この時に膝が爪先より前に出ないよう注意する。

②膝を伸ばして立ち姿勢に戻る。

この動きを10回1セットとして1日に2~3回行う。

下半身の筋肉を鍛えると、歩いたり階段を登るのも自分でできる、

 

楽をし過ぎない。

基本動作ができることが、高齢になると大きな自信になります。

健康で居続けることは、自分のためだけでなく
家族のためでもあります。

また、いくつになっても自分で体を動かして、自分の力で生活する姿は
若い人に希望を与え、社会貢献といっても過言ではありません。

病氣で苦しむ姿を見せると、若い人は「自分もこうなってしまうのでは」と将来に不安を抱きます。

一人一人が病氣を予防して、健康であり続けようと努めるだけで
社会は今よりずっと明るくなると思います。

山本和佳