【一般無料】子どもと読書(健康基礎講座)

・全国に広がる「朝の読書」

・本を読み出して表れた効果

・子どもに読書の習慣を


全国の小学校、中学校、高校で「朝の読書」という取り組みが行われています。
1988年に始まり、今では全国の約76%の学校で実施されています。

朝の読書は成績の評価対象になっていないのですが、子どもに良い変化を与えてきました。


毎朝、授業が始まる前に生徒と先生が教室に集まって、それぞれ10~20分程自分で選んだ本を読みます。
学校から感想文を求めることはなく、ただ読むという取り組みです。

教育現場の大人に「子ども自らで考え、生き抜いていく力を身につけてほしい」という願いがあり、
読書はその大きな助けになるという事から、朝の読書は全国へ広がっていきました。


まず、毎朝クラス全員が一斉に本を読む事で互いに意識しあい、それが皆の成長に繋がります。

そして、毎朝続けるうちに読書の習慣が身につき、授業に入りやすくなります。
自分で本を選ぶので、主体性をもって本を読むようになる上、生徒それぞれに沿った成長が望めます。

本を読まない子どもに読書の習慣を身につけてもらうという目的もあるので、感想文は書きません。
感想文を求めると、もともと本を読まない子どもは読書自体が苦痛になる事もあるためです。


こうして朝の読書を実施した学校では、様々な変化が見られました。

・授業中に私語をしていた生徒が、朝の読書を始めてしばらくすると態度が落ち着いてきた。
・本を読まなかった子どもが、家でも本を読むようになった。
・図書館で本を借りて読むようになった。
・自分で選んだ本に影響されて、将来の夢ができた。


また、本を読む力がついてくると、その影響が学校の成績にも表れてきます。

毎日10分以上読書をする子どもは、家でほとんど勉強しなくても、
睡眠をちゃんと取って授業を受けていれば、テストでは平均点を軽く超えると言われています。

逆に読書をしない子どもが家で勉強しても、読書をする子どものようには
成績に影響が表れてこない事も明らかになっています。


読書をすると多くの言葉を覚え、国語力もついてくる。国語力は全教科に共通して必要な要素です。
算数を勉強する時も、問題文を読めないと問題を解くことができません。

読書の習慣が、国語以外の教科の理解度にも貢献しているのです。


また、読書をしている時、脳は活発に働いています。
文字を理解したり物を見る部位だけでなく、前頭前野も活性します。
朝の読書を始めて生徒が落ち着いたというケースも、前頭前野の活性と関係があります。

前頭前野は想像したり、衝動を抑えたり、状況判断をする部位であり、人間らしさに深く関わっています。

思いやりのある人や機転が利く人は前頭前野の機能が高く、人間を人間たらしめる部位だという事が伺えます。


体も心も発達段階の子どもの時に、是非読書習慣を身につけてほしいと思います。
脳の発達を促し、本を読む子と読まない子の間で学力やそれ以外でも大きな差が出てきます。


今は授業以外の時間にスマホを見ている子どもが多いので、勿体ないですね。

SNSからの情報量は膨大ですが、意味の無いものも多く、スマホ使用時間が長くなる程
強い電磁波の危険性がある上に時間を無駄にしてしまい、心の成長にも支障が表れてきます。


スマホはとても便利なツールですが、子どものうちは色々な事を新鮮な目で吸収できる時期なだけに
家に帰ったらスマホ、休みの日もずっとスマホという生活では宝の持ち腐れです。


余暇の時間を少しでも読書にあてれば、心の栄養を養う有意義な時間へと変わります。
大人と比べて、子どもの頃はまだ時間がたくさんあって本を思う存分読めますので、
せっかくの機会を活かしてほしいと思います。



「朝の読書」の取り組みが30年に渡って続けられている一方で、近頃は子どもの読解力低下が問題になっています。

これは、やはりスマホの使用時間が増加した事や、以前から問題になっているゲームやテレビなど
暇つぶし出来る手段が増えすぎた事が大きいでしょう。


さらに食事の問題も見逃せません。

お菓子の食べ過ぎ、炭酸飲料や清涼飲料水を冷蔵庫にストックして毎日のように飲んだり、
ファーストフード、冷凍食品、加工食品など栄養が無くて食品添加物や化学物質が
たっぷりのものばかり食べている生活は、心身の成長を著しく妨げます。


また、これらは脳の本来持っている働きを抑えてしまう問題もあります。
集中力の低下、無氣力、衝動を抑えられない、イライラ、落ち込みなど
人間のあらゆる活動を邪魔してしまいます。

玄米菜食で栄養をしっかり摂って、お菓子は出来るだけ避けましょう。



ところで、便利な現代では本を電子版で読む人も多いかと思います。

かさばらないので、スマホを本棚のようにしていつでもどこでも読めるというのは大変な進歩ですが、
まだ子どものうちは電子書籍は待ってほしいと思います。

なぜなら、紙の本は想像力と共に自由自在に読み進める事が出来るからです。

自分でページをめくる時のわくわくドキドキ感はたまりません!
子どもが集中して本の世界に浸っている時、自分でページをめくるタイミングや速さは微妙に違います。

次の展開が待ちきれず、勢いよくページをめくる事もあれば、
主人公に危険が迫っている場面では、恐る恐るめくる事もあります。

絵本を読んでいる時は次のページの絵がゆっくり表れて見えるように、少しずつページをめくることもあります。
自分の想像する世界と絵本が連動して、自由自在に遊び回る。

どれも紙の本だから出来ることです。



そして、出来れば幼い頃から本を読む楽しさを知って、子どもが夢中になる事が大切です。

子どもの読書の習慣は、特に家庭環境に大きく影響されます。

家に本があるか、無いか。
お母さんが熱心に読み聞かせをしているかどうか。
図書館に行って、多くの本に触れさせているかどうか。

テレビやゲームよりも先に本の楽しさを教えることは大変重要です。


例えばテレビを見る時よりも、本を読む時の方が脳が活性しています。

なぜなら活字から受け取る情報量は映像と比べると少ないので、
それを補おうとして想像力をめいっぱい働かせるためです。


テレビは頭をそれほど働かせなくても、見ることが出来てしまいます。
視覚から入ってくる映像の情報、耳からの音声の情報が膨大で、意識して見ていないと受け身になり、
時間がダラダラと過ぎて行ってしまいます。


それに比べて、読書は能動的な行為です。

本をボーっとただ眺めているだけで、氣づいたら全部読めてしまったという事はありません。
必ず文章を目で追いながら内容を理解するという能動的な行動が伴います。

面白い事に入ってくる情報量が少ないほど、想像力で補われる部分が増えるのです。
つまり、頭をよく使っているという事です。


晴耕雨読という言葉のように、子どもも外に出かけた時はたくさん体を動かし、
雨などで家で過ごす時は本を好んで読むようになってほしいと思います。

また、積み木やおはじきのように指先を使う家遊びも、子どもの想像力を使うのでお勧めです。

テレビやゲームのように脳に楽をさせてしまうものよりも、このように脳を使う遊びに時間を使って、
子どもの健やかな成長を応援してあげてください。



先にも述べましたが、全教科の土台になる国語力は読書の習慣を身につければ、大いに伸ばすことができます。
何より重要なのが、学ぶ楽しさを感じられるようになる事です。


誤解してほしくないのですが、学校のテストの点を上げるために本を読む訳ではありません。

むしろ学ぶ本当の面白さや楽しさは、教科書の外にあると思います。
それに氣づくきっかけが、特に子どものうちは読書である場合が多いのです。


私が小学生の時、クラスに地理や歴史が大好きな子達がいました。
彼らは学校以外の場で、つまり教科書以外のところから積極的に学んでいました。

そこで学んだことは、学校のテストの点数に直接影響しなくても
語彙力、想像力などの力を伸ばしていたのは確かです。


もともとは教科書がきっかけだったのだと思いますが、好奇心を掻き立てられ
学ぶ楽しさに氣づくというのは素晴らしい成長の証です。

そして、それには読解力も大きな支えになっています。

成長していく中で、そして大人になっても学びたいという氣持ちは大切ですし、
長い目で見れば、人生の充実度も変わってきます。


想像しながら学びの幅を広げたり深めたりする楽しみを体験してほしいと思います。


文章を読む力は、社会の中で生きていく為に必要なスキルです。

文章の表面的な意味を捉えるだけでは不十分で、想像力を総動員して読み、
内容を理解しようと能動的になることで興味の世界が広がったり、著者と対話することも出来ます。

大人になってからも、何か新しい事を学ぶ時には専門書を読んだり、聞いた事を書き留めたり、
仕事ではメールでやり取りをしたりと、文章を使う機会はとても多いですね。


子どもの頃に読む力を養い、堅苦しい事は抜きにして、言葉を使って自由に遊んでほしいと思います。
それは将来の学びの土台となり、続けることで読書は一生の財産になります。


山本 和佳

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