5月31日に民主党がまとめた動物愛護法改正案とは?その実態は・・・
民主党の動物愛護対策ワーキングチーム(WT)が31日、動物愛護法改正案の骨子案をまとめた。売れ残った犬や猫の引き取りを自治体が拒否できる規定を盛り込んだことなどが特徴。WT事務局長の岡本英子氏(衆院3区)は「動物をモノではなく、命ある生き物として扱う社会とする一歩にしたい」と意気込んでいる。
現行法では犬や猫の引き取りについて、「都道府県などは所有者から求められたときは、引き取らなければならない」と定めている。
WTによると、都道府県などで殺処分される犬や猫は、ペットショップなどで売れ残って持ち込まれた動物の比率が高いという。こうした状況を是正するため、骨子案ではこの規定を改正。自治体が拒否できる理由を明記する方針を打ち出した。
また、先進国の基準にならい、出生後8週を経過しなければ、繁殖した犬や猫の販売などを禁止すると定めた。虐待の具体例を明記し、殺傷や虐待への罰則を強化することを盛り込んだ。
保健所から犬を3匹引き取って飼育した経験があるなど、動物愛護がライフワークの岡本氏。「5年に1度の法改正なので、先進国並みに、大きく前進した法改正にしたい。人と動物の共生を見つめていきたい」と話している。
(6月1日(金)9時0分配信 Yahooニュースより)
この記事を見て、「めでたし、めでたし・・・」と思われたであろうか。
しかし、動物実験に関しては何も変化していないのである。
以下は、「動物実験の法制度改善を求めるネットワーク」の記事を抜粋しました。
これを読めば、今回の改正案が動物の立場に立ったものではないことがお解かりいただけると思います。
《 以 下 抜 粋 》
5月31日に民主党の動物愛護対策WTが開かれ、民主党は党の動物愛護法改正案骨子に、動物実験については一切含めないという方針を決定してしまいました。
つまり動物実験については現行法に一切手を加えず、また一時検討されていた動物実験別法化案についても一旦白紙に戻すとのことです。
結果として途中まで動物愛護法改正の中で検討されていた、実験動物施設の届出制も、また3Rの義務化さえも取り下げるという格好になりました。
動物実験については様々な意見が出され、議論が十分でないため、動物愛護法改正の成立を優先させる、というのが表向きの理由でした。
会議は田島座長の骨子説明だけで、出席議員からは全く意見が出されず、また傍聴席からの発言も認められず、30分であっけなく終了しました。
(本件の顛末については、6/4発売(6/11号)の雑誌AERAに”医学界が潰した動物愛護法改正案”として記事が掲載されています。)
前回改正(05年)の自民党政権下でさえ、3Rの改正だけは行われたのに対し、実験動物の福祉に比較的理解があったはずの民主党が、業界の意向を受けた党内議員のクレームにより、こうもやすやすと改正案を撤回し、動物実験について全てを取り下げるという事態には、驚き呆れる他にありません。
そもそも施設の届出制は、動物実験をやめろというものでも、実質的な規制を求めるものでもなく、まずは全く闇の中にある動物実験の基本的な実態を把握しようという制度です。
3Rの強化・義務化にいたっては、動物実験を行う際の基本理念に過ぎず、業界側が反発するようないわれは全くないものです。
これだけの改正案にも反対してくる業界側の意図は、動物実験を完全に自分たちの聖域にしよう、市民には一切情報を漏らさないようにしようという、時代錯誤で自分勝手な態度と言わざるを得ません。
このような一般常識も社会的責任の自覚も欠けている方々が、動物は大切に扱うので心配いりません、と主張されても果たして信用できるでしょうか。
もし今回のような、今までにもなく良い条件の下でも法改正が通らなければ、これが既成事実化され、今後何年経っても法改正はできなくなってしまうでしょう。
そうなれば年間1000万匹~2000万匹といわれる実験動物の実態は闇のままで、動物実験に対して実態把握も行政監督もできない状態が続くことになります。
また先進諸国の法律や、OIEの規約をはじめとする動物実験の国際基準が相次いで改正される中、日本は国際社会から孤立し、野蛮で文明度の低い国家との評価を受けるでしょう。
我々はこの決定に到底納得がいくものではなく、今後あらゆるメディアを通じてこの問題を取り上げ、訴えていくつもりです。
皆様におかれましては、関係議員に対して、至急、以下の訴えをしていただきますよう、お願い申し上げます。