音楽家が音楽を諦める時

ネットで話題となったBOOWYや、GLAY、JUDYANDMARYのプロデューサーでも知られる佐久間正英さんのブログから
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以下記事です

ここしばらく「そろそろ音楽を止める潮時かな」と漠然と考えている。

ここで言う音楽とは自分の職業としての音楽のこと。趣味に近いたまにやるライブであったりバンド活動だったり毎晩作っている“おやすみ音楽”だったりのことでは無く、職業演奏家・作曲家・編曲家・レコードプロデューサーとしての音楽との関わりのことだ。

音楽制作の現場においていつの頃からかその制作費の締め付けが厳しいモノへと変わって来た。それは当然だ。単純に作った商品が売れなくなってしまったからだ。売れなくなった理由・考察はこの場では割愛するが、現実としてそういう状況だと。
すると単純に今までやって来た(培ってきた)技術・方法は使えなくなって来る。どんな形であれ音楽制作には経費が派生する。その経費は“音の作り方・クオリティそのもの”に正比例する。

僕らはよりよい音楽(音)を作ろうと日々努力する。そういう仕事だから当たり前のことだ。
よりよい環境(スタジオ等)を求め、よりよい機材で、よりよいやり方を試行錯誤し。知らない方から見れば「何でそんなことに?」と思える様な些細な部分にも注視し努力を続けて来た。
ところがあるボ−ダーラインを越えてしまうとその努力もやりようが無くなってくる。

例えば10年ほど前まで一枚のアルバムを作るには1200~1500万の予算がかかった。今の世代の方からは「バブル!」と一蹴されるかも知れないがそれは違う。

ちゃんと真面目に音楽を作るにはそういう金額がかかるのだ。僕らのギャラが高かった訳でもスタジオが法外に利益をむさぼった訳でも無駄な時間をかけた訳で もない。録音作品を真面目に作るとはそういう事なのだ。(ちなみにプロデューサーとしては印税契約だったので僕のギャラはその制作費には入っていない)もちろんこの予算にアーティストの取り分も含まれていない。純粋に録音物の制作にかかる費用だ。

その内訳はスタジオ代、エンジニア代、レンタル機材費、外部ミュージシャンを頼んだ場合のギャランティやアレンジ料等、プラス雑費。

実際の商品にするにはこれプラス・マスタリング代、その後のプレスやジャケットにまつわる経費、宣伝費なども加わってくる。
この予算が抑えられると言うことは何かを削る事にしかならない。そしてその“何か”とは無駄を押さえることギャラやスタジオ代の交渉に留まらず、残念ながら『音楽の質』を落とすことになる。
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すこし前ですが、かなりネットでも話題になりました。あくまでも一意見ではありますが、これも一つの現状。

氏の言うとおり、今はCDが売れない時代なので、制作に掛かるお金はドンドン削られています。またデジタルの進歩により、自宅でもかなりの音質まで追い込むことも可能になりました。

以前は分業化されていた
作詞、作曲、アレンジ、MIX、マスタリング、アートディレクションなどを一人でやってしまう人も増えてきましたし、外注する方も一人でやってくれた方が安上がりです。

実際に潰れていくレコーディングスタジオも多いです。

これも一つの時代の流れではありますが、あのレコーディングスタジオのなんとも言えないクリエイティブな空気が大好き
なので、寂しい思いはあります。

まぁ電磁波はすごいけど(笑)

落ちがついたところでこの辺で~

次ぎはCDが出来るまでをもうすこし掘り下げてかいてみようかなと思います。