老化やガン・生活習慣病の原因は…
そしてそれを防ぐもの、それは…
活性酸素は体内の細胞を酸化させることで、老化やガン・生活習慣病の原因となっています。
酸化するということは、要するにサビる事です!
そして、この酸化を防ぐ物質(サビ止め)が抗酸化物質です。
私たちの体内にも抗酸化成分が存在しますが、年齢を重ねるとともにその量は減っていきます。
そこで、抗酸化成分を食べ物で補給することが必要になることを前回お話ししました。
細胞が酸化するのを防ぐ抗酸化物質とは、なんなのか…。
いろいろありますが、今回は抗酸化物質の一つ、「ビタミンE」についてお話しします。
ビタミンEには抗酸化作用があり、正常な細胞活動の副産物であるフリーラジカルによる損傷から細胞を守ります。
体内の脂質を酸化から守り、細胞膜や生体膜を活性酸素から守ってくれる栄養素です。
「若返りのビタミン」とも呼ばれ、老化の防止、心疾患や生活習慣病などの予防に効果が期待できます。
そんな、老化防止にも病気の予防にも役立つビタミンEですが、不足しても、過剰に摂りすぎても良くないことが分かっています。
【ビタミンE欠乏症】
年長児や成人ではビタミンE欠乏症はまれのようですが、新生児が体内に蓄えているビタミンEの量は比較的少量です。
そのため、新生児ではビタミンE欠乏症のリスクが高くなります。
ビタミンE不足の未熟児は、重大な疾患になるリスクがあります。
赤血球が破裂する溶血性貧血になるおそれがあり、また、脳内出血や眼の血管が異常成長する未熟児網膜症のリスクもあります。
これは、戦後の母親が主食を玄米から白米に変えたことも影響があると思われます。
玄米にはビタミンEが精白米の約4倍も含まれているからです。
また、大人がビタミンE欠乏症になると、その症状では、反射の低下、歩行困難、協調運動の喪失、位置感覚(どこに手足があるか見なくてもわかること)の喪失、筋力の低下があるようです。
【ビタミンE過剰症】
だからといって、サプリメントなどで過剰にビタミンEを摂取することにも弊害があります。
ビタミンE過剰症は、出血の危険性(成人の出血性脳卒中を含む)が高まります。
大量にビタミンEを服用した成人は、筋力低下、疲労、吐き気、下痢を起こすことがあると言われています。
食物からビタミンやミネラルといった栄養素を摂る場合は、他の栄養素とも関連し合い、そのためうまくバランスが取れています。
サプリメントといった、単一の物や、一部の複数ミネラルやビタミンを摂取する場合はバランスが偏ってしまう場合もあり、そうした方法で栄養素を補っていても結果、また違う形で体に異変が出てくる場合もあります。
栄養素は、自然の恵みである、食物で補うことが自然の摂理に則っていて、ビタミンE過剰症になりにくい比較的安心な方法と言えます。
また、こうした栄養素は、一度にたくさんとるのではなく、毎日少しずつでも欠かさずにとるほうが効果を発揮します。
毎日の主食を玄米にすれば、栄養素の効果を最大限に生かすことができるのです。
川野 ゆき