この映画は、チェルノブイリ原発事故をきっかけに「自然エネルギー社会を子どもたちに」という想いから、ドイツ史上初の「市民の市民による市民のための」電力供給会社を誕生させるまでの軌跡を綴るドキュメンタリーです…
<伝えたいメッセージ>
EWSが操業をはじめた翌年の1998年に、ドイツは電力事業の全面自由化にふみきりました。
これにより、ドイツ国民はどこに住んでいても自由に電力会社を選択できるようになりました。
かつて独占企業であったKWRがその地位を奪われたように、EWSにとっても自由化は、シェーナウ市の顧客流出という危機をもたらすかに思えました。
しかし「原発に一切頼らない自然エネルギーをメインとした電力供給」というEWSの一貫した企業理念は、多くのドイツ国民の支持を得て、顧客数は毎年増加の一途を続け、2012年現在ではドイツ全土で約11万件の顧客を抱えるまでに成長しています。
今では電力会社として不動の地位を確立するに至ったEWSですが、その挑戦はまだまだ続きます。
親の会の中心メンバーであり、EWSの経営責任者であるウルズラ・スラーデック女史は、映画の終盤において次の言葉を残しています。
「1番の願いは、世界中から原発がなくなること。
2つ目の願いは、早急な自然エネルギー社会への転換。
そして3つ目の願いは、世界中の人たちに電力が公平にいき渡ること。」
2011年、スラーデック女史は、祖国ドイツに自然エネルギー社会への転換を促す大きな一助を果たしたとして、環境保護における草の根運動で偉業を成し遂げた人に贈られ、その権威の高さから環境のノーベル賞とも称される「ゴールドマン環境賞」を授賞しました。
スラーデック女史たちの活動がそうであったように、よりよい社会への第一歩は、まちの住民たちが集い、共に考え、話し合うことから始まるのかもしれません。
この映画の上映会が、未曾有の環境問題に直面した日本において、少しでも多くの人たちに希望ある社会をめざすための一歩を踏み出す勇気と力になりますことを心から願ってやみません。
<映画「シェーナウの想い」の映画予告編>
<映画詳細>
製作:Fuss e.V.
(Der Förderverein für umweltfreundliche Stromverteilung und Energieerzeugung Schönau im Schwarzwald e.V.; シェーナウ・環境にやさしい電力供給のための支援団体)
製作年:2008年
上映時間;60分
監督:フランク=ディーチェ/ヴェルナー=キーファー
日本語翻訳;及川斉志
字幕編集;大和拓
日本語版作成協力;ウルズラ=スラーデック
熊崎実佳 / 宍戸弘城 / 佐山摩麗子 / 土渕英恵 / 藤島理恵
パトリック=ベッカー / マリー=ジッペリウス /
ウ―ディガー=ヴァイス
エコ・フライヴィリヒ(在フライブルク日本人環境団体)(敬称略)
*シェーナウ市:ドイツ連邦共和国バーデン=ヴュルテンベルク州レラッハ郡に属す都市。
ドイツの行政単位では市となるが、人口約2500人なので日本の感覚では町や村に近い。
