動物サーカスは動物の苦痛を想像させない悪の教育、それを子どもが見れば人に優しくできない子に育つ!
動物は人間に従うモノ?彼らにとって舞台も裏も地獄の生活・・・
今年の夏、東京・大阪・横浜・静岡・長野・名古屋・三重で、動物の芸を目玉にするボリショイサーカス団が公演を行いました。
ボリショイサーカス団はロシアに由来し、ロシア名称はロシア連邦サーカス公団です。
また、ロシア連邦文化省に所属する組織であり、ロシア連邦サーカス旧ソビエト連邦サーカス公団を改称して発足した国立の機関です。
ロシア連邦サーカス公団は、約4,000人のアーティストとスタッフ、6,000頭以上の動物 、約70ヶ所の常設・仮設劇場をもつサーカス組織です。また、3ヶ所にある国立のサーカス学校も運営しています。
ボリショイサーカスの日本での公演は、馬グループと象グループの2種類にわかれ、全国をまわります。
東京の有明コロシアムでは、7月21日~8月12日に象グループの公演が1日3回10:30/14:00/17:00の各2時間行われました。
公演前・休憩中・公演後には1枚1000円で動物と写真を撮ることもでき、その時間以外動物は会場裏の小屋で飼育されます。
象グループの内容は、
象
・椅子に座らせ鼻とおでこに人間を乗せる
・1頭がもう1頭の腹の下をほふく前進する
・口に棒をくわえ、両端に人間が座る
・対角の2本の脚を上げキープ
熊
・二足歩行、逆立ち歩き
・首でフラフープを回す
・片足でけんけん歩き
・大縄跳び
ヒョウ
・肉で誘導しながら人間とたわむれる
猫
・逆立ち歩き
・綱渡り
・玉乗り
・前足を体の両側に張られた2本の縄にかけ、脇に縄を抱えた状態で進む
犬
・逆立ち歩き
・二足歩行
・寝そべった大型犬の上を小型犬が歩く
この内容はボリショイサーカスのホームページで公開されている動画と、実際にこの東京公演を観に行った友人から伺ったものの一部です。
どれもこれも、自然界ではありえない行為だと誰でもわかります。
特に、猫の前足を縄にかけて進むというのは、確実に苦痛を与えています。なぜなら、猫と犬は骨格上どの脚も体の横に開かないからです。
簡単に言いますと、人間にはある鎖骨が彼らには無いため、胴と前足の骨が筋でしかつながっていないのです。そのため、抱きかかえる際は、脇に手を入れて持ち上げてはならないとよく言われます。
それを知らずに子猫や子犬を脇から持ち上げてしまうと、「キャン!」と鳴き、筋を痛めてしまうがよくあるほどです。
また、この期間中、NPO法人アニマルライツセンター主催で動物サーカス反対を訴えるチラシ配りが行われました。
7月21日~29日では計約4100枚を配り、公演を見終わった方には「動物は全然楽しそうじゃなかった。電気棒を使っているように見えた。」と訴える声もあったそうです。
しかし、まだまだ動物愛護という言葉には、動物がかわいそう!しか考えない、偏った考えの人間の集まりだという偏見があります。そのため、馬鹿にされたり、チラシを路上に捨てられたりします。
日中の暑い中、わざわざ有志が集い行動しているということは、それなりの理由があるのだと、なぜ気付かないのでしょうか?
野生動物が過ごすべき環境を思い浮かべることはできないのでしょうか?
スーパーに並ぶ、パックに詰められた獣肉を食べるのは人間だけです。
ライオンやヒョウは獲物を狩るため、大地を疾走します。ゾウはオアシスで思う存分水浴びをします。クマは森で静かに暮らし、冬は冬眠をします。
それでも、サーカスの団員は動物を尊重していると主張するかも知れません。
しかし、彼らの家である大自然を奪われ、新鮮な土の匂いも嗅げない、もはや虐待とも言える強制的な芸の調教、朝も昼も夜もない一生・・・
どう正当化しようと金稼ぎのモノでしかありません。
そして、サーカスの公演日程を終えれば、すぐさま移動です。
天候や動物の体調の変化に対応しているのかは分かりませんが、既にチケットが売れた公演の決行が第一に考えられていることでしょう。
一方、コルテオやクーザなどでおなじみの、ケベック発祥シルク・ドゥ・ソレイユというアーティスト集団は、設立当初から動物の芸を一切取り入れないサーカスとして知られています。
また、シルク・ドゥ・ソレイユの創始者は、世界へ清潔で安全な水を届けるために世界の人々の水問題に対する意識を高め、貧困と戦う〝ONE DROP〟運動をサポートしています。(そこで挙げられている問題のひとつに、畜産による水の間接消費も含まれています。)
同じサーカスでも、内容はもちろん企業の方針や理念が全く異なります。
これは生活用品や化粧品を購入する際に、動物実験をしているメーカーかしていないメーカーを選ぶことと同じだと思います。
是非このようなことを知ったうえで、観客としてサーカスに参加してほしいと願います。
☆ 動物を使用するサーカスに対する世界の動き
世界で初めてサーカスに動物を使用することを禁止した国はボリビアで、ペルーでも完全に禁止になっています。
今年に入りギリシャもその仲間入りを果たし、イギリスでは2年後にサーカスに関して野生動物の飼育・使用を禁止することが決定しました。
これはイギリス国民の9割が賛同し、元ビートルズのポールマッカートニー氏を代表とする様々な著名人の協力のもと、叶ったと言われています。
また、オーストリア・クロアチア・デンマーク・シンガポール・インド・スウェーデン・フィンランド・パラグアイ・イスラエル・コスタリカでは以前からサーカスに野生動物を使用することが禁止になっています。
アメリカでは、2011年、議会にサーカスで野生動物の利用を禁止する法案が提出され、議員の声明では「移動サーカスがこれらの珍しい動物たちに、適切な生活環境を提供できないことは明らかだ」と発表されました。
法案の内容は移動サーカスを指摘するもので、ショーの15日以内に移動がある場合、野生動物の芸を禁止にするというもので、現在も動物サーカス廃止を目指して動いています。
他にも、ポルトガル・アイルランド・オーストラリア・カナダ・ノルウェーも動物サーカスを規制する方向へ向かっています。
動物サーカスに反対することは、過剰な動物愛護ではありません。
阿久津 桜