乳を飲むということ

牛乳を毎日飲むということ、牛は永遠に牛乳を出し続けるということ、全ては間違った常識。

世界中を探しても、本当に離乳した大人なんてほんの少しでしょう・・・

1番の被害者である彼らが私たちに訴える、その目を見て下さい。

産後3~4日に出る初乳の大切さは、もうみなさんご存じだと思います。
母親の血液から成る母乳には免疫物質がたっぷり含まれていますし、なにより授乳は母親と赤ちゃんの重要なスキンシップでもあります。

しかし、残念ながら母親の母乳不足や赤ちゃんが授乳を嫌がるなど、様々な理由で人工的な粉ミルクを与える家庭がより多くなってきています。
そんな現代の粉ミルクの需要に合わせ、こんな恐ろしいニュースが流れました。

2011年6月、中国とアルゼンチンで「人間の母乳と似た牛乳」を出すクローン牛誕生。

北京郊外に試験場をもつ中国農業大学が研究を行い、当時で既に300頭のクローン牛が生産されており、毎週毎週子牛が生まれていたと言います。

研究者らは、「この牛乳はとてもおいしい。普通の牛乳より、人間にとって良いものだ。」と自信作を試飲。
研究チームの責任者を務める人物は、「中国は15億人の人口を抱えている。彼らの食を支えるためにも、我々の研究は必要不可欠。理想や信念を考慮して、遺伝子組み換えを無闇に否定するべきではない。それよりも人々を養うために、科学とテクノロジーを結集しなければならない。」とその目的と需要を語りました。

一方アルゼンチンでは、国立農業先端技術研究所と国立サンマルティン大学が協力し、乳児に抗菌・抗ウイルス・高栄養の牛乳を与える事を目的に研究を重ねたと発表しました。

この牛乳は母乳よりも甘く味が強くなっていて、さらに免疫体系と抗菌性の強化が図られました。
さらに、母乳に含まれる酵素のリゾチーム、同じく母乳に含まれるタンパク質のラクトフェリンとαーラクトアルブミンがこの牛乳には含まれています。
その他にも脂肪分や固形分などを近づけた結果、母乳と80%の成分を一致させることに成功したそうです。

中国とアルゼンチンいずれも乳児用の粉ミルクの代用を目指しており、乳牛となる牛のDNAに人間の遺伝子コードを組み込んだ受精卵を作り、代理母に出産させるという仕組みです。
つまり将来は、遺伝子組み換え牛による「人間の母乳と似た牛乳」を大量生産させたいということですが、この技術を固め、母乳成分牛乳を世に出すまでには少なくとも10年はかかるとされています。
しかし、あと10年すればこの無茶苦茶な牛乳が出回り、間違った当たり前がまたひとつ増えてしまうということです・・・

クローンを作ってまで乳児用の牛乳を生産する需要があるということは、それだけ母親の母乳の栄養が足りないのでしょうか?
産後すぐに母親から子どもを引き離し、冷たい乳児用ケースに入れるシステムが馴染んできてしまっているのでしょうか?

母親の健康を守り、子どもの健康の土台を作るため、本当に必要なことを完全に見失っていると私は感じます。
そもそもの健康な体作りを目指さず、与えられるものに頼ってしまう、そんな悪循環の典型です・・・

ここで動物に視点を移します。

この動画から、大きな牛の真っ直ぐな目が訴えることを感じとって頂ければと思います。

映像はこちら

いかがでしたか?

幸い、ここは扇風機により風が回っていました。
しかし体や顔にまとわりつく虫、空っぽの飲み水容器、乳牛の特徴である首にはめられたスタンチョン、目の前に積まれた牧草・・・
様々な環境が伺えたと思います。

当たり前ですが、乳牛は人工授精により妊娠と出産を繰り返し牛乳を出します。もちろん我が子のために。
しかしそれは叶わず、私たち人間が牛の血液である牛乳を奪います。

生まれた子牛は母親から離され母親のぬくもりも感じられず、柔らかいおっぱいも吸えずに、主にバケツから人工乳などを与えられます。
それは子牛が乳牛である母親の乳房を傷つけては、搾乳に支障が出るためです。

また、雄が生まれれば乳牛にはならないので即刻殺処分か、柔らかい子牛肉(ヴィール)を生産するために、体と同じ大きさの小屋で一歩も動けずに育てられます。
そうすれば筋肉が未発達となり、柔らかい肉のまま出荷できるからです。
さらに、チーズは子牛の第四の胃であるレンネットを取り出しそこで発酵させる方法が多くとられています。

彼らは産まれた瞬間、殺されるために生かされるのです。

この写真はまた別の牛舎で撮影したものです。

この牛の右目は膨張し、まぶたに収まるはずの部分まで飛び出ていました。

足元や下半身は皮膚が赤く炎症を起こし、あばら骨が浮き出ていました。

別の小屋に入れられた子牛に近寄ると、絶望した表情で、声をかけても音を立てても無反応でした。

こんな無意味な犠牲があってはなりません。
自分でも他人の女性から採った母乳は気味が悪くて飲めませんし、私が母親だったら自分の子どもには何が何でも自分の母乳を飲ませます。

しかし、そんな私がずれているのか、世の中がずれているのか、ロンドンのアイスクリーム・パーラーが母乳アイスの提供を始めたと2011年2月のニュース記事を見つけました。

動物の倫理的な扱いを求める人々の会PETAが、2008年にアメリカのアイスクリームメーカーに、「牛乳を使用して製造されたアイスクリームは、貧血・アレルギー・小児糖尿病・便秘・前立腺癌などが発症する原因であり、長期に渡り牛乳を摂取すると肥満や心臓病の原因にもなるため、牛乳を摂取するのは良くない。」と主張したことがきっかけになっているようです。

また、「牛乳を搾取するために不衛生な場所で、強制的に妊娠させ母乳が出るようにし続ける事も、動物愛護の精神を持つPETAにとっては、遺憾。」そのため、母乳が牛乳に取って代わる事によって、無理やり牛乳を搾取する必要が無くなるとも主張したようです。

母乳アイスを商品化した店の責任者は、「ピュアでナチュラルでオーガニックでフリーレンジ(放牧した動物の乳のこと)。子どもに食べさせて安心なものなら、アイスクリームに使っても安心です」と語りました。

ニュースにはインターネットで母乳提供の呼びかけを見て共感し、約265ml(ほ乳瓶1本分くらいの量)を提供したという女性も登場し、アイスの材料である母乳は病院で新生児に提供されるものと同様に検査され、感染症などの心配はないことを呼びかけています。

しかし当時の価格は1杯約1800円・・・。

とっくに母乳断ちをして成人した人間が、同種あるいは異種である牛・山羊・羊の乳を飲むということは、たとえ栄養補給のためや嗜好品のためであっても健康面や精神面にリスクが伴うと私は考えます。

はたして、みなさんの乳事情はどうなっていますか?

最後に、今年8月に発表された牛の尾切り作業に関するグッドニュースです。

アメリカ獣医学協会や動物福祉専門家は、この作業が動物にとって何のメリットも無いと批判しており、全米牛乳生産者連合 (NMPF) もついに牛の尾切りに正式に反対を表明しました。(しかし NMPF が勧告している段階的廃止期間は10年です。)

尾切りとは乳牛に対して麻酔を使わずに行う外科的手術で、尾の神経・皮膚・脊椎骨までを切り落とし、傷口を焼く作業です。牛はその痛みに倒れこむほどの苦痛でした。

この作業は既にカリフォルニア州、オハイオ州、ロードアイランド州で禁止されているそうです。

最終的に、消費者が肉・乳製品・卵を人道的な菜食の代替品へ切り替えて、自身の健康を手に入れ動物の不必要な苦しみをなくすことに繋がるよう、もっともっと動物の目線で事実を考えられる世の中を目指したいものです。

阿久津 桜

アナザーmember’s CLUB