環境を破壊しながら大金を手にするスポーツ選手

2020年東京オリンピックが決定。
その前の2016年リオデジャネイロオリンピックから112年ぶりに復活した競技、「ゴルフ」日本では石川遼が並みいる芸能人を抑えて20本近くのCM契約をし、CMキングになったり。
また、スポーツ部門の長者番付はプロゴルファーが上位を占めている。

一時はタイガーウッズが賞金と契約金だけで年間100億円を稼いでいた。

そんな華々しいスポーツのゴルフだが、1つのゴルフ場で1日に利用するお客は満タンに入ったとしても200人程度、、
その200人のために毎日ゴルフ場は準備やメンテナンスをする。。

ゴルフ場問題を語るとなると、農薬問題を避けて通れない。

いくつかのゴルフ場批判本に目を通すと、出てくるのは、「ゴルフ場には、年間3~4トンの農薬がばらまかれている」という数字である。
しかもその大半は、芝生の部分に散布されるから濃度が非常に高いという。

その農薬は地下水に浸透し、飲料水の水源になっていることが多い.
ゴルフ場周辺を汚染している、散布する従業員やプレイヤーの健康被害も引き起こしている、農薬が空氣中に拡散して大氣汚染にもなっているとまでいう。

この場合の「農薬」とは、殺菌剤、殺虫剤、除草剤の合計である。
批判は、とくに除草剤に強く、土壌をボロボロにするほか、発癌性などの心配に触れているものもある。
これはベトナム戦争の枯葉作戦で散布された除草剤が、今もなお奇形児を生み出したり深刻な健康被害を引き起こしていることからの連想ではないかと思われる。

まず農薬の使用理由は、病氣、害虫、そして雑草から芝生を守るためである。
ゴルフコースは、なんといっても芝生なくしてあり得ないが、病害虫や雑草は、芝生の大敵なのである。

そして病害虫をやっつけ、雑草を枯らすには農薬散布が手っとり早いのは間違いない。

まず量の問題について考えたい。
農薬の形状は、粒剤や粉剤、そして液剤と様々なので、単純に重量や容積で表せない面もあるが、ここでは一つの基準として見ておこう。
年間3~4トンという数値が、どこから登場したのかはわからない。

実は何人かのグリーンキーパーに聞いたのだが、「いくらコストを氣にせず使っても、3トンにもなるはずがない」と首をかしげる。
1988年、1989年に、当時の総務庁が九都道府県の25ゴルフ場を対象に調査したところ、農薬使用量は、1ゴルフ場当たり2059キログラムだった。

つまり2トン前後である。

これは全国的な平均数値と考えてよいだろう。
もっとも、当時でも1トン内外の県もある。

なかには北海道のように、1991年度で総量が平均619キログラムというケースもある。

これは、冬期が積雪でクローズすることと、夏も比較的冷涼で病氣等が発生しにくいためだろう。
同じことは東北のコースにも言える。

ただ逆の証言もあって、ある人物の証言によると「○○のゴルフ場は、グリーンキーパーが古い人で、昔の流儀を変えようとしない。
6トン以上使っているんじゃないか。とにかく使えば芝生は守れると思っている

このような声を聞くと、農薬を年間3~4トンも散布するゴルフ場は、今はともかく過去(ごく一部は今も?)はあったのは間違いないだろう。
おそらくゴルフ創成期のゴルフ場管理の手法である。

そしてその使い方は、かなり乱暴なものだと言ってもいいはずだ。

ところで「年間何トンの農薬」と言った場合、その量は18ホールのゴルフ場換算と読むべきだろう。
最初は9ホールのゴルフ場が主流だったが、その後18ホールが標準となり、現在では27ホールのゴルフ場も増えている。
ここでは基準に沿って18ホール規模のゴルフ場で見ていこう。

この規模のゴルフ場の面積は約100ヘクタール(現在は、残置森林率が上がるなどしてもっと必要になるケースが多いが、ここでは計算しやすいようにこの数字を使う)うち芝生部分はざっと3割、30ヘクタールくらいか。

そこに3トンということは、1ヘクタール当たり100キログラムという計算になる(年間4トンなら約123キロ、2トンならば約67キロ。1トンならばその半分……)。
さらにイメージが浮かびやすいよう1アールに換算すると、3トンで1キログラム(2トンならば670グラム)。

1アールは、10メートル四方だから少し大きめの家庭菜園といったところか。
農薬も、固形なら両掌を広げた上に乗るくらい、液体なら牛乳などの1リットル紙パック分に相当するだけの量ということになるだろうか。

これだけの農薬を1年間で使用することになる。

「年間3~4トンの農薬散布」がどれくらいのものかイメージしてほしい。
これくらいの量の農薬を使用するゴルフ場が、かつてあったのは事実だろう。

しかしゴルフ場批判が強まった80年後半から、急速に減農薬が進み出した。
1995年前後には、使用量を半減させた都道府県もある。

芝生の枯れる原因が虫なのか病氣なのか、あるいは環境に問題があるのかわからないまま、農薬で「消毒」していた。
芝生の状態がプレーの成績に響くだけに、ゴルファーの目も厳しい。

コースの人氣に響き、経営にも関わる問題だ。
しかし当時は、大規模な芝地をうまく育成する方法が確立していなかった。
そもそも芝の病害虫に対する知識も、防徐対策自体が知られていなかったのだ。

今では、経営的にも金のかかる農薬散布は極力減らす方向で芝生管理が行われている。
では、現在の農薬使用量を年間約500キログラムとして、これを先ほどの目安に合わせるとどれくらいか。

1ヘクタール当たりなら約17キログラムだ。
1アールとならば約167グラムとなる。

何度に分けて散布するのかは別として、随分減ったことは実感する。
使い方も変化した。しかし農薬の散布など良いはずはない。

芝生の管理と農薬の使い方を、バブル時代と同じ目で現在のゴルフ場を見るべきではないとはいえ、ゴルフ場がある限り、農薬が使用されているのは事実だ。

まだまだ課題は多く、自然に寄り添ったゴルフ場が増える事を願う。

大金を稼いでいるプロゴルファーは賞金を、まずは環境保護のために払うべきではないのだろうか?