おいしい母乳のために2

赤ちゃんにとっておいしい母乳とは?
そのためにお母さんが工夫するべきこととは?

母乳を与えることが自然界では当たり前のことですが、
そのためのお母さんの日々の努力は大変なものです。

夜中に起きて授乳するのはお母さんにとって毎日のことですし、
ときには夜泣きに悩まされることもあるかと思います。

夜泣きをすると、母乳が足りないと考えるお母さんが多いと思いますが、
夜泣きの原因の一つとして、母乳の与え方に問題があることが
考えられます。

小児科医の真弓定男先生は、生命のリズムに合わせた授乳が
自然であるとおっしゃいます。

母乳の分泌にもリズムがあり、乳房は1日に8~10回呼吸をすると
言われています。つまり、2時間半から3時間おきに
授乳すれば、母体は理想的なリズムを保つことができます。

一方赤ちゃんには、おっぱいを吸いたいという吸綴欲(きゅうてつよく)が
備わっています。
これにもリズムがあり、母乳のリズムと上手く一致すれば、
おっぱいを飲みたいのに飲めなくて泣くということが無くなります。

お母さんは、催乳感覚と赤ちゃんの吸綴欲を一致させるために
努力する必要があります。
個人差はありますが、2時間半から3時間くらいの間隔で
授乳するのが望ましいです。

赤ちゃんがおっぱいを吸うことによって、お母さんの体は催乳ホルモンが分泌され、
次の授乳の時までに母乳が貯まるようになっているのです。

また、お母さんが動物性脂肪を多く摂りますと、
乳腺が固くなって、母乳が出にくくなる上に
母乳の味が変わってしまうことがあるので注意したいところです。

赤ちゃん本来の好みの味ではなくなるため、飲みたがらなく
なることがあります。

夕食に動物性脂肪を多く摂れば、夜間に出る母乳を飲みたがらず、
夜泣きをしてしまう原因にもなります。

動物性脂肪を控えた和食中心の食事を心がけましょう。

そして、お母さんのストレスも母乳の出方に大きく影響します。
外に出かけられない、ゆっくり寝られないことなどから
ストレスが溜まることもあります。

ご家族に理解をしてもらいながら協力していくことが大切です。

授乳期はお母さんにとって体力面、精神面ともに本当に大変ですが、
赤ちゃんとの密なコミュニケーションを取る大事な時期でもあります。

授乳は母親だけに与えられた大事な役割です。
その後の母子の信頼関係にもつながっていきますので、
お母さんの日々の努力は必ず報われます。

園部 知紗