新作映画紹介「ナンネル・モーツァルト 哀しみの旅路」

まだまだ間に合う新作映画紹介!
モーツァルトに姉がいた!?
偉人モーツァルトをモチーフにしたフェミニズム映画。

あの天才音楽家モーツァルトに姉がいたとは、この映画を見るまで知りませんでした。しかもそのモーツァルトの姉を主人公にすえた作品は珍しいと思います。
彼女は弟同様に音楽の才能に恵まれていましたが、時代は女性が音楽をすることを許しませんでした。本作は偉人モーツァルトをモチーフにしつつも、時代の波にもがき抗おうとする女性達をえがいたフェミニズム映画だといえましょう。

あらすじ:
18世紀、欧州中を演奏旅行して回るモーツァルト一家には、音楽の天才で11歳のヴォルフガングと、素晴らしい伴奏と美しい声を披露する15歳の姉アンナ・マリア、通称ナンネルがいた。二人の演奏は各地で大絶賛を浴びる。父レオポルドは神童のヴォルフガングを溺愛し、作曲を学びたいと願うナンネルにはヴァイオリンに触ることさえ禁じていた。当時は女性が作曲をするなど許されなかった時代で、ナンネルは思い悩む。そんなとき、姉弟はヴェルサイユ宮殿で演奏する機会に恵まれ、ナンネルは、王太子ルイ・フェルディナンと出会い恋に落ちる…。

一般に近世の女性の地位が低いという知識はありましたが、ヨーロッパ18世紀の価値観が、女性が音楽を学ぶ事を許さないほどだとは思いもしませんでした。
女性であるがゆえ、音楽をあきらめねばならなかったり、修道院に暮らすことを余儀なくされたり…。
王の隠し子の王女ルイーズの「私たちは世界を変えたかもしれない。あなたは音楽で。私は政治で」という言葉には悔しさが満ち溢れています。と同時に諦念も見て取れます。当時の女性の地位をよく表している台詞でしょう。
音楽の歴史には、このような悲劇もあったと知れば、モーツァルトの美しい音楽もまた違った響きに聞こえてくるようです。

東京 Bunkamura ル・シネマ上映中
他全国近日上映予定
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