報道でよく目にするヨウ素131。
これの半減期は約8日と言われているのでもう大丈夫だろう…と思ってしまいがちですが、実は安心できないのです、なぜなら…
放射線を出して、他の種類の原子核に変化しようとするものを「放射性同位体」と呼びます。
ヨウ素131もキセノン131に変化していくため放射性同位体と呼ばれます。
半減期とは放射性同位体が1000個あったとしたら、半分の500個まで下がる期間のことをいいます。
ただ、放射性同位体は○時間○分○秒後に放射線を出し変化する、という予測は現段階ではできていません。
つまり、放射性同位体がだいたいこのくらいで半分なくなるだろうと思われる、確率的に予測された期間のことを半減期としています。
ですので、ヨウ素131の場合でも、確実に8日で半分になりますと断定できるものではないのです。
ヨウ素131は半減期が約8日と比較的短期な部類に入るため、
「なんだ、8日で半分もなくなるのか。じゃあ8日過ぎれば大丈夫かな」
と安易に思われやすいですが、これは逆で、むしろ半減期が短いために生体には有害な作用をもたらします。
なぜかというと、半減期が短ければ短いほど放射線の出る頻度が増すからです。
例えば放射性物質が1000個あるとして、半減期が1日のと1年のとを比べると、
半減期1日の場合は、1日に約500回放射線を浴びることになります。
半減期1年の場合は、1年で約500回放射線を浴びることになります。
このように、半減期が短いほど放射線を浴びてしまう頻度が増してしまうのです。
そのため、ヨウ素131は半減期が短期なため、危険度が高い放射性物質とされています。
また、チェルノブイリ原発事故後にヨウ素131による子どもの甲状腺ガンは、事故の5年後に現われ始め、10年後にピークになったといわれています。
これには、ヨウ素の内部被曝期間が関係しています。
ヨウ素131の半減期は約8日。
1000個で例えると、8日経つと500個になり、また半減期の8日が経つと残りの500個が半分になるので250個に。
さらに8日たつと125個に。といったように半減期が経過したからといって完全になくなるものではないことがわかります。
そしてこの間、内部被曝し続けることになるのです。
半減期8日というと短く感じてしまいますが、継続する被曝期間として考えると決して短くはないのです。
そしてこの被曝期間の長さが甲状腺ガンを招いてしまう要因となっています。
詳しくは次回お話したいと思います。
川野 ゆき