内部被曝は2種類ある!

放射性物質が含まれる食品や水を摂取した場合と、空気中のチリなどに付着している放射性物質を吸い込んだ場合、どちらが危険!?
そんな謎を数値で解明!

同じ内部被曝でも、飲食で放射性物質を取り込むのと、空気から吸入で取り込むのと、どう違い、またどう危険なのでしょうか。

放射性物質が含まれる水や食べ物を摂取し、体内に取り込まれてしまうことを経口摂取 (けいこうせっしゅ)といい、空気中に含まれているガス状、または粒子状の放射性物質を肺などに取り込んでしまうことを吸入摂取 (きゅうにゅうせっしゅ)といいます。

排泄や呼吸により、放射性物質(またはすでに放射線を出し壊変した物質)は体外に排出されますが、体内に残るものもあります。
(体内に残った場合、内部被曝の危険は高まります。)

そして放射線が与える人体へのダメージ度には経口摂取と吸入摂取では違いがあります。
以下をご覧下さい。

ベクレルをマイクロシーベルトに変える数値(μSv/Bq)

ヨウ素131
経口摂取0.022
吸入摂取0.0074

セシウム134
経口摂取0.019
吸入摂取0.02

セシウム137
経口摂取0.013
吸入摂取0.039

ストロンチウム89
経口摂取0.0026
吸入摂取0.0079

ストロンチウム90
経口摂取0.028
吸入摂取0.16

プルトニウム238
経口摂取0.23
吸入摂取110

プルトニウム239
経口摂取0.25
吸入摂取120

ICRP(国際放射線防護委員会)参照(*若干の差異有。)

この数値に、検出された放射性物質のベクレル数を掛けると、マイクロシーベルトに変換できます。
(吸入摂取は体に取り込まれた分とされ、喉などに付着した分は含まれません)

ヨウ素131などは吸入摂取よりも経口摂取の方が人体に影響することがわかります。
ですが、プルトニウム239は吸入摂取120と信じられないほど高い数値です。
(プルトニウムは普通のマスクで防ぐことが難しいとされています。
空気中を飛んでくるプルトニウムの粒子は、0.3ミクロン程の非常に小さな微粒子(ナノ粒子)だからです。
けれど、インフルエンザウイルスは約0.1ミクロンなので、インフルエンザウイルスを防ぐことの出来るマスクでしたら、プルトニウム粒子も大幅に防げる可能性が高くなります。)

このように、数値を比べてみることで同じ内部被曝でも、食べたときと吸ったときの怖さの違いがわかります。

また、1回での数値が低いからといって油断してはいけません。
放射線の被曝というのは、その瞬間に注意するものではなく、積算されていく量にこそ気をつける必要があるからです。

放射線の被曝に対し、常に意識して、できる限り低い被曝量にとどめておく必要があります。

川野 ゆき