ガンになる倍率!?吸収線量とは!?

放射線の種類によって人体に与える影響度が異なる!
アルファ線、ベータ線、ガンマ線、エネルギーの強さでわかる危険度とは…!?

放射線にはアルファ線、ベータ線、ガンマ線といったように数種類あることはもう皆さんご存知だと思いますが、それらの放射線が物質に影響を与えるエネルギーに違いがあることがわかりました。
それが吸収線量と呼ばれるもの。
今回は、そんな吸収線量についてお話したいと思います。

放射線が細胞に当たると、細胞の電子を剥離させてしまいます。
これを電離作用といい、この電離作用がガンや奇形を生み出してしまうDNAを傷つける元凶とされています。
ただ、放射線が私たちの身体を通過するとき、放射線の持つ全てのエネルギーが体に影響を与えているのではなく、影響を与えるのはごく一部のエネルギーであることが分かっています。

私たちが影響を受ける分の放射線エネルギーのことを、吸収線量と呼びます。
そして、吸収線量は放射線によって違いが見られました。
放射線を浴びる人体へのダメージの程度を倍率で表すと驚く結果であることが判明します。
ベータ線とガンマ線では吸収線量を1倍すると、アルファ線の吸収線量はなんとその20倍という倍率になります。
量や、被曝する箇所などにもよりますが、ただ単に放射線の人体に与えるダメージ(電離作用)だけを比べると、ベータ線やガンマ線よりもアルファ線のほうがとても強力なことが分かります。
(それにしても、20倍とはすさまじい倍率です。)

吸収線量(影響度の強さ)を単位にすると、
アルファ線、1グレイ=20シーベルト
ベータ線とガンマ線、1グレイ=1シーベルトとなります。

シーベルト、ベクレルなどに続き、またまた新しい単位が登場しました。
ここで、グレイ(Gy)について少し説明したいと思います。
グレイは放射線量の国際単位で、英国の物理学者ルイス・ハロルド・グレイ(1905年-1965年)を記念して1975年に定められました。
ルイス・ハロルド・グレイは、放射線が生物にどのような影響を与えるかについて研究し、放射線生物学という研究分野を作り出し、線量測定の分野で最も貢献した人物と言われています。

1グレイの定義は、放射線によって1キログラムの物質に1J (ジュールはエネルギーの単位)の放射エネルギーが吸収されたときの吸収線量とあります。
わかりやすくいうと、物質の1kgに受けたエネルギーの量のことです。
また、1グレイ=100ラド(昔使われていた単位)でもあります。

話は吸収線量に戻りますが、つまり、吸収線量の強いアルファ線はガンマ線やベータ線に比べて電離作用が20倍も強力である!ということになります。
アルファ線を出す放射性物質には、
ラジウム226(半減期1600年)
ウラン235(半減期7億年)
ウラン238(半減期45億年)
プルトニウム239(半減期2万4千年)があります。
これらは他の放射性物質に比べて単純に考えると20倍も危険ということになります。

他のベータ線やガンマ線を出す放射性物質は自然界でも確認されますが、ウランやプルトニウムは自然界には存在しない人工的な物質です。
要するに、原子力発電所によって、人の手によって毎日のように生成されています。
震災により、堅い防護層も破れ、決して自然界には決して出してはいけない危険な元素が放出されてしまいました。
出てしまった分はとにかくどうにかするしかありませんが、これ以上危険な人工の放射性物質を拡散させないために、(特に原子力発電所から近くにいるほど被害を受けやすくなります)そんな危険なものを生み出し続ける原子力発電所には1秒でも早く止まってほしいですね!

次回も、放射線と人体影響度について学んだことをお伝えしたいと思います。

川野 ゆき