シリーズ酵素8~酵素の本質は永遠に謎か

酵素は「タンパク質に被われた生命物質」ということまでわかってきたものの、「生命現象がなぜ起こるか」という点については、長い間謎のままでした。

しかし徐々に酵素の本質が明らかにされてきています。その本質は遺伝子の物質的な正体、
つまり1944年にアメリカのアヴェリーが見つけたDNAと呼ばれる物質と酵素の本質が対応しているのでは、ということのようです。

酵素は遺伝子の決定しだいで、特定の遺伝子に組み込まれ、ある種の菌(たとえば大腸菌やビフィズス菌)に作用させると
「酵素製剤」が大量に生産できるということもわかってきました。

菌の中に留まっている酵素を菌体内酵素、菌の細胞膜を通過して外へ排出したものを菌体外酵素といいます。
しかしそれでもまだ、酵素の本質が完全に明らかにされたわけではありません。酵素の生命力がどこからくるかという疑間の答えにはなっていないからです。

酵素は遺伝子が設計図を描いたアミノ酸の中にある生きた力です。
しかし、その生きた力が何なのかは、永遠の謎と思えてなりません。たとえ謎が残ったとしても、
この酵素の持つ力ほどすごいものはない、これは間違いない事実なのです。

酵素を化学物質としてよりも、人間に必要な栄養素として研究し、臨床医学にきわめて役立たせた第一人者は、ハウエル博士です。
本書の大筋はほとんどエドワード・ハウエル博士の研究に基づくものといっても過言ではありません。

ハウエル博士は1898年に生まれ、1924年医師免許を取得。1920年にリンドラー・サナトリウムの6年間の勤務体験で、酵素の重要性を知り、
50年にもわたり酵素栄養学を研究し続けました。1946年「健康と長寿のための食物酵素と」を出版、
1985年すべての結論として(酵素栄養学とを出版しました。そのとき博士は87歳という高齢でした。

人間の健康と長寿に酵素がどれだけ深く関わり、欠かせないものであるかということが、博士の長年の研究によって初めて明らかにされたのです。
博士こそまさしく酵素栄養学のパイオニアであり、最重要人物なのです。


無料メールNEWS登録こちら