シリーズ酵素10~酵素の製造には限界がある

もう一度整理するためにお金にたとえますが、紙幣印刷を想像してください。一万円札が消化酵素、千円札が代謝酵素です。

紙幣を作るためには、インク・紙・印刷機が必要です。インク・紙は私たちの体でたとえると栄養素です。
印刷機は膵臓。肝臓・腸内細菌などと思ってください。

印刷機は休むことなく動いています。つねに千円札である代謝酵素が作られますが、食物が摂取されたときには、合わせて一万円札である消化酵素が作られます。
このように、必要に応じて、代謝酵素。消化酵素が作られています。

すなわち代謝酵素や消化酵素という紙幣は確かに何回も製造可能ではありますが、
それと同時に、その印刷紙幣の金額には限界があるということを知っておく必要があるのです。

さらに食べ物の種類によっては、消化酵素という一万円札を大量に製造しなくてはなりません。
ここで問題となるのは、現代人の食生活習慣では、この消化酵素の大量製造を余儀なくされるため、
その間代謝酵素の製造に支障をきたす恐れがあるということです。

これまで消化不良のタンパク質破片は、通常は腸や胃の壁を通り抜けることはできず、
腸管は微分子(タンパク質ならアミノ酸、脂肪なら脂肪酸、炭水化物ならブドウ糖)以外通過しないとされていました。

人間の腸の壁は体に不要なものが入ってこないように、バリアー(防御壁)が存在し体を守っているのです。
ところが条件しだいでは比較的大きな分子が通過してしまうことがわかってきたのです。

それを「腸管透過性の充進」といいます。これを起こす直接の原因は腸の炎症ですが、炎症を起こす物質として、白砂稿、肉、魚、卵などが報告されています。
腸の炎症によってふだん通らない比較的大きめの分子(たとえば、タンパク質の破片であるポリペプチド=窒素残留物)が通過してしまうのです。

しかし、その通過した破片は血中では異物であり、その異物を処理する目的で抗体が食べて処理するのですが、その結果アレルギーを起こすことが判明したのです。
アレルギー(喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎など)は、腸の状態がきわめて大きな関わりを持っていたのです。
タンパク質の破片は腸内の腐敗をもたらしますので、当然便秘や下痢、悪臭便、悪臭ガス(腐敗ガス)を伴います。
こうした症状が出たら、タンパク質摂取を控えるとよいのです。
そうした意味では、これらの症状は食事の目安ともなります。

ちなみに腸管透過性を完進させる食品を挙げると、①自砂糖 ②高タンパク食 ③解熱鎮痛剤 ④高塩分などで、これらはすでに実験で証明されています。

つづく

グスコー出版 スーパー酵素医療 より抜粋


無料メールNEWS登録こちら