寓話「自然からの警告」

かつて自然界は調和がとれて美しかった。
しかし、人間が勝手な行いをするようになり、状況は一変しました。

人間に痛めつけられたどうぶつや虫達。
深刻な事態を憂慮し、森に住むどうぶつ達がとった行動とは。

再び美しい自然を取り戻せるだろうか?それは人間に委ねられている・・・

地球という星には、遠い遠い昔から様々な生命が住んでいます。

山の中では、どうぶつが豊かな自然の恵みをいただきながら暮らしていました。
川のせせらぎに耳を澄まし、風が吹き抜けると木々がさらさらと音を立て、それは大変心地よいものでした。

何代も何代もそうして生命をつないできました。
そして、この先もずっと続いていくと思っていました。

しかし、そのような自然の営みを脅かす出来事が起きました。

山から遠く離れた「町」というところで、1羽の鳥が殺されたという便りが届きました。
どうやら人間という生き物がいるらしく、それが鳥を殺したというのです。森のどうぶつ達は町まで出て行って
鳥の亡骸を引き取り、痛みを分け合うかのようにそれを皆でなぜて、元いた森の土に還しました。

こんな悲しいことがもう起きないように皆で祈りました。

しかし、これだけでは済みませんでした。

ある日、森の長老のところへ2匹の猿が飛んできました。

人間のいる町へ降りていったら、突然大きな音で驚かされ、一目散に逃げたが、仲間の1匹が罠にかかってしまったという。
なんとか助けてくださいと長老に懇願しています。

長老は鹿に向かって、すぐ様子を見てくるように言いました。
鹿は、猿の案内でいくつか山を越えて歩き、ようやく崖の突き出た見晴らしの良いところへ出ると、人間の世界がよく見渡すことができました。
先頭に立って案内した猿が、人間界の入口近くになる1軒の家を指さしました。

そこに罠にかかった仲間の猿がいました。もう疲れきって、手足をだらんと垂れています。

人間が猿を棒のようなもので殴っています。猿は嫌がってキャーキャー鳴いて抵抗していましたが、
しつこく殴り続ける人間の力に負けて、やがて動かなくなりました。

人間は、猿の体をナイフで裂いてバラバラにしました。そして、体の一部を鍋に入れてぐつぐつ煮込み始めたのです。

それを山から見ていた猿2匹は、泣きながら鹿と一緒に山に帰りました。人間のことが信じられなくなり、さらに山奥へ住処を移したそうです。

森には、人間という生き物に会ったことがあるというどうぶつも時々いました。
彼らの話によれば、昔は仲良くしていたけど考えの違いからだんだん付き合いが無くなっていったと言います。

ただ、なかには友好的な人間もいたため、彼らとは木の実など物々交換をすることもあったようです。

しかし、森のどうぶつが人間によって度々ケガをさせられたりするようになって、
森の長老は、むやみに人間界に出て行かないよう、警戒令を出しました。

そうすることによって、どうぶつ達は自然の中でおだやかな暮らしを取り戻しました。
皆、この平和を守らねばと強く思うようになりました。

しかし、そんな平和は「まやかし」でした。

人間界の方でどうぶつが沢山殺されているという噂が耳に入り、すぐさま鷲が飛んでいき、事実を調べました。

牛や豚が狭い小屋に閉じ込められて、自由が全く無いまま一生を過ごし、最後には人間に食べられるという、
あまりにも残酷な光景でした。人間は彼らを「家畜」と呼んで、支配下においていました。

人間の悪行は止まりません。
森のどうぶつや長老たちは、くり返し会議をしました。また、あちこち出かけて調査もしました。

家畜どうぶつは増え続け、人間はその肉を毎日のように食べているということ、
そして、その数はどんどん増えていることも知りました。

この上に、人間は山をいくつも削って、まだまだ「町」を増やす計画を立てていることも分かりました。
一体どれほどの木が切り倒され、鳥やどうぶつ、虫たちが住処を奪われるのでしょう。

自然界の神様にこの惨状を報告すると、一刻も早く解決せねばと裁判を行うこととなりました。

長い時間をかけて膨大な書類に目を通しました。何匹の野生どうぶつを殺したのか、家畜にされたどうぶつの数、
山から無理やり連れて行かれたどうぶつの数など・・・

これらをまとめて、さらに議論を重ね、ようやく判決が下されました。

以下がその判決文です。

長きに渡り、独断の道を進み続けた罪は重い。
再三の説得・忠告にも耳を貸さず、どうぶつを殺し続け、肉や皮を引き裂いて食べ、贅沢の道具としている。
問題は大きくなるばかりで、人間が行いを正そうとする様子は見受けられない。

これ以上、放っておくわけにはいかぬ…

人間はこの報いを受ける時が来た。よく反省し、過ちを繰り返さいこと。
それを乗り越えたら、救われる道が見えてくるであろう。

判決文を読み上げると、それを丸めて鷲に託し、いきおいよく羽ばたいて空高く舞い上がりました。
上空を2回、3回、ゆっくり大きく旋回下かと思うと、人間界の方向を鋭く見定め、矢のような速さで飛んで行きました。

その後の人間界は、奇妙なことが連続して起きました。
農作物の不作が続き、天災がたくさん起きました。疫病が流行してたくさん人間が死にました。

森のどうぶつ達は、神様が人間に罰を与えたのだと思いました。

このところ、しばらく人間との交流はありません。人間たちが今、大変な状況にいるからです。。

森のどうぶつ達は静かに見守っています。
仲間を殺され、自分たちも傷ついたけど、また昔のように仲良くなりたいと思っているのです。

果たして、この願いは人間に届くでしょうか・・・・


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