酵素栄養学の歴史的な背景は、ハウエル博士が命名したこの「食物酵素」が原点であるといえます。
体内酵素(潜在酵素)である代謝および消化酵素の科学的な知識がわかる以前は、
酵素活動については、植物や動物のエネルギーを源として、それらを食物として取り入れることで利用されていると考えられていました。
これらの酵素は、デンプンからアルコール飲料の変換などに使われることや、ミルクからノーズや、その他多くの栄養食品、植物・動物の酵素と同一に、微生物の構成要素として活かしていたようです。
日本でも、古来より味噌、納豆、醤油、酢の製造にも使用され、 一口で言えば、発酵食品と呼ばれるものに該当します。
発酵とは読んで字のごとく、「酵素を発する食品」といえるわけです。
また、諸外国においても、チーズ、ョーグルトなどが代表的な発酵食品であり、それらは食物酵素補助食品なのです。
食物酵素とは、熱の加えられていない「生の食品」に多く含まれています。新鮮な野菜や果物にいたっては、素材自体に含まれているビタミン、
ミネラルに加えて、本書の主役である食物酵素群が豊富に含まれているのです。
たとえば、南中央アメリカにいた原住民たちは、パパイヤの葉に肉片を包み込んで、放置することによって、パパイヤに含まれる消化酵素が肉を柔らかくすることや、
硬い肉のシチューに、緑の豊富な野菜を加えて、柔らかくするような食品の加工を、すでに行なっていました。
日本でも、サンマを焼き魚として食べるときには、大根おろしを添えたりします。
これは、生の大根に含まれるジアスターゼという消化酵素に、魚のタンパク質を消化する働きがあるからです。
また、ヨーロッパ各地の習慣でも、食後デザートの前にチーズを食べたりします。
日本人には、デザートの前にチーズというのは、少し変な感じですが、このように発酵食品を食べることによって消化を補助しているのです。
こうした食生活の知恵は海外でも数多く存在しているのです。このようにどこの国でも、知らず知らずのうちに、消化補助のために食物から酵素を補う術を理解していたのでしょう
つづく
グスコー出版 スーパー酵素医療 より抜粋