シリーズ酵素19~病氣治療に活用できる「食養生法」の発見

なぜ、「異化栄養療法」が減量に有効なのかということを説明すると、私たちの体は食べ物を消化させるために、体内で多くのエネルギー(カロリー)を要求されます。
日常的にあまり深く考えたことはないと思いますが、一日三回食事のたびごとに体内ではかなりの労働をしいられている、と考えてみてください。
食物が口から入ると、まず最初に噛み砕くという作業でエネルギーを使い、同時に唾液も分泌させます。

食物は適切なサイズにされ飲み込まれ、食道の運動によって胃に運び込まれます。体は、そこで消化のための分泌液を作り出します。
その後食物は塊となって長い小腸を通過していくわけですが、その際に体は食物に含まれている栄養素を吸収していきます。

無論これらの作業は、肝臓、膵臓、牌臓や他の諸器官の働きに委ねられます。これらすべてにおいて使われるエネルギーの消費は膨大なものになるのです。
さらに忘れてならないことは、食べ物を摂取する以前に、人によってはすでに食卓の準備や調理作業で、別のエネルギーを使っているかもしれません。

ここで考えていただきたいことがあります。食物はそれ自体のカロリーが肥満につながるか、あるいは減量につながるか、それぞれの食物の質によって異なるということです。
つまり「同化(消化・吸収と作用が「異化(エネルギー転化と作用より多くなれば肥満傾向となり、その逆であればやせていきます。
たとえば、豚肉(ポーク)を食べた場合、その消化過程で使われるエネルギー(カロリー)は、豚肉自体が提供するエネルギー(カロリー)を下回ります。

したがって結果的にカロリーオーバーとなり、その分を燃焼させるためには適度な運動を必要とします。

それに対して、「異化栄養療法」で推奨される生の果物の代表格であるリンゴは、豚肉と同じ過程を経て消化されますが、カロリーオーバーになることはありません。
むしろ「異化」作用に使われるエネルギーのほうが多くなります。言い換えれば、体は消化のために体脂肪をエネルギー(カロリー)に変換させていこうとするのです。
結果的にそれが減量につながるわけです。

「消化」は、私たちが生きていくために必要不可欠な過程です。「食べること」の意味とは、その食物に含まれている栄養素を体内に吸収することです。これが「同化」作用です。
また、私たちの体は、貯蓄されたエネルギーを使って残留物や有害物質を体外へ排泄する働きがあります。これが「異化」作用です。
私たちはこの「同化」「異化」を繰り返すことによって生活しているのであり、これらの活動を総称して「代謝」と呼んでいます。

ハウエル博士が、リンドラー・サナトリウムで経験した栄養療法とは、「食べ物の質を重視し、病氣治療に活用していた食養生法」だったのです。
では、実際に私たちの体の中で行なわれている代謝活動は、何によって発動されているのでしょうか。
「代謝」というきわめて重要な体内化学反応を起こさせる原動力とは何なのでしょうか。

実は、ハウエル博士がその後の人生を費やし、その研究に没頭することになる生命物質である「酵素」がその原動力だったのです。

つづく

グスコー出版 スーパー酵素医療 より抜粋


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