年末年始の行事には、新しい年を迎えるために昔の人達の知恵や想いが込められています。
子孫である我々の健康や繁栄のことまで願っていました。
お正月行事を通して、日本人の精神性の高さに触れてみましょう。
昔より季節ごとに行事がありますが、その中でもお正月の行事は一年の中でも最も大きなイベントですね。
一年を振り返り、また新たな氣持ちでスタートさせる大事な節目になります。
歳神様をお迎えするために12月13日のすす祓いに始まり、各家庭でも様々な行事が目白押しになります。
その中で、お正月には欠かせない鏡餅についてご紹介たします。
今でも餅はお祝いや祭りなどで食べられています。
餅は稲の霊が宿るハレの日の食べもの物で、食べると生命力が与えられると言われています。
鏡餅は、歳神様を迎えるためのお供え物です。
丸い形は円満を表し、丸いお餅を2つ重ねるので、円満に年を重ねるという意味があり、
大小の餅は、陽の太陽と陰の月を表しています。
餅に「鏡」とつくのは、昔の鏡は青銅製で丸い形をしています。
鏡は神事でよく用いられていたことから、丸い餅を鏡に見立てて神仏にお供えするようになりました。
さらに鏡餅のお飾りにも意味があります。
◇橙・・・その家の代々の長寿や繁栄を願います。
橙は、その年になった実を落とさずに次の年にまた新しい実をつけます。
実は4~5年は落下しないことから、家系代々の長寿や繁栄を願う縁起物とされています。
◇裏白・・・常緑樹のシダのことで、古い葉が落ちずに新しい葉が生えるので、末永く繁栄することを願う氣持ちが込められています。
また、葉が左右対称に生えることから、夫婦円満を意味します。
また、地域によっては串柿を飾るところもあります。
柿は「嘉来」(喜びや幸せが来る)に通じる縁起物で「幸せをかき集める」とも言われます。
干し柿は「見向きもされない渋柿でも、修練の末には床の間の飾りにもなる」という高い精神性を表します。
鏡餅には歳神様が宿ると言われており、供えた鏡餅を鏡開きの日に食べて、宿った力を分けていただきます。
また、おせち料理もお正月には欠かせません。
自然の恵みや収穫に感謝して神様に備えたものを節供と言いますが、供えたものを材料として
大漁や豊作を願い、自然の恵みに感謝して食べた料理を「節供料理」と呼ばれていました。
その中でも代表的な料理をいくつかご紹介いたします。
◇昆布巻き・・・昆布は「養老昆布 = よろこぶ」で、不老長寿を表す縁起物です。
「子生(こぶ)」の字から子孫繁栄を願う意味も込められています。
また、巻き物に通じることから文化の繁栄や学問成就の意味もあります。
◇田作り・・・昔は乾燥したいわしを肥料として田を作ったことに由来した名前。
いわしの肥料を使った田が豊作だったことから五万米(ごまめ)とも呼ばれ、豊作を祈願する食べ物です。
◇黒豆・・・まめに働き、まめに暮らせるようにという願いが込められています。
日本では、古くから八百万の神がいると信じられてきました。
自然万物のあらゆるものや現象の全てに何か役割を持った神様がいると考えられてきました。
八百万は無限という意味で、太陽、月、星、風、雷のような天文や氣象の神や、土地、田、山、川、
家の台所、かまど、便所、それ以外にもどうぶつや植物にも神が宿ると言われています。
昔の日本人は、見えないものを信じていました。決して怪しい意味ではありません。
その精神の高さはお正月行事からも伺い知ることができます。
時には日照りや嵐にもあい、自然の恐ろしさを熟知していたことでしょう。
しかし現代人は、自然を敬ったり、怖れる意識がとても薄くなってしまいました。
これは、非常に怖いことです。
平氣で自然を破壊し、どうぶつを殺す人が増えすぎてしまいました。
お肉を見ても、殺されてしまったどうぶつ達の苦しみを想像できないのです。
お正月の行事からも分かるように、昔の日本人は自分達だけの幸せではなくて、子孫の繁栄まで願っていました。
高い精神性を一部の人だけのものとせず、日常生活の中に散りばめた知恵は本当に素晴らしいです。
例えば語呂合わせにして分かりやすることで、親から子へ継承しやすくなります。
その知恵に学び、明くる年の始まりを新しい氣持ちで迎えましょう。
山本 和佳
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