・冬至に行われる風習や言い伝え。
・この日に食べると良いものは栄誉豊富!
・冬を表す日本の言葉
今年も残すところ、わずかとなりました。
今年の冬至は12月22日。
地球の北半球ではこの日が一年で最も日が短く、
夏至の日と比べると、東京では約4時間40分もの差があります。
冬至は太陽の力が最も弱まる日であり、
この日を境にまた日が長くなっていくことから太陽が生まれ変わる日と捉え、
これを「悪いことが良い方向に転じる」になぞらえて「一陽来復」と呼びます。
この日には、世界各地で祝祭が行われてきました。旧暦では、冬至が暦を計算する上での起点となります。
冬至といえば、「ゆず湯に入る」「かぼちゃを食べる」風習がありますね。
それらの意味や由来をご紹介します。
◇ゆず湯に入る
江戸時代に始まった習慣で、ゆずの強い香りと薬効で邪気を払う目的があったそうです。
ゆず湯には血行を良くして冷え性や腰痛を緩和したり、体を温めて風邪予防になるほか、特に女性には嬉しい美肌効果も!
また、「ゆず」を「元気で体の融通がききますように」、「冬至」を「湯治」にかけた語呂合わせだという説もあります。
ゆずの木が寿命が長く、病氣に強いことから、無病息災を祈る風習になったと言われています。
◇かぼちゃを食べる
煮るとホクホクと甘味が引き立ち、大人も子どもも大好きなかぼちゃ。
冬至にかぼちゃを食べると風邪を引かないと言われています。
特にβカロテン(ビタミンA)が豊富で、その他にもビタミンB1、B2、C,カルシウム、鉄などがバランス良く含まれています。
βカロテンには、粘膜等の細胞を強くして免疫力を高める働きがあり、抗酸化作用にも優れています。
ウイルスを撃退して、がん予防にも効果があります。
βカロテンとビタミンEは脂溶性のため、油と一緒に摂ることで吸収率を高めます。
特に西洋カボチャには、抗酸化ビタミンと言われるビタミンC、E、βカロテン(ビタミンA)が沢山含まれています。
冬至の日にはかぼちゃと小豆を煮て食べられますが、小豆の赤は太陽を意味する魔除けの色で厄払いをします。
かぼちゃの他にも、「ん」がつく食べ物を食べると「運」が呼び込めると言われています。
冬の食材は営養が豊富で、体を温めるものが多いですね。
・にんじん・・・βカロテンと共にリコピンが豊富。リコピンには活性酸素を減らす働きがある。
・大根・・・・・でんぷん分解酵素ジアスターゼが多く含まれ、消化を助けて胃酸過多や胃もたれに効果を発揮。
辛味成分には発がん性作用や抗菌作用がある。
・れんこん・・・ビタミンCが非常に豊富。疲労回復、風邪予防、がん予防に効果がある。
ポリフェノールによる消炎止血作用。
・ぎんなん・・・でんぷん、カロテン、ビタミンC、ミネラルが豊富。
古くから民間療法に用いられ、せきや痰、夜尿症に効果がある。
・きんかん・・・皮に含まれるヘスペリジンにおって毛細血管の強化、血中コレステロール値の低下、
抗アレルギー作用や発がん抑制作用などがある。
古くから咳止めや喉の痛みを抑える薬用にも用いられまてきました。
縁起担ぎだけでなく、実際に営養を摂って寒い冬を元氣に乗り切りましょう!
また、日本語には冬を表す言葉が沢山あります。
その一部を以下に紹介致します。
・寒凪(かんなぎ)・・・・・冬の寒さが厳しい時期の風が無く穏やかな天氣。
・冬菜・・・・冬に出回る菜の総称
寒い冬に吹く風を様々な言い表し方があります。
・颪(おろし)・・・・・山から吹き下りてくる冷たい風で、「下」と「風」を組み合わせた漢字で表します。
・松涛(しょうとう)・・・・・松の木を鳴らして吹く風
・風花(かざはな)・・・・・冬には珍しく青く晴れ渡った日に、花のように雪を舞い散らせる風
ふと、自然の営みに目を向ければ、寒さも少しは和らぎそうです。
これも寒い冬を乗り越える日本人の知恵なのでしょうね。
冬以外のどの季節にも、日本語には自然を慈しむ表現が見られます。
食事からもしっかり営養を摂り、風邪への抵抗力をつけて元氣に新しい年を迎えましょう。
山本 和佳