【アーカイブ配信】お腹を空かせた子熊の運命~猟友会の実態~(どうぶつの声)

・真の害獣はどっちだ

・なぜ野生どうぶつは人に近づくのか

・鹿一頭の命の値段

・善意の無視は日本を変える

2016年、10月15日、岡山県北東部の美作市にてツキノワグマ7頭が相次いで罠に掛かり捕獲されました。
雄3頭、雌4頭。
その中にはまだ1歳のあどけない、体重15キロにも及ばない子熊から、100キロを超す10歳以上の親熊までいました。
この7頭のうち4頭は人里近くで見つかっており、人に危害を及ぼす危険性があるとして、県のツキノワグマ保護計画に基づきこのクマ達は殺処分されたのです。

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(お母さんに着いて山から降りてきた子熊はこの後殺された)

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(必死で子どもを呼ぶ親熊)

熊達はこれから来る冬に備えて、親子で食べ物を探し求めこの日人里近くに降りてきました。
お腹を空かせ、エサを求めただ生きる為に、食べる為に。
私はいつもこの時期、熊出没のニュースを見ると胸が痛みます。
どうか逃げてほしい、人間になんて近付いてはいけないと願うのです。
猟友会ではこの時期の熊は危険を伴う害獣として、殺処分の対象となっています。
しかし、そのツキノワグマはかたや絶滅危惧種としてレッドデータに載っています。
本来であれば保護しないといけないどうぶつを罠で捕えて銃殺する‥この矛盾と理不尽さを一体誰がどう納得させてくれるのでしょうか‥。

しかし年々増えていく野生どうぶつによる畑や人への被害は、このままでは更なる争いを生みかねません。
野生どうぶつによる農作物被害は現在200億円を上回っていると言われています。
その内7割が鹿によるもので、次いでイノシシ、サルとなっています。
近年、鹿が増えすぎている為、ニホンジカやエゾジカは狩猟の対象となっていますが、そもそも彼らが増えたのは人間の責任です。
草食どうぶつの増加は、肉食どうぶつの減少を意味しています。
要は、日本オオカミが絶滅し、狐が激減し、熊が絶滅危惧種の今、草食どうぶつの鹿が繁殖するのは当たり前の現象なのです。
この様に日本の生態系が今崩れているのは、かつてのオオカミや狐を毛皮の為に乱獲し、絶滅へと追い込み、熊を害獣と呼び猟友会の格好の狩猟ゲームの的にしているからではないでしょうか。
兵庫県では鹿を捕獲すれば、県と市から一頭あたり最大1万6千円報奨金が支払われます。
野生どうぶつを「畑を荒らす害獣」とし、より多くの駆除を促す為の行政の取り組みです。

そもそもの原因も振り返らずに傲慢に殺戮だけを繰り返す、国と猟友会の癒着。

私達は真の共存に向けて何をすべきなのかを今こそ考えましょう。

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その昔、野生どうぶつと日本人はお互いの生息地を保ちながら、この狭い島国の中で見事に共存していました。
それはお互いの境界線、所謂住み分けを知っていたからです。
人里と山の境界線の役目を担っていたものは「里山」です。
人が住む「里」と、どうぶつが住む「山」との境界線。
里山考え方は「共存」です。侵略や搾取ではありません。
どうぶつ達がこれ以上降りて来ないように境界線には彼らの嫌がる唐辛子の木や紫蘇の木などを植えていました。
イノシシは藪を好むので敢えてバッサリ藪を無くし、明らかな住み分けを作っていました。
この様に、日本人は長年に渡る島国生活の中で、どうぶつ達の性格や性質を熟知していました。
日本人にとってどうぶつは「八百万の神」であり、「神聖なる同居人」でもあったのです。
どうぶつは賢く第六感が働きます。
彼らも住み分けを理解し、無闇に人前に姿を現す事は殆どありませんでした。

近年、彼らが人里へ降りてくる様になったのには2つの理由があります。

まず1つは、環境汚染と酸性雨による山の植物の枯渇。
もう1つは、人里に行けば食料があるという楽を覚えてしまったという事です。
これはどちらも「人間側に原因」があります。

今、どうぶつ達が人里へ下りてくる一番の原因は、畑や果樹園など1カ所に集まっている為、エサを探さなくて済むからです。
又、整備された道はどうぶつ達にとっても通りやすいのです。
放置された建物も、彼らにとっては雨風をしのぎ暮らしやすく快適なのです。
つまり自然の中にいるより楽が出来るからです。
元々熊は非常に臆病で人間を恐れるものでしたが、人里へ下りてくる熊は人をあまり恐れていません。
何故、熊が人を恐れなくなったのでしょうか。

それは、キャンプや山登りなどで、余った食料を現地に捨てるなどをし、野生どうぶつがそれを食べ、「人間がいれば食料がある」と覚えてしまった事に原因があります。
つまり、人間は食料を与えてくれる存在であり、「怖いものではない」という間違った認識をしてしまうのです。

又、不法投棄などで、山中に人が頻繁に出入りする為、彼らにとって、人間を見慣れてしまっているというのもあると思います。
一度、簡単にエサが食べれると覚えてしまったどうぶつは、自然の中で苦労して食料を探す様な事はしません。
哺乳類は頭が良く、常に便利な方法を追求します。それは人間もどうぶつも一緒。
よく都会の人が面白がって、野生どうぶつにエサをあげている事がありますが、これも絶対にしてはいけない事なのです。
エサを与えられたどうぶつ達はそれ以降、人間に期待して、人間からエサを貰っても(奪っても)良い、と勘違いしてしまうからです。

これは実は大きな罪作りです。
情けをかけて良かれと思ってしている事が、逆にどうぶつ達を窮地へと追いやっているのです。
大自然の真理から見ると、どうぶつ達と人間は対等であり、エサを与える、貰うという関係ではありません。
監督がいつも言われる「善意の無視」とは、正にこの事。
構わない、近付かない。本来あったはずのどうぶつと人間の距離感。

「出てきたから殺す」「近付いたから殺す」これは叡智ある生きもののする事ではありません。

私達人間がどうぶつとの真の共存の為にすべき事は2つ。

「レジャーや行楽や登山などと言い、何処へでも入っていくのをやめる事」
「野生どうぶつへの餌付けをやめ、山にゴミを捨てない事」

そして、里へ下りてきてしまったどうぶつ達に対して猟銃を向ける事を今すぐやめ、無傷で山へ返してあげる事。
猟友会なんて本来必要無いのです。
銃を自由自在に使ってどうぶつ達を的にして撃ち殺す。
これはサイコパス的な人間がする事です。
だから毎年、仲間内の誤射により沢山の猟友会メンバーが死んでいます。
因果応報とはこの事でしょう。

それに懲りず、今、猟友会は女性に目を付けだしました。
「女性だからこそハンターになる時代!目指せ!狩ガール」
大日本猟友会は女性狩猟者をモデルに立て、連載企画サイトを開設。

北海道では2013年、女性ハンターの会「THE WOMEN IN NATURE(TWIN)が設立。
会員数は設立当時で33名。
この会は「撃つことと食べること」shoot&eatを二本柱とし、駆除と称して多くの野生どうぶつを殺しています。
ここの女性代表は「殺した後に捌いて、料理にして、女性として食の有り難さを伝えていく」と述べています‥。
こんな価値観を持った女性が子どもを育て、命の大切さなど教えれるはずがありません。
この女性は「どうぶつを撃ち殺す事何の躊躇もない」と豪語しています。

私は同じ女性としてこの考え方に真っ向から異を唱えます。

どうぶつは人間の食糧ではありません。
この世に駆除していい命なんて存在しません。
いただきますと言えば殺していいのか。
感謝さえすれば殺していいのか。

命を育むはずの女性がなぜ、命の区別差別をするのでしょうか。

お腹を空かせた子どもに何とかしてご飯を食べさせてあげたい。
どうぶつの母親の愛情の方が遥かに氣高く、そして深い。

私達はどうぶつを敬い、彼らを見習い、自らの行生き方をもっと謙虚に恥じるべきです。
日本人が元々持ち合わせている自然観と生命観を思い出し、謙虚さと優しさを持って、今の野生どうぶつの問題を見つめ直してみませんか。

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小田奈々


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