おすすめ映画紹介「リアル・スティール」

最近公開された映画のなかからおすすめをご紹介しましょう。
肩のこらない娯楽映画といえばディズニー映画ですね。
こちらはそのディズニー配給のヒューマンドラマです。

スティーヴン・スピルバーグ率いるドリームワークスが、『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』のヒュー・ジャックマン主演で手掛けた、ロボットとの出会いを通じて親子のきずなを描く感動のストーリー。
ボクシングの主役が生身の人間からロボットに移行した­時代、リングにすべてを懸けた父と息子の起死回生のドラマを描く。
監督は『ナイト ミュージアム』シリーズのショーン・レヴィ。
心が通い合わない父と息子が遭遇する奇跡の物語と、圧巻の格闘技ロボットたちの熱い戦いぶりに引き込まれる。

かつて優秀なボクサーだったチャーリー(ヒュー・ジャックマン)は妻子と離れ、ただ自分の夢だけに没頭してきた。
だが、西暦2020年の今では人間に代わり、格闘技ロボットたちがボクサーとして活躍していた。
辛うじてロボット格闘技のプロモーターとして生計を立てているものの、幸運の女神に見放されたのか借金は増えるばかり。
そんな人生のどん底状態の彼の元に、息子マックス(ダコタ・ゴヨ)が現れる。
赤ん坊の時に別れたきりの彼は最愛の母を亡くして、ひとりきりになってしまったのだ。
初めて出会う親子、関係は最悪の状態。
そんなある日、ふたりはゴミ捨て場でスクラップ同然の旧式ロボット“ATOM”を発見する。
それが、彼らの人生に奇跡を巻き起こす“運命の出会い”であることに、チャーリーもマックスもまだ気づいていなかった……。

あらすじを読んでお察しの通り、これは親子の再生の物語です。
しかしそこにロボットが絡んでくるのが目新しいところでしょう。
こういった物語の場合、大抵は父親がダメ人間ですが、この映画のヒュー・ジャックマンはかなりのダメ親父です。
なにしろ息子を引き取りたがっている死んだ妻の姉が金持ちだと知るや、すぐに金の話です。簡単に言ってしまえば息子を金で売ってしまうわけですが、このことは後に彼をとても苦しめることになります。
そうまでして手に入れた金でロボットを購入しますが、目先の欲にくらんで息子が止めるのも聞かずにチャンピオンに挑戦、あっというまにスクラップにされてしまいます。
ダメ親父っぷりにさらに磨きがかかります。
親子関係はますます険悪になっていくのですが、そこはディズニー映画です。
きっと仲良くなるだろうと決まっています。

この映画は良くも悪くもディズニーらしい映画です。
またはハリウッドらしいとも言えます。
とにかく本当に悪い人間は出て来ません。
嫌な奴はいくらか出てきますが敵役は必要です。
ですからとにかくストーリー展開は安心してみていられます。
しかし決して退屈ではなく、かといって一時期流行ったジェットコースター・ムービーのように考える暇もないほど忙しくありません。
きちんと緩急のあるストーリーになっています。
親子の再生物語には共通の目的を持ち、共同の作業をして、一緒に過ごす時間がとても重要ですが、その辺りのツボもきちんと押さえてあります。
そして最後は父親が一生懸命に頑張っている姿を子供に見せることで、子供から父親への尊敬を得られるのですが、その点も上手に描いています。
まったく外さない所もディズニー映画らしいといえるでしょう。

ところで、最近のCG技術は本当に素晴らしいものがあります。この映画では2020年という設定のせいか特別未来感はありません。
むしろアメリカの田舎町や広大な畑などが多く登場します。
その中にあってもロボットの存在がまったく違和感を感じさせません。どう考えてもCGなのですが、重量感もたっぷりでリアルな金属で出来ているようにしか見えないのです。
しかもよく使い込んだ道具の持つ微妙な感じなどもよく表現されています。
このCGの素晴らしさは、親子の物語を引き立てるのにとても役だっています。

またこのロボットはボクシングをするのですが、その演技や元ボクサーという設定の父親のボクシング・シーンには、なんとあのシュガー・レイ・レナードが指導しているそうです。
この名前を聞いただけで往年のボクシング・ファンならときめいてしまうでしょう。
ボクシング・シーンは思わず拳を握るほどの素晴らしい出来です。

肝心の親子のシーンでは、息子役のダコタ・ゴヨの演技に思わずホロリとさせられます。
11歳という設定ですがそれより少し幼く見えるところも可愛くてたまりません。
きっと日本にもファンがたくさん出来ることでしょう。

たまには、こういう肩のこらない娯楽作品も楽しいものです。
親子で鑑賞するのはもちろんデートにも最高だと思います。

公式HP「リアル・スティール」

(小田切 聖之介)

予告編はこちら