・冬に氣になる症状に効く!
・ご飯と味噌汁が合う理由
・しょうがの薬効
前回に引き続き、冬に起きやすい体のトラブルについてお話させていただきます。
新型コロナウイルスの影響で、風邪の症状にはかなり敏感になっている事と思います。
風邪の約9割はウイルスによる感染です。
一年で一番多く風邪症状が出るこの季節は、鼻や喉の粘膜も乾燥して体の防御機能が低下するので、ウイルスが侵入しやすくなります。
体を温めて、風邪ウイルスを体から追い出す効果のある野菜をいくつかご紹介します。
しょうがは体を温める効果が高く、頭痛、鼻づまり、嘔吐、下痢にも効果があります。
そして、色んな料理に使いやすいねぎも体を温めて免疫力を上げます。
ニンニクは体を温めるほかにも、滋養強壮の効果に優れています。
風邪の軽い症状が続く傾向がある人に特にお勧めしたい食材です。
ニラも体を温めます。血行を良くして、余分な水分を体の外へ出したり、消化機能を上げて便通を良くするので「食べる下剤」とも呼ばれています。
これらの食材を味噌汁、スープ、雑炊などで摂ると消化が良いですよ。
また、くしゃみや鼻水が出たら体内に水分が滞っているサインです。
そんな時は黒豆、はと麦、わかめなど水分代謝を上げるものを食べましょう。
風邪ウイルスは過労や睡眠不足、ストレスなどで免疫力が低下している隙を狙って体に侵入します。
食事を改善させてしっかり睡眠をとり、体を動かしてウイルスを寄せつけにくい体を作りましょう。
そして次に、咳・痰も風邪症状として見られますが、主な原因は空氣の乾燥です。
朝起きたら喉が痛い、咳が出始めたという経験はありませんか?
乾燥によって粘膜が炎症を起こすと、一氣に風邪の症状が悪化していきます。
秋冬は、こうした呼吸器系のトラブルが出やすいので、まず喉を潤して乾燥を防ぐことが大切です。
乾燥による咳や痰は、から咳や喉の痛み、そして喉にからみつくような痰が出ます。
こうした症状には、肺や喉を潤す食材を取ってください。
大根、かぶ、れんこん、栗、柿、梨、銀杏は肺や喉を潤すので咳や痰を防ぐほか、それらの症状を抑える効果もあります。
一方、体内に余分な水分が溜まっていると、これもまた咳・痰が出ますが、こちらは湿った咳やサラサラした痰が特徴です。
余分な水分が体に残っていると血行不良、食欲不振、関節痛を引き起こしやすくなり、体は水分を排出しようとして咳やくしゃみ、痰を出して発散させます。
小豆や黒豆、はと麦、海藻類、瓜を食べて水分代謝を促しましょう。
そして、しょうがは寒さから体を守り、料理にも色々と使える便利な食材です。
体を温める作用が強いことで良く知られていますが、古くから薬効が認められていて、漢方にもよく使われています。
少しツンとする香りは魚の臭みを消し、ピリッとした辛み成分は料理のアクセントになります。
しょうがを少し加えるだけで味が締まったり、風味が良くなったりと料理の味全体をガラッと変わる事もよくあります。
しょうがの持つ薬効は、生の状態と加熱した時とでそれぞれに良い効果があります。
生の状態だと、辛みの主成分ジンゲロールに強い抗菌作用があります。
しょうがを放置していても虫に食われないことからも、効果が高さが分かります。
刺身の薬味としても食べられますが、それは美味しいからという理由以外に、魚に付着することがある食中毒の原因菌を殺菌するためでもあるのです。
他にも歯周病の原因菌や、ピロリ菌に対する殺菌効果があることも明らかにされています。
ただ、ジンゲロールは酸化しやすいので、食べる直前にすりおろすのがお勧めです。
そして、ジンゲロールを乾燥または加熱すると、ショウガオールに変化します。
体を守る力の強いショウガオールは抗菌、抗酸化、血中のコレステロール値の低下、免疫力アップ、がん予防効果
と様々で、漢方薬で重宝されるのもうなずけますね。
そして、しょうがの香り成分ジンギベレンは胃腸の機能を上げ、解毒作用もあります。
ジンギベレンは細胞の膜が破れることで酵素が活発に働いて、その効果を発揮します。
しょうがをすりおろしたり、細かくみじん切りにして料理に加えるのは、そういった栄養面でもプラスに働きます。
一年を通して多くの食材が採れる日本ですが、その調理方法はバラエティに富んでいます。
しかし、だからと言って食事に取り入れるのを難しく考える必要はありません。
様々な食材を美味しくして、しかも簡単に食べられる。
毎日食べても飽きないとても合理的な料理が、日本人になじみ深い味噌汁です。
玄米と味噌汁があれば最低限の食事として成立します。
玄米と味噌汁は一緒に食べても美味しいし、栄養バランスも良いのです。
玄米は非常に栄養価の高い穀物ですが、玄米だけではタンパク質を体内で上手く利用できません。
それは必須アミノ酸のリジンが足りないため。
9種類ある必須アミノ酸は体内で作られないので、食べ物から摂る必要があるのですが、
全てが一定量含まれていないと、体の防御機能、筋肉の合成など様々な機能に影響が出る可能性があります。
しかし、リジンは大豆製品に多く含まれているので、玄米と味噌汁を一緒に食べることで玄米のタンパク質の体内利用率が上がります。
玄米ごはんに納豆をかけたり、味噌汁に豆腐を入れるとさらに効果が高まります。
玄米はビタミン・ミネラルをはじめ栄養が大変豊富ですが、今回は玄米の食物繊維に触れようと思います。
以前は食物繊維はそれほど重要視されていませんでしたが、その価値が見直されたのは、食物繊維の摂取量と病氣に明らかな関係があると分かったからです。
食物繊維をたっぷり含んだ食生活をしている人の便は重量があり、腸内を通過する時間が速い。
このような人は腸内細菌のバランスが良く、様々な病氣にかかるリスクが低いです。
逆に便の量が少ない人は食物繊維が不足しているので要注意です。
腸内を便が通過するのに時間がかかり、病氣にかかるリスクが上がります。
食物繊維は体内で水分を吸って膨らみ、有害物質を吸着して外へ出したり、血糖値の上昇を緩やかにするといったように重要な役割をいくつも担っています。
しかし、日本人が欧米の食事を食べるようになって、食物繊維の摂取量が激減しました。
それに代わるようにして病氣を患う人が増えていったのです。
玄米には食物繊維が豊富に含まれていますが、胚芽が取り除かれた白米にはほとんどありません。
玄米を毎日食べている人の便の量は、そうでない人の2倍以上にもなります。
よく「玄米は消化吸収が悪い」と言われてしまうのは、こうした現象を間違って捉えた結果です。
食物繊維は腸内で善玉菌のえさになる上に、有害物質や老廃物を吸着する腸内のお掃除もしてくれるので、腸内環境を整えて消化吸収が良くなるのです。
冬に起きやすい咳などの症状は旬の食材で予防したり、症状を緩和させることが出来ます。
玄米と味噌汁は一年を通して免疫力を保ち、体調のベースを作りますので、両方一緒に食べるとダブルで効果が得られます。
効率よく栄養を摂りながら、冬を乗り切っていきましょう。
山本 和佳