・タンパク質を摂れば良い?
・食べ間違いの連鎖
・摂るべきタンパク質と摂ってはいけないタンパク質
「タンパク質を摂りましょう」と聞いて、多くの人は肉や牛乳を思い浮かべると思います。
子どもの頃からそのように繰り返し言い聞かされながら育つため、大人になっても大多数の人はタンパク質を誤って捉えた食習慣が抜けません。
そのような人にとっては驚きかもしれませんが、
肉と牛乳どちらのタンパク質も人間にとって優れた栄養とは言えません。
食べれば食べるほどアレルギー症状や体の機能低下、生活習慣病を招くからです。
多くの人は肉と牛乳を重要なたんぱく源と信じて毎日のように摂っています。
実はそれが大きな食べ間違いで、将来悲劇に陥るとも知らずに・・・
筋肉も細胞膜もタンパク質で出来ていますが、
「肉や乳製品は良質なタンパク質」
「肉を食べるとスタミナがつき、牛乳は丈夫な骨を作ります。」
どちらもデタラメで、要らないタンパク質を摂り、本当に必要な栄養は十分に摂れていません。
タンパク質を何から摂るのか。そしてその材料のアミノ酸の摂り方が重要です。
この選択を誤ると病氣へまっしぐらという、まさに分岐点なので注意してください。
では、なぜ肉のタンパク質は摂るべきではないのでしょうか。
肉を食べると、消化器に大きな負担がかかります。
肉のタンパク質をアミノ酸に完全に分解するのは難しく、何とかアミノ酸に分解できたとしても、その一部は有害なアミンに変わります。
さらにアミンは腸内で亜硝酸と反応して、非常に強い発がん性を持つニトロソアミンが作られます。
動物性たんぱく質に含まれるリジンやアルギニン、動物性脂肪に含まれるレシチンやコリンも大腸で化学反応してニトロソアミンが作られてしまいます。
つまり、肉は人間の体には全く合わないタンパク質なのです。
人間は肉を分解する酵素を持っていないし、消化液の成分も肉食動物とは大きく異なるので、
酵素を無駄遣いして消化液を過剰に分泌させて、体に余計な負荷をかけてしまいます。
肉や乳製品の動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸は、体内で悪玉コレステロールを増やし、
動脈硬化や高血圧、心臓病などの原因となります。
一方、植物の油には不飽和脂肪酸が多く、血中コレステロールの代謝を促します。
血管壁にこびりついたコレステロールを溶かし、動脈硬化などを防止し、それらの障害を回復させるよう働きかけます。
コレステロールは善玉・悪玉と名付けられていますが、どちらも体には必要です。
両方のバランスが大切なのですが、肉や乳製品を食べていると体内の悪玉コレステロールが増加してしまいます。
実は魚の油も不飽和脂肪酸なので、血液をサラサラにします。
また、魚の油に含まれるDHA・EPAは脳の働きを良くすることでも知られており、
動物性脂肪と言えども肉や乳製品とは栄養面で全く異なるものです。
世の中では肉はスタミナ源と言われますが、実際のところは逆に持久力が失われていきます。
肉を食べると血液が酸性に傾き、それによって興奮する作用があります。
しかし、それは一過性のもので持続しません。衝動的なイライラや攻撃的行動を起こしやすくなります。
そうした現象を「スタミナがつく」「元氣になる」と言い換えて誤魔化しているに過ぎません。
チーターは陸上動物の中で最も速く走りますが、その距離は短く、肉食のためすぐにバテてしまいます。
一方、サバンナを長距離移動する動物は草食しているため持久力があります。
生物学的には自分にとって遠いものから食べる掟があります。
例えば、野菜や果物などの植物は食べて大丈夫で、
魚介類も消化しやすい上に食事を美味しくしてくれる大切な食材です。
一方、哺乳動物は同じ種族のため、食べてはいけません。
それに次いで鳥も人間より体温が高く、体内で脂質が固まるため、動脈硬化など血管障害の原因になります。
食べて良いものといけないものの区別が分かりにくい時は、
自分の素手で採ることが出来るかイメージしてみてください。
簡単に採れるものは、はるか昔のご先祖様も食べていたと想像できます。
野菜や果物は手で摘み取れますし、浅瀬に棲む小魚も手で捕まえることが出来るので食べて大丈夫です。
一方、牛に飛び掛かって肉の切り身を作るのは至難の業です。
肉食は、自分と同じ種類の仲間の自由を奪って一方的に殺してしまう残酷な行動です。
肉を食べていると、動物の苦しみに全く氣づかない想像力の無い人間になってしまいます。
食べていても良い事は1つもありませんので、肉食は止めましょう。
そして、牛乳は完全栄養食品として認知されていますが、これも現代栄養学が作った罠なのです。
学校給食で毎日牛乳を飲まされ、牛乳を飲むと丈夫な骨を作れるのだとすっかり洗脳されてしまいます。
牛乳のタンパク質を摂ると、アレルギーを引き起こすリスクが高くなります。
肉や乳製品を摂るとコレステロール値が高くなり、動脈硬化や血管壁にプラークが溜まり、
血栓になって血管障害を起こします。
悪者にされることが多いコレステロールですが、もともと体に大切な働きをしていて体内でも合成されます。
しかし、食事から過剰に摂るとコレステロールのバランスが悪くなり
動脈硬化のリスクが高くなってしまうのです。
子育て中のお母さんは「丈夫な体に育ってほしい」「骨が強くなるように」と願って
一生懸命牛乳を飲ませている方も多いと思いますが、残念な事にそれが裏目に出てしまっています。
牛乳を幼い頃から飲んでいると早くから血管が老化していき、病氣にかかりやすい体になってしまいます。
心臓病のリスクを増やす食事は、がんのリスクも増やします。
一方、牛の赤ちゃんはお母さん牛の母乳を飲んでも、動脈硬化にはなりません。
むしろ丈夫な骨や体を作るために絶対に必要なものです。
それを牛の赤ちゃんから横取りして飲んでいる人間は、重い罪を背負っています。
乳とは、まだ生まれて間もない赤ちゃんに渡す完全栄養食品で、
その後の成長を促して丈夫な体を作るために欠かせないものです。
ただしそれは同種の、それも実の親子間でやり取りするものです。
ですから母乳から離れたらその後は乳を必要としないし、また飲むべきではありません。
牛乳を飲むことは、生物学的なルールを破る異常行動だと認めざるを得ません。
タンパク質とはアミノ酸が結合された物質の事です。
タンパク質を信仰している人は、例えば肉のタンパク質が体内に入って
そのまま筋肉の一部になると思っているかもしれません。
しかし、それは大きな誤解です。
消化する時にアミノ酸に分解され、体に合うタンパク質に作り替えるプロセスを経て
筋肉や細胞膜など体の一部になります。
食べた物を自分の体を作るためには一旦バラバラにして、作り直す工程が必要となります。
このプロセスは出来るだけスムーズに行われなければなりません。
そうすれば、消化器にかかる負担は最低限で済み、酵素も温存されます。
学校で教えられたタンパク質の情報の刷り込みによって
誤った食事をするようになり、子の代にも連鎖していきます。
タンパク質信仰は根深く、過去には狂牛病問題が大きく報道され、近頃では乳製品アレルギーの子どもが増えているにもかかわらず、多くの人は肉や牛乳を栄養源と信じて疑いません。
良質な筋肉や細胞(タンパク質)の体を作るには、食事の見直しが大切です。
幸いにも日本には良質なタンパク質やアミノ酸を含む食べ物が大変豊富です。
大豆や大豆製品、魚にはたんぱく質が多く、アミノ酸は野菜や果物、海藻に含まれています。
すなわち和食は理想的な栄養バランスの食事なのです。
動物性食品をたくさん食べている人はこのような食事をすると、
初めのうちは「食べた氣がしない」と感じるかもしれません。
今まで胃腸を散々荒らす食事をしてきたのですから、何か不思議な感覚がしても不思議ではありません。
しかし、続けるうちに食後に体が重くなりにくい事が快適と感じるようになるでしょう。
良質なアミノ酸やタンパク質は丈夫でしなやかな作り、精神を正すのを助けてくれますよ。
山本 和佳