・胎教に必要な3つの要素
・お腹の赤ちゃんは知っている
・子どもの発達に大切な事
今回は、ごく身近で子育てに欠かせない重要な要素についてお話いたします。
まず、赤ちゃんが生まれる前の胎教に大切な事が3つあります。
胎教と言っても難しく考える必要はなく、お母さんと赤ちゃんの健康のために出来る事だと思ってください。
まず1つめに大切なのは水です。
人間の体の大部分は水分で出来ています。
体に占める水分の割合は大人が60%、幼児は70%、新生児は80%にもなります。
海から誕生した生命は一部が陸上へ上がり、人間は肺で呼吸をしたり二本の足で歩くなど
多くの機能を獲得して適応するように進化しましたが、体液の組成は海水とほぼ同じです。
体内の水の質は、そのまま健康状態を左右しています。
しかし、現代では体内の水の汚染が問題になっています。
毎日飲む水や食事、大氣汚染がその主な原因です。
水道水には多くの有害物質が含まれているので、直接飲むと人体はダメージを受けます。
塩素は水と反応して次亜塩素酸に変化し、その後塩酸と活性酸素に分解されます。
活性酸素は体の中で強い酸化作用を及ぼし、炎症を作って老化を促進し、
がんや心疾患など多くの病氣を発症するリスクになります。
ダイオキシン類は発がん性があり、母乳から排泄されやすいため、赤ちゃんへの健康上の影響が問題になっています。
また、浄水場で塩素処理をした後の化学反応によって発生するトリハロメタンにも強い発がん性があります。
沸騰すると2~3倍に量が増えるので、家庭内でリスクが上がります。
他にもたくさんの有害物質が水道水には含まれていて、アトピーやアレルギー、神経性疾患、生活習慣病の原因になっています。
世論調査によると、国民の約4割が普段から水道水をそのまま飲んでいると言います。
水だけでも毎日多くの発がん性物質、それ以外にも有害物質を体に入れていると
将来必ず病氣で苦しむ事になりますし、若い世代の人は子どもへの影響も心配です。
水道水をそのまま飲むことは流産のリスクを高め、奇形児出産の原因にもなっていますので
各家庭で安全性の高い浄水器を設置して、少しでも水から受けるリスクを減らしましょう。
特に若い女性は妊娠する前から飲む水や食べるものに注意しましょう。
ダイオキシンは肉や乳製品、魚介類からも体内に入ります。
肉類は人間の体の中で組織と調和しない上に、深刻な環境汚染もあります。
それは動物を殺して食べるという誤った行為から広がっていった弊害なので、肉を食べてはいけません。
胎児は羊水に浮かび、へその緒でお母さんと繋がっている状態なので、それらのダメージをダイレクトに受けてしまいます。
玄米菜食に味噌などの発酵食品を食べて、赤ちゃんにとっても快適な体を作ってください。
そして、2つめに大切なのが塩です。
塩も水とともに体内で重要な役割を果たしています。
陸上で生活する人間にとって、ミネラル豊富な塩は健康の良し悪しを左右するほど大切なものです。
海の生物と比べるとミネラルバランスを保つのが難しい環境の中、
海水を結晶化させて塩を作る技術を編み出しました。
きれいな海水から作られた塩は、微量栄養素を摂る上で欠かせません。
しかし、現代では塩化ナトリウムを摂る人が圧倒的に増え、赤ちゃんにもダメージを与えています。
羊水も海水に極めて近い成分で、その中を赤ちゃんがプカプカ浮かんで十月十日を過ごします。
それは、まるで我々大昔が海の中にいた事をそのまま表しているような姿です。
しかし、塩化ナトリウムという化学物質の塩を摂っていると羊水が汚染されてしまい、
赤ちゃんがそれ以上大きくなれずに流産したり、奇形児として生まれてくるケースもあります。
進化のルーツを辿ると、人間にとって塩は大変重要な食材だと氣づかされます。
そして、もう1つ大切なものが心です。
妊婦さんは生まれてくるのを楽しみにしながら、お腹の赤ちゃんに話しかけたり
優しくなでたりコミュニケーションをとっています。
もちろん、これはお母さんの独り言ではなく、赤ちゃんと心のこもった大切な交流となり
生まれてくるための準備をしているのです。
赤ちゃんの体に心が入るのは受胎した瞬間だと言われています。
精子にも卵子にも心があります。
お母さんは妊娠が分かってからお腹の赤ちゃんに話しかけ始めますが、
それより前からお腹の中ですでに心を持って生きているのです。
お母さんが話した言葉や考えている事や感情の影響も受けています。
聴覚器官が出来てきて音を感じられるようになるのは3、4ケ月目ですが
それより前からお母さんや家族の様子を感じ取っています。
子育てを難しくしている原因の1つに胎児期の心の問題があります。
例えば、妊娠が分かった時に
「えっ、男の子? 女の子が良かったのに・・・」と思わず言ったしまった一言。
こうした言葉も赤ちゃんにはちゃんと聞こえていて、心が深く傷つけられてしまいます。
生まれてくる前から、すでに1人の人間だと認識して接することは
赤ちゃんにとって心の栄養にもなります。
生まれたばかりの赤ちゃんは母乳をよく飲み、よく眠る生活をしています。
この時期はお母さんと密着してコミュニケーションをとりながら、この世界に適応しようとしています。
赤ちゃんは周りに対して受け身な存在ではありません。
自分の意志を示したり、周りの声や音などを感じ取ったり相互コミュニケーションをとっています。
聞くことは言葉を話す下地になります。
よく見ること、よく聞くこと、よく動くことを合わせることが非常に重要です。
赤ちゃんが遊ぶおもちゃに鈴がついているのも、その3つの機能が発達するためになされた工夫で、
バランス良く育っていく事が大切です。
起きている赤ちゃんをあまり長時間1人にしておくと、視覚からの刺激が不足して頭の発達が遅れてしまいます。
また、幼児期に文字を目に触れさせないでいると、小学校へ上がっても文字をなかなか読めず、
授業についていけなくなる場合もあります。
文字を読むことはどの科目にも共通して必要な力なので、
文字を読む力がなかなか育たないと、学校へ行く事自体が嫌になってしまいます。
幼い頃は体をたくさん動かし、お母さんとよくスキンシップして、絵本を読んでもらうというように
楽しみながら色々な力を習得していく重要な時期です。
お腹の中にいる時から赤ちゃんはお母さんの声を聞いています。
それだけではなく、嬉しい、楽しい、悲しいといった感情も感じ取っています。
また、お母さんの声と他の人の声をちゃんと聞き分けています。
生まれたばかりの赤ちゃんは、よその人の声には反応しなくてもお母さんの声には振り返って反応します。
お腹の中にいた時、お母さんが話しかけてくれた言葉を愛情と一緒に受け取っているのです。
しかし、中にはお母さんの声に反応しない赤ちゃんもいます。
こうした事は妊娠期間中に親が赤ちゃんが生まれてくるのを望まなかった時期がある場合に多いようです。
赤ちゃんは自分が生まれる事が親に望まれているのかそうでないかという事も分かっています。
親に望まれていないと察した場合、自らホルモンの分泌を止めてしまう胎児もいて、
それが流産や早産という結果になってしまいます。
また、両親がけんかしている事も胎児には伝わります。
物理的な声や音として聞こえなくても、血液の流れから察知すると言われています。
現在の社会のシステムでは、生まれたら戸籍に登録されて社会に存在する人と認められますが、
実際には受胎した時からこの世に確かに存在して心も持っています。
お母さんの体から生まれ出てくる前から1人の人間として接することが大切です。
日本で核家族化が進んでだいぶ経ちますが、その弊害は子育てにも表面化しています。
祖父母や両親の世代からごく自然に伝えられた子育ての知恵や親としての心構えなどは
家庭の中で代々継承されてきました。
一緒に住むことで煩わしい面もあるかもしれませんが、一方で良い事もたくさんあったと思います。
言語と非言語をひっくるめて継承することが出来ていた点では大きく違うのではないでしょうか。
核家族化を全面否定するわけではありませんが、その中で失われていくものに氣づいて、
絶やさず継承するために取り戻していく努力も現代人には必要なのだと思います。
山本 和佳