・細胞内に共存している生命体
・放っておくと体がどんどん老化していく
・細胞から元氣になるために
前回の夏バテ対策の記事の中で、ミトコンドリアについて少し触れました。
ミトコンドリアは夏バテした体の回復にも一生懸命働いてくれますが、それだけではなく一年を通して私達の生命を支えています。
自分が健康でいられるか病氣にかかるかも、ミトコンドリアとの付き合い方次第なので、今回はその辺りついて詳しくお話していきます。
ミトコンドリアは細胞内に存在している生命体で、私達の生命活動に必要なエネルギーを作り出しています。
また、細胞内に溜まった毒素を排出する。
ミトコンドリアは体の機能を保ち、健康維持を支えている。
また、年齢を重ねても若々しく健康な人は、例外なくミトコンドリアが活発に働いています。
しかし、ミトコンドリアにとって現代はとても生きづらい環境です。
野菜には農薬や化学肥料がついていて、調味料や加工食品には添加物もたっぷり。
動物性食品、大気汚染、医薬品、タバコ・・・・
これらはミトコンドリアに大きな負担をかけ、弱ってしまうので
十分なエネルギーが確保されず、代謝が滞って健康から遠ざかってしまいます。
その時、体の中では何が起きているのか少し触れたいと思います。
ミトコンドリアは酸素や食べ物から摂り入れたブドウ糖からエネルギーを作り出します。
酸素からエネルギーを作り出す時、使った酸素の1~2%は活性酸素に変わります。
活性酸素は適度な量であれば、体外から入ってきた異物を退治するのに役立ちますが、
過剰に増えてしまうと様々な病気につながります。
活性酸素が増える要因は先にも挙げましたが、食べ過ぎ、睡眠不足のような習慣的なものがあります。
他にも食品添加物、農薬、薬、重金属、排気ガス、加工食品、紫外線、
洗剤やシャンプーなどの日用品に含まれる化学物質、タバコなど限りないほどあります。
これらは人体にダメージを与えるため、ミトコンドリアは私達を守ろうと一生懸命に働きます。
ミトコンドリアが重労働を強いられた結果、活性酸素が体内に増えてしまうのです。
例えばドラッグストアに行くと、活性酸素を作り出すもので溢れています。
そうしたものを普段から使い続ける習慣が定着してしまうと、体内の活性酸素は過剰な状態がずっと続きます。
やがて体の不調によってその弊害の兆しが見え始め、長期間に渡って血液を汚して細胞を傷つけ、
やがて病氣へと繋がっていきます。
過剰な活性酸素によって体が受けるダメージについて、一部ですが以下に挙げてみました。
・細胞膜が変質して、肌の潤いが失われる。シミやシワなど肌の老化が表れる。
・特に喫煙者の体内では活性酸素が増え、肌の黒ずみや早いうちからシワなど老化が表れる。
・細胞核のDNAが傷つけられて細胞ががん化したり、または死滅する。
・血管の老化が加速して、動脈硬化につながる。
活性酸素はあらゆる病氣の原因となりますので、体内で活性酸素が増え過ぎないよう
食習慣や生活習慣に配慮する必要があります。
それと合わせて、ミトコンドリアを活性させる事も重要なポイントです。
では、ミトコンドリアを増やすにはどうすれば良いのでしょうか。
実は日常生活の中で氣をつければ増やせるので、それほど難しくありません。
①呼吸
私達が呼吸によって体へ取り込む酸素の90%以上を実はミトコンドリアが使っています。
肺から入った酸素は血流に乗って核細胞へ運ばれ、細胞内のミトコンドリアがエネルギーを作り出すために酸素が使われています。
呼吸の深さ、酸素を体に取り込む量がミトコンドリアの活性に深く関係しています。
深い呼吸は自律神経のバランスを良くして、リラックス効果をもたらします。
ミトコンドリアはストレスに弱い性質があるので、毎日忙しい人も
1日の中でリラックス出来る時間をとる事はとても大切です。
②運動
ミトコンドリアの約80%は筋肉に存在しています。
運動をして体に刺激を与えると、体はエネルギーが必要だと認識してミトコンドリアが活性します。
また、ミトコンドリアが増えてエネルギー生産効率も上がります。
筋肉が増えるとミトコンドリアの数が増えて質も良くなりますので
老化防止や若返りに繋がっていきます。
デスクワークのように長時間体を動かさないでいると病氣になりやすいと言われるのは、
ミトコンドリアが弱ってしまうのが一因です。
スクワットなどの筋力トレーニングやウォーキングなど体を動かす事を習慣にしていきましょう。
ダイエット、肥満予防の効果が上がりますし、疲れにくい体になるためには
ミトコンドリアを味方につける事が重要です。
③少食
いくら体に良い食べ物も、食べ過ぎは体にダメージとなってしまいます。
ミトコンドリアの労働を無駄に増やし、活性酸素が増えるためです。
一日の中で空腹になる時間をとってください。
食事の量は腹7分目、1日2食が理想です。
空腹な状態の時、細胞がある種の飢餓状態になります。
すると、ミトコンドリアは細胞内の不要なタンパク質などを分解して再利用します。
この働きによって細胞もきれいになります。
④体温
現代は低体温の人が珍しくありませんが、そのままにしておくと病氣に。
体温が37℃の中でミトコンドリアは活発に働きます。
低体温になると免疫力が著しく下がり、がんにかかりやすくなるのは
ミトコンドリアばかりか酵素の働きも低下してしまうためです。
玄米菜食をメインとした食事を続けて、36.5℃以上の体温を保ちましょう。
日々忙しく働いていると、自分の体の中で起きている事や細胞の中の小さな生命体を氣にかける事など無いと思います。
生きている間は出来るだけ健康で過ごしたい。
少しでも老化を遅らせて若さを保ちたい。
誰もが願う事であり、それを叶えるには想像力を使う事も大切です。
なぜなら、食べた物が自分の体の中でどのように消化・吸収されているのか。また、それによって細胞が元氣になっているかどうかは直接目で見る事が出来ないからです。
時には自分の体内のミクロの世界に想いを馳せてみる。
すると、少しの体調の変化に敏感になったり、食べた物が体に与える変化を感じるようになり、
それが日々の体調管理に役立つようになります。
自分の体内で起きている事に対してもっと自分事になってみる。
そのような心がけも自分を健康へ導くきっかけになると思っています。
山本 和佳