・年齢とともに衰える筋肉
・体の不調は筋力不足が原因?
・姿勢と心
パソコンやスマホを利用するようになって非常に便利になった一方で
現代人は姿勢がどんどん悪くなっています。
昔は背中が曲がると言うのは高齢の方だけに見られましたが、
今では若い人の猫背も全然珍しくありません。
文明の利器に夢中になりながら姿勢を崩して体に負担をかけているのです。
20代の人ならあと数十年は付き合っていく自分の体ですから、良い姿勢をキープしてほしいと思います。
背筋を伸ばして立っているだけでも、実は体の筋肉を使っています。
姿勢が崩れると、筋肉も適切に使われなくなるので衰えてしまいます。
筋力は30歳を過ぎた頃から少しずつ衰え始めます。
まだ30代のうちは、それほど日常生活でも変化を感じない程度ですが、
40歳を過ぎると疲れやすくなったり、筋力の衰えから来る体の変化に直面します。
筋力は使わないと、加齢に伴いどんどん落ちてしまいます。
意識的にトレーニングして筋肉量を増やす事は、
栄養バランスの良い食事と同じくらい健康に生きる上で大切です。
筋肉量は20歳をピークにして30歳くらいまでほぼ横ばいで、そこから減少し始める傾向にあります。
もし筋肉や骨格が形成される成長期に栄養不足や運動不足だった人は
もともと筋肉量が少ないので、体を傷めないよう少しずつ負荷をかけてトレーニングをしましょう。
普通に生活しているだけでは筋肉は減っていきますので、
時間を作って意識的に体を動かすことを習慣にすることが大切です。
加齢とともに足腰の筋肉から減っていきます。
太ももの前側にある大腿四頭筋は30歳以降、10年毎に5~10%の割合で細くなっていきます。
仮に10年間で10%細くなるとすると、50年間で50%です。
単純計算ではありますが、何と30歳から80歳までの間に約半分になってしまう計算になります。
お尻の筋肉や体幹を作るお腹周りや背中の筋肉も加齢に伴って減りやすい場所です。
体幹の筋肉の衰えは自分でもチェックできますので
以下に思い当たる場合は、筋肉量を増やすトレーニングをしてください。
・下腹部が出てきた
・姿勢が悪い
・お尻が薄い、または垂れてきた
・歩いている時によくつまづく
・以前に比べて歩く速度が遅くなった
・階段を上るのが苦痛
・冷え性
・腰痛
いかがでしょうか。
上記の項目に複数当てはまる場合は、日常生活にも少しずつ支障が出てきていると思います。
自分の体を思うように動かせなくなると、自由も奪われていきますので
ウォーキングやスクワットなどの筋力トレーニングをして健康な体を作りましょう。
良い姿勢を保つ、歩く、椅子に腰掛ける、椅子から立ち上がるなど
日常の基本的な動作に深く関わっている筋肉ほど、年齢とともに細く弱くなる傾向が強いです。
しかし、何故よく動かす筋肉から減っていってしまうのでしょうか。
少し余談ですが、自然界に生きる生物の観点から見ると、生物として役割は子孫を残すことであり、
子孫が自立できるようになったら居なくなるのが理に叶っています。
速やかな世代交代は生物学的に見れば、種を維持するための戦略でもあります。
果たすべき役割が終わりに差しかかった時、つまり死を目前にして生命体は急速に衰えるよう働きます。
太ももやお尻など歩くために重要な筋肉から減っていくのもその一環だと言われています。
しかし、人間社会は孫やひ孫が生まれても元氣でいたいと多くの人が願います。
加齢による衰えをただ身に任せていては、どんどん体が弱るばかりですので、
日常の生活動作に加えて、運動をしたり筋力トレーニングをして筋肉量を維持する必要があるのです。
姿勢が悪いと、体型の崩れ、猫背、肩こり、腰痛、関節痛など骨や筋肉から来る痛みの他
内臓の働きや血流にも悪影響を及ぼします。
多くの人が悩まされている症状も、筋力不足が影響しているかもしれません。
●腰痛
直立二足歩行をしている人間にとって腰痛になるのは、ある意味宿命とも言えるかもしれません。
しかし、腰痛の85%は原因が分からないのです。
人間の体は一番上に重い頭が乗っているという不自然な状態を維持しなければならず、
頭を回したり傾ける時も体に強い力がかかります。
そうした負担が一番かかりやすいのが腰です。
人間の腰椎が特に太いのは、そこにかかる力が非常に強いからです。
人間の姿勢は腰椎に負担がかかり過ぎると乱れやすくなり、それが腰痛になるケースが多いです。
また、背骨の並びは周りの筋肉に支えられていて、その筋肉が背骨がずれないよう微調整もしており、
その筋肉が弱ると腰痛になりやすいと言われています。
それほど重くないものも背骨が曲がった姿勢で持ち上げると、腰に強い負担がかかってしまうのです。
日常の中で良い姿勢を保つと、必要な筋肉を使うので体に無理な負担がかからず、
長期的に見ると健康に年齢を重ねていける事が分かります。
●骨盤の歪み
筋肉量が落ちると良い姿勢を保ち切れず、どうしても姿勢が悪くなります。
すると骨盤が歪み、それが脚の血行不良につながっていきます。
血流が滞ると体の中心で温まった血液が末端まで届かなくなり、手足が冷えてしまいます。
トレーニングで骨盤の前傾・後傾きが改善すると、
脚に流れていく血液がスムーズになり、冷え性が改善されていきます。
●便秘・消化不良
筋肉が衰えると腸の働きも鈍くなり、ひどくなると便秘にも繋がります。
食事の改善は体の内側からのアプローチとしてもちろん大切ですが、
体の外側のアプローチとして大腰筋や体幹を鍛えることによっても便秘が改善されます。
便秘になる原因の1つとして内臓の下垂によって腸が圧迫され、
蠕動運動が上手くいかなくなる事が挙げられます。
体幹が鍛えられると、内臓の下垂が改善されて腸が活発に働くようになり、その結果便秘が改善されます。
●メタボリックシンドローム
筋肉が衰えると冷え性や便秘を引き起こすと述べましたが、それはメタボになりやすい体でもあります。
体の代謝が下がると脂肪が燃えにくい体になり、結果太りやすく痩せにくくなってしまいます。
良い姿勢をキープする事は、それを支える筋肉を使うのでエネルギー消費にもなり、
間接的ではありますが、メタボ対策にもなるのが嬉しいですね。
また、姿勢は心理面にも大きく影響します。
スマホを見ている時は、多くの人が背中が丸まって頭が下を向きがちですが、
これでは氣持ちもふさいできてしまいます。
背筋をすっと伸ばして少し胸を張り、顎を引いて目線を少し上に向けると
氣持ちが穏やかに、安定するのが分かると思います。
うつ病の人に上を向くよう指導したところ、うつ病が治ったという実験報告もあります。
悪い姿勢のまま歩くと膝や腰の痛みを引き起こし、全身の歪みや不調にもつながります。
まず良い姿勢を保つ事と、そのために必要な筋肉を増やす事が大切です。
そして関節に余計な負荷がかからないように歩く事で体を動かす事が楽になります。
関節がグラグラしないようサポートする筋肉をつける事も重要です。
適切な筋肉量のある体は動きがスムーズで疲れにくいため活動的になり、
氣持ちも明るく元氣に年齢を重ねていける秘訣でもあります。
山本 和佳