【一般無料】脚から健康を作る~Part2~(健康基礎講座)

・筋肉が弱ると○○○○の流れも滞る

・使わなければ衰えてしまう

・体が動けなくなる前に運動を習慣にする事が大切

 

前回もお話しましたが人間の体を構成する筋肉には速筋と遅筋があり、それぞれ役割を持っています。


速筋は全速力で走ったり、勢いよくボールを投げるなど瞬発的な動きをする時に使われます。

これと対照的な遅筋は良い姿勢を維持するほか、立ち上がったり歩いたり日常動作の時に活躍しています。
血液循環にも関わっている遅筋ですが、実は同時にリンパ液の循環も促しています。


リンパ液は体内に入ってきたウイルスや細菌を攻撃したり、古くなった細胞を処理して
老廃物を運ぶなど免疫の重要な役割を果たしています。

遅筋は骨の周りや太ももの深部などにあり、収縮する事でリンパ液の循環を促しています。


リンパ液は血液よりもゆっくり流れるため、遅筋が衰えると
血液以上にリンパ液の流れが悪くなり、免疫力が低下してしまいます。


免疫力が低い人は外部環境に影響されて風邪を引きやすく、感染症にかかりやすくなります。

こうした人は現代人に非常に多いですが、たかが風邪と侮ってはいけません。


風邪や感染症にかかりやすい体は免疫力が常に低く、不健康である危険信号として受け止めてください。

それを放っておくと将来的にがんのリスクが高くなりますので、早いうちに改善していきましょう。


健康な人の体内でも1日に数千個のがん細胞が発生しています。
それを退治しているのがリンパ球や白血球で、どちらも重要な免疫細胞です。


リンパ球が流れるリンパ液と、白血球が流れる血液の両方が全身を循環して体内の病原体が退治され、
老廃物が排泄され、きれいな血液と細胞が保たれます。

このリンパ液と血液の循環を促しているのが遅筋なのです。


ダイナミックな動きを支える速筋とは対照的に、見えにくいところで地道に働く遅筋は
体の運動動作や健康面で土台を担う縁の下の力持ちですね。



筋肉量は30代半がピークで、40代以降はどんどん減少していきます。
そのため、意識的に筋肉を鍛える必要があります。


ただ、年齢に関係なく筋肉は使わなければ減ってしまいます。

ご存知の通り、筋肉に大きな負荷がかかれば筋肉量が増え、
反対にあまり筋肉を使わないと筋肉は萎縮して量も減っていきます。


日常生活では最大筋力の30%程しか使われておらず、
これくらいの運動量だと筋肉は増えることなく、減ることもありません。

しかし、それよりも運動量が少ないと筋肉は減っていきます。


例えば、足を骨折して3週間ベッドで寝たままの生活をすると、
1人では立ち上がれないほど足の筋肉がやせ細ってしまいます。


20代の頃は日常動作をしているだけで体に必要な筋肉を維持する事ができます。

若いうちであれば、減ってしまった筋肉を取り戻すことはまだ難しくありませんが、
加齢によって筋力が衰えていく世代の人が筋肉を使わないと、どんどん老化が進んでしまいます。


転倒がきっかけで車いす生活になるケースもありますので、
日頃から運動習慣を身につけておくことは大切です。


筋肉を鍛えるのはスポーツをする人に限られると思われるかもしれませんが、
日常動作を支える遅筋を鍛えるのは、全ての人に共通して必要です。


現代では、大多数の人は体全体を使って労働することが無くなりました。

それによって筋肉を使う事が極端に減ってしまった、そこで筋力不足の問題が出てきます。

そのマイナス面を補うために筋肉を鍛える必要があるのです。



こうした代償は他にもあります。

腰痛に悩む人は実に多く、直立二足歩行をする人間の宿命とも言われます。


昔の人は農作業で前かがみになったり、重いものを持つといった肉体労働が
腰に負担をかけて腰痛になることがありました。


しかし、今は一日中椅子に座っていたり、同じ姿勢を長時間続ける事で腰痛になるケースが増えています。

なぜなら腰回りの筋肉が衰え、背骨をしっかり支えられなくなるからです。
長時間デスクワークをする人が姿勢を崩しやすいのは、このためです。


過剰労働のように腰を動かしたために起きる腰痛の場合は休むことが大切ですが、
腰を動かさない事が原因の腰痛を改善する場合は、腰を動かすことが効果的です。


そのためには歩く事です。

左右の腰の筋肉が交互に収縮して毛細血管の流れが良くなり、腰のマッサージ効果があります。


現代人はパソコンを操作したり、車を運転するといった長時間同じ姿勢をする事が多く、
血流が滞った結果、腰痛や疲労などの不調につながっている場合があります。

普段あまり体を動かさない生活をしていて腰痛に苦しんでいる方は、ウォーキングをしてみてください。


実際にウォーキングを続けている人はいつまでも若々しく、日々の運動習慣の賜物です。


40代、50代以上になると脚を鍛える事が大切だとお話ししました。

立ち上がったり歩いたり、良い姿勢を保つなど日常動作には遅筋が関わっています。

そして、実は遅筋にはミトコンドリアがたくさん存在しています。


ミトコンドリアは酸素からエネルギーを作り出すので、遅筋には多くの酸素が送り込まれます。

ヨガ、合気道、太極拳のように障害に渡って続けられる健康法や武道は
どれも激しい動きではなく、呼吸を大切にしながら体を使うという共通点があります。


有酸素運動によってミトコンドリアが活性され、持久力がつき、細胞も活性するのでとても優れた健康法です。



また、家で手軽に脚の遅筋を鍛えたい人には、つま先立ち運動がお勧めです。
次のどちらかやりやすい方で結構ですので、脚の筋肉が弱っている方は続けてみてください。


1.つま先立ちを30秒間続けて休む。これを5回繰り返す。

2.普通に立った状態からかかとの上げ下ろしを20回行う。これを3回繰り返す。


体がふらつく場合は、壁などに手を添えて行ってください。


この運動は姿勢が良くなって腰痛改善効果もあります。
立ったり歩く時のバランスが良くなるので、年配の方は転倒防止にもなります。

また、下半身の血流が良くなって、それが全身の血液循環も良くしますので
冷え性が改善して内臓の働きも活発になり、動脈硬化を予防します。



筋肉の働きは速く走ったり、高く跳んだり、重いものを持ち上げたりというように瞬間的に
またはダイナミックな運動動作がイメージがあると思います。

もちろん人間の活動を支える大事な筋肉ですが、
一方で目立たないところで活躍している遅筋は一生涯を通して働く持続性のある筋肉です。


筋肉を鍛えるのは面倒だと思う方もいるかもしれませんが、それはある意味で現代生活の代償とも言えます。


昔は畑仕事をしたり、長距離を歩いたり、日々の生活の中で体全体を使う事が当たり前でした。

現代ではそのような生活をしている人はほとんどいません。

長時間椅子に座ったり、同じ姿勢を続けている人が多くなり、それと共に運動不足の生活になってしまいます。


そのままでは筋肉が落ちてしまうので、意識的に筋肉を鍛える必要があるのです。

便利さを追及した結果、それによって生まれたマイナス面を補うのも健康維持のために大切な事です。


楽に長距離移動する事ができ、ライフラインが整った環境で生活している日本人。

「便利になって良かった」で済ませるのではなく、もう一方から注意深く見てみる事も大事です。



山本 和佳

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