【一般無料】人工香料の被害~Part2~(健康基礎講座)

・なかなか理解されない苦しみ

・症状が出ていない人も安心できない

・化学物質による身近な被害

 

前回に続き、今回も人工香料の弊害についてお話し致します。


近年は特に人工香料がきっかけで化学物質過敏症になる人が増えていて
症状が重い人は、外出する時や人が集まる場所へ行く時に非常に恐怖を感じています。


しかし、目立った症状が出ていない人も他人事ではありません。


匂いへの拒絶反応に関しては、個人の好き嫌いではないかと思われることもあります。

化学物質過敏症の人は症状の苦しみに加えて、人間関係でも辛い思いをする事もあるのですが、
決して好き嫌いの問題ではないという事と、どんな苦しみを日々抱えているのかについてもお伝えします。



芳香柔軟剤を使用している人には、それをエチケットだと思っている人も多いです。

化学物質過敏症の人や化学物質を極力使わない人にとっては頭が痛くなるような匂いですが、
人工香料に慣れてしまっている人は「いい匂い」と感じたりします。(体に害が無いということではない)


しかし、人工香料に接触して目や鼻に痛みを感じたりくしゃみをする人もいて
この人達にとっては人工香料が刺激になり、さらに苦痛が続きます。


季節性の花粉症でさえ症状に悩み、仕事に身が入らなかったり睡眠が妨げられたりします。

それでも仕事をしなければならない、子どもの面倒を見る、家事をこなしていくなど
症状を抱えながら日常生活を送るのは苦痛が伴います。


花粉症の人はシーズンが終われば症状が無くなりますが、人工香料の場合は年中苦痛が続いています。

「もし花粉症が一年中続いたら・・・」と想像するだけでも、その辛さは相当なものだと伺えます。


しかも柔軟剤から衣服に匂いが移り、さらに電車のシートや公共の空間に残る匂いは
外出先ではとても避ける事はできません。


それに加えて、二次反応が起きる可能性もあります。

二次反応は主に神経系の反応で、自分の意志で動かすことが出来ない自律神経、運動器官、循環器の症状
(めまい、関節の痛み、動悸、胃腸の不調、手足の震えなど)が起きます。



人工香料の影響で頭痛などの症状が一度表れると、他の物質にも反応するようになり
色々な症状が出てくる事がよくあります。

これは、嗅覚と心身がつながっている体のしくみが関係しています。


例えば柔軟剤の人工香料に反応して頭痛が発生したとします。
すると、頭痛とその時に嗅いだ匂いが関連づけられて記憶に残ります。


再び同じ匂いを嗅いだ時、「また頭痛になるのではないか」という心配や不安が沸き上がってきます。
これが耐え難いストレスとなり、心身を消耗していくのです。


そして匂いを嗅ぐと直ちに体が反応して頭痛が起きるようになります。

これを繰り返すうちに、他の柔軟剤や洗剤にも反応するようになったり、
それ以外の日用品などに使われている化学物質の刺激を受けて体調が悪くなる事もあります。


柔軟剤に含まれる人工香料がきっかけで化学物質過敏症になる人が多いのは、
呼吸によって体内に入る量が食べ物から入る量よりもはるかに多いのと
肺から入ると肝臓を通さずに血管に入って全身を巡るためです。

また、香料商品には様々な化学物質が使われているのも一因です。


人工香料に体が反応して体調が悪くなるというような「記憶の痛み」は
転んで怪我をする時の痛みと比べて原因は違えど、脳内で実際に起きている実在する痛みです。


「また何らかの症状が起きるのではないか」という予期不安によって、全身に症状が出ることもあります。


例えば人工香料に自律神経が反応して頭痛が起きると、自律神経はバランスを崩します。

その状態が続くと、自律神経と相互作用の関係にある免疫系や内分泌系も機能低下して
免疫力が下がったり、ホルモン分泌異常が起きたりします。


化学物質過敏症の人にとっては、空氣中を漂う匂い物質に対する不安が常にあるので相当なストレスとなります。
息が出来ないほど心臓がドキドキしたり、心身の負担は大変大きいです。


花粉症の人はくしゃみ、鼻水、頭がボーっとするなどアレルギー反応に強い不快感があると思いますが
一年中続く人工香料の被害は、それ以上に心身をすり減らし続けるのです。




芳香柔軟剤は長時間匂いが続く事を売り文句にしています。

普通ですと香りは時間が経過すると薄らいでいくものですが、なぜ匂いがずっと続くのでしょうか。


それは匂い物質を閉じ込めたマイクロカプセルが柔軟剤に入っているためです。

洗濯した衣服についたマイクロカプセルが摩擦や押される刺激によって弾けた時に
匂いが飛び出すというしくみです。それが時間差で起きるので、匂いが長い間放出されるというわけです。


こうした商品の匂い成分は化学物質で作られており、体の機能に問題が生じる可能性がありますが
危険な要因はそれだけではありません。



マイクロカプセルが弾ける時に有害な化学物質イソシアネートが揮発しているのです。

イソシアネートは、ごく少量を吸入しただけでもアレルギー性喘息や
中枢神経系、心臓血管系症状を引き起こす毒性の強い物質です。

氣体の状態で微量でも吸い込むと、目や皮膚、呼吸器などに炎症を起こし、
涙が出たり、喉の痛み、咳や息切れが激しくなる等の症状が出ます。


それが続くと過敏になって、どんな低い濃度でも重い症状が出るようになり
命に関わるほどの喘息発作が起きることもあるほどです。


また、イソシアネートはシックハウス症候群の原因物質の1つでもある
トルエンよりも1万倍も毒性が強く、海外では規制が進んでいます。

しかし日本ではイソシアネートの規制は無く、メーカーは使い放題という状況です。



また、人工香料に反応しないからといって安心ではありません。

化学物質の影響でアレルギー性疾患、発達障害に悩む人も増加しています。


アレルギー性疾患は気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、花粉症などの総称です。

今や国民の約3割が花粉症にかかっています。
また、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーも増えています。

アトピー性皮膚炎は激しい痒みや痛みに心理的負担も大きく、
食物アレルギーの子どもが学校給食を食べて死亡した事故も起きています。


1980年代から急増した発達障害は、脳の発達過程で特定の神経回路が損なわれ、
特定の行動が出来ない障害です。

相手の意図や置かれた状況を理解できない、自分をコントロールできない、
読み書きや計算ができないなど個人によって様々です。


アレルギーや発達障害以外にも、化学物質は様々な形で体に異常を起こします。

長期間体内に入り続けると、がんなどの生活習慣病になる可能性は高くなります。



化学物質が生活の中に入り込み、じわじわと人間の体を蝕んでいます。
しかし、それ以前に川や海、自然界を汚している事も忘れてはなりません。

化学物質に囲まれた現代では、遅かれ早かれ体の機能に何らかの異常を起こして
最終的に病氣になってしまいます。

さらに世代を超えて毒性が引き継がれるのは避けられません。


化学物質を全く使わない生活は無理だとしても
消費者の選択と行動によって生活空間から減らしていく努力は出来ます。


そうした生活習慣や生活環境の改善は、深刻な環境汚染をくい止めるのに微力だとしても
意味があると思いますし、自分や家族の健康を守ることに繋がります。



山本和佳

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