【一般無料】現代食の落とし穴(健康基礎講座)

・炭水化物を抜く事の問題点

・メタボリックシンドロームは国民病

・それは栄養過剰か?栄養不足か?

 

インターネットや本など色々な手段で知りたい情報を見る事ができる現代ですが、
こと健康に関しては真実の情報にたどり着くのが至難の業ではないでしょうか。


健康に配慮したはずなのに、結果的に病氣になってしまう。
このような事が日本中で起きています。


何をもって正しくて、あるいは間違っているのか判断する根拠を持っていないと
膨大な情報に翻弄されてしまう情報化社会です。


誤った情報も正しいかのように謡われて、様々な健康法が
次から次へと流行っては衰退していきます。



炭水化物制限ダイエットもその1つです。

炭水化物を食べると太るから、炭水化物を出来るだけ抜くというダイエット法が一時期流行りましたが、
体に必要な栄養素を抜くというのは、色々な弊害を生み出します。


そもそも炭水化物を抜いて痩せるというのは健康的ではありません。

なぜならインシュリンが分泌されなくなった糖尿病患者が痩せるのと同じ原理だからです。


健康な人の体は炭水化物を摂ることによって血糖値が上がり、
それによって膵臓が刺激されてインスリンが分泌されます。

インスリンは血糖値を下げるホルモンで、血液中の糖を細胞に取り込むのを促してくれます。


ところが、糖尿病の人は膵臓の働きが悪いため、インスリンの分泌が減ったり出なくなってしまいます。

インスリンが出ないと血液中の糖が細胞に取り込まれなくなるので、体は飢餓状態に陥ります。
すると、体は何とかエネルギーを作り出そうと脂肪を分解します。


糖尿病患者が痩せるのはこのためで、炭水化物を抜いた食事で痩せると言われているのも同じしくみです。



このダイエット法は動物性たんぱく質と脂肪の摂取を制限していない点にも問題があります。


たんぱく質は摂り過ぎても吸収されずに排泄されるからというのが
摂取量を制限しない理由のようですが、それは何とも乱暴な話で体に大きな負担をかけてしまいます。


過剰に摂ったたんぱく質も一度アミノ酸に分解され、さらにアミノ酸が分解されて排泄されます。
この過程で多くの酵素と共にビタミン・ミネラルも無駄に使われてしまいます。



また、動物性脂肪の摂り過ぎで血液がドロドロになり、
酸素と栄養がちゃんと細胞へ行き渡らなくなるので新陳代謝が悪くなり、老化が加速します。


さらに問題なのは、食物繊維が足りないために十分な便を作り出せない事です。

野菜や果物を多めに摂るよう心がけたとしても、
食物繊維が豊富で良質な炭水化物を摂らないと十分な量の便は出ません。


これは現代食にも言えることですが、食物繊維が足りないと便のかさが小さくなり、
老廃物をスムーズに排泄できなくなります。


食物繊維は腸内細菌のエサになり腸内環境を整える役割もあるのですが、
不足すると腸内環境が悪化してしまいます。



これほど炭水化物抜きダイエットが流行った背景には
もともと炭水化物を軽視した食事をしている人が多かった事もあるのではないかと思います。


主食を間違える(または摂らない)と、おかずや副食など添えるものも選び間違えてしまいます。

玄米菜食をしていると、主食の大切さがとてもよく分かるものです。




日本では動物性脂肪を毎日のように食べる食事へと変化して、
多くの中高年にメタボリックシンドロームが見られるようになりました。


厚生省の調査によると、日本人のメタボリックシンドロームは予備軍も含めると2000万人近くに上ります。

40歳~74歳の男性では2人に1人がメタボリックシンドロームまたは予備軍であると推定されています。


メタボリックシンドロームとは内臓脂肪型肥満で高血圧、高血糖、高脂血症のうち2つ以上が該当する状態を指します。


大きな原因は動物性たんぱく質や動物性脂肪の摂り過ぎで、動脈硬化のリスクも高くなります。
つまり様々な生活習慣病の病巣になるという事です。


コレステロールは何かと悪者扱いされる事が多いですが、本来は体の役に立つものです。


人間は肝臓で体の活動に必要なコレステロールを作り出します。

コレステロールは副腎皮質ホルモン、女性ホルモン、胆汁酸などの材料になります。
さらに細胞膜の材料にもなり、人間の体にとって無くてはならない脂質です。



よく善玉コレステロール(LDL)と悪玉コレステロール(HDL)に分けられますが、
本来はどちらも必要なコレステロールです。


LDLは肝臓で作られたコレステロールを全身に運び、HDLは体内の余分なコレステロールを回収して肝臓に戻します。
どちらも大切な働きであり、問題なのは双方のバランスが崩れる事なのです。

 

一般的に動物性脂肪は摂り過ぎないようにと言われますが、動物性脂肪には大きく分けて2種類あります。

牛、豚、鳥など主に陸上動物の油は「飽和脂肪酸」に分類され、
魚介類の油は「不飽和脂肪酸」と呼ばれます。


メタボリックシンドロームの原因になるのは、主に体の外から入ってくる飽和脂肪酸です。

飽和脂肪酸は体内で合成されるので、不足を心配する必要はないのですが、
食事から摂り過ぎるとコレステロールが過剰になり、体内に脂肪が溜まります。


一方、不飽和脂肪酸に分類される魚の油については、特に青魚にはEPA・DHAが含まれていて
コレステロールを改善したり脳を活性することでよく知られています。


動物性脂肪については肉食はもっての外ですが、乳製品は外食の時だけにするとか極力控えましょう。

玄米菜食中心の食事にして、魚介類を食べれば十分満足できますよ。


不飽和脂肪酸はさらにオメガ3、オメガ6、オメガ9と3種類に分類されます。
この中で最も優先して摂りたい油はオメガ3です。

オメガ3はEPA・DHAの他にも、植物性油では亜麻仁油、インカインチ油、シソ油などがあります。

外食や加工食品にはオメガ3は入っていないので、意識して摂りましょう。



ここでオメガ3について、1995年に発表された大変興味深い実験をご紹介します。


アメリカのバデュー大学がインディアナ州に住む200人の子ども(6~12歳)を対象として
食事内容や血液検査からオメガ3の摂取量を測定し、学習能力や行動との関係について調査が行われました。


その結果、オメガ3の摂取量が少ない子どもは、そうでない子どもと比べて算数能力が4.7倍低く、
総合学習能力は4.9倍も低いことが分かりました。

さらにオメガ3が少ない子どもは学習障害が8.2倍も高かったのです。


他にもオメガ3の摂取量が少ないと、注意力散漫、感情的、ひどいかんしゃくを起こす、
寝つきや寝起きが悪い、頻尿、乾燥肌などが目立つという事も明らかになりました。


どの油を摂っているかが健康はもちろんのこと、普段の行動にも大きく影響しているのです。



欧米型の食事は見た目も華やかで、それを栄養豊富だと思う人もいますが、
一方で大幅に不足してしまった栄養素もあります。


それが食物繊維です。

食事が欧米化、ファーストフード化していくと共に一度は忘れ去られてしまった食物繊維ですが、
今では体に必要な栄養素として再び注目されています。


食物繊維は腸内の善玉菌のエサになるので、腸内環境を良好にしてくれます。

また、食後の血糖値上昇を緩やかにし、老廃物を抱え込んで排泄する働きもあります。


多くの日本人は、コレステロール(飽和脂肪酸)の摂り過ぎで体脂肪が溜まる上に
食物繊維が不足しているため、体内の老廃物の排泄が間に合わなくなっています。


そうした食事が腸内細菌のバランスを崩し、血液を汚して体中に病氣の元を作っていくのです。



世の中には言い訳をしながら不摂生を続ける人もいますが、最期に苦しむのは自分です。
早めの改善や対応が身を助けます。


また、世の中に出ているダイエット法や食事法の中には誤った情報も含まれています。


栄養素の事など色々と書きましたが、一言にまとめると「玄米菜食」にするのが一番簡単です。

もし、高脂肪の食事をしていた人が食事を改善するなら、1つ1つの栄養素を見ていくよりも
まずは何も考えずに玄米菜食に変えてしまう方が効果が高く、変化も感じやすいからです。

食後に体がスッキリする、無理なく体重が減る、体を動かしやすくなる、
寝つきが良い、情緒が安定するなど、食事の改善によって体は変わります。


栄養素ばかり見ていると「木を見て森を見ず」になりやすいので、まずは食事全体をガラッと変えてしまう事。栄養素を氣にするのは、その後でも十分です。


まず体に起きる変化を体感してください。
それが続けられる強い動機にもなりますよ。



山本 和佳

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