【一般無料】内臓の力を鍛える(健康基礎講座)

・日本人が失った身体能力

・呼吸によって○○を鍛える

 

便利な生活に甘えると、どうしても運動不足になってしまいます。

楽をした分のツケは後になって返ってきます。


運動というと、スポーツやランニング、ウォーキング、筋トレ、ストレッチのように
腕や脚をたくさん動かすというイメージがあると思います。


もちろんこうした運動も大切ですが、一方で体幹の内側が弱っているという問題があります。

なぜなら運動で動かしている筋肉はほとんど胴体の外側の筋肉であり、
その中の筋肉は運動不足になっているからです。


体幹の中が弱くなったのは、食事の問題や生活様式の変化、
もっと言うと意識の部分も変えさせられたというのも大きいですが、
それについては後で述べることにします。




腕や脚を動かすのと同じように、体幹の中を動かすにも筋肉が必要で
その代表的な筋肉が以下の肋間(ろっかん)筋、横隔膜筋、腸腰筋、腹横筋です。



<肋間筋>

肋骨を動かす筋肉で、呼吸する時に働きます。



<横隔膜筋>

肋間筋のさらに奥にある筋肉。胴体を上下に仕切るような形状をしていて、
腹式呼吸をする時に大きく上下に動きます。

息を吐く時は肺を下から押し上げるように伸び、息を吸う時は横隔膜筋が収縮して
肺の容積が増えて、そのスペースに空氣が入ってきます。

呼吸の深さがダイレクトに影響する筋肉です。



<腸腰筋>

腸の近くにある筋肉で、横隔膜筋とも連動しています。

腸腰筋がよく動くと腸を刺激するため、内臓脂肪を燃焼しやすくなります。

また、歩く動作にも関わる筋肉で、この筋肉を鍛えると高齢者の転倒防止にもなり、
実は太ももの筋肉を鍛えるよりも効果が大きいです。



<腹横筋>

お腹の周りを横向きに走っている筋肉で、ウエストをスッキリして見せる筋肉です。

腹横筋がたるむと、肥満ではないのに下腹が前に出てしまいます。


体の外側の筋肉で姿勢を維持しようとすると疲れてしまいますが、
腹横筋を鍛えると無理なく姿勢が整います。




このように、ほとんどの筋肉は呼吸によってのみ動いています。

言い換えれば、呼吸によってでしか体幹の内側を動かす事が出来ないという事です。


呼吸の深さは、そのまま内臓の力の強さに繋がっているのです。


そのため、浅い呼吸をしていると体の中の筋肉が衰えてしまい、内臓の力も弱くなってしまいます。





年齢と共に体の中の筋肉は固くなっていき、その影響は全身に及びます。


一般的に60歳を超えると、肺活量が若い時の半分くらいまで減少しますが、
これは肋骨を覆っている肋間筋が固くなるためです。


肺活量が低下すると体に取り込む酸素の量が減少し、
それによって酸素を一番多く消費する脳の活動が低下してしまいます。

例えば、記憶力や集中力の低下して物忘れがひどくなったり、
運動能力の低下によって物にひっかかったり、つまづきやすくなります。


また、感情の豊かさが失われたり氣持ちがふさいで、軽度のうつにもなりやすいです。



昔と比べて極端に体を動かさなくなったため、現代人は中学生の頃から肋間筋が固くなり始めるそうです。

年齢を重ねても自由に体を動かしたり力を発揮できるかどうかは
肋間筋の働きも大きく影響しているのです。


肋間筋が固くなると、肺の活動が低下してしまうため、人間にとって重要な原動力である酸素を
十分に取り込めなくなり、その周りの筋肉も次第に固まってしまいます。



人間の体は内側の筋肉の動きが良くなると、それによって外側の筋肉もほぐされるように出来ています。

しかし、反対に体の外側をほぐしても、体の中の筋肉はほぐれません。


体の中にある肋間筋が固くなると、外側の筋肉を緩める作用も少なくなって
体全体が固くなり、歩く動作がぎこちなくなるなど見た目にもはっきりと表れてきます。



その他にも体幹の中の衰えによって、特に女性では尿漏れに悩む人が増えています。

この事は男性よりも女性の方が尿道が短いという身体構造も関係しています。


昔は産後の一定期間や、かなり高齢になってから起こるケースが多かったのですが、
今はそれ以外の人も尿漏れになる人が増え、さらに若年化して
女子高生が尿漏れをしてしまうケースもあるほどです。



肉体労働をほとんどしなくなった事の代償は大きく、体幹の中の運動不足が起きて
若いうちから体に様々な問題を抱えるようになってしまいました。


体の中の筋肉の運動不足は、体の外側の筋肉のように目で見ることができません。

そのため、運動できていない事にも氣づかれないのですが、
その弊害は体の衰えや機能低下による不調となって表れます。





内臓の大事な機能として免疫が挙げられますが、腸がその要を担っています。

実は腸の機能を高めるのに最も適した運動が、呼吸なのです。


腕や脚を動かす運動では、腸に直接アプローチするのは難しいですが、
横隔膜や腹横筋を使うと、腸管に直接刺激を与えることが出来ます。


息を吸う時に横隔膜は下に下がり、小腸や大腸が押さえつけられるように力を受け、
それがさらに横へ移動します。

逆に息を吐く時は横隔膜が緩むので、押された小腸や大腸が元に戻ります。


内臓は柔らかいので、このように圧力を加えられると押されて多少位置を変えたり移動し、
緩めるとまた元に戻り、もみほぐされるような状態になっています。


これは、ちょうど洗濯物をもみ洗いして汚れを落とす原理によく似ています。


そんなに力を加えて大丈夫かと思われるかもしれませんが、
内臓はぬるぬるしているので問題は無く、互いに擦れ合うように移動してもみ洗い効果が得られます。


それが内臓機能を高め、小腸は消化吸収が良くなり、大腸では便を生産する機能が上がるのです。


深くゆったりと呼吸をすることで、腸管やその外側も新陳代謝が高くなります。


生まれてから死ぬまでの間、体内では絶えず新陳代謝が繰り返されています。

ホメオスタシスの根本であり、新陳代謝が高い体は生命力の強さそのものを表しています。



しかし、基礎代謝は年齢とともに低下していきます。

例えば40代の人が20代の時と同じようなボリュームのある食事をすると太り、
メタボになってしまうのは、このためです。


しかし、年齢のせいだと諦める事はありません。老化を最小限に留めることは十分可能です。
呼吸をしっかり行う事で、新陳代謝をあげることができます。




呼吸はただ空氣の出し入れをするだけではなく、体全体を活性させるために重要な役割を果たしています。

様々な理由で呼吸が軽視されてしまったことも、現代人が健康から遠ざかった事と無関係ではありません。


体の本来の力を取り戻す。

それぐらいの力が呼吸には秘められています。




山本和佳

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