・睡眠不足の子どもが増加している
・規則正しい生活リズムが○○や○○を促す
・幼児期に身についた習慣が将来を左右する!?
現在の日本人は世界の中で最も睡眠不足です。
子どもの睡眠不足も増えていて、それが健康上の問題になっています。
小学生では30%以上、中学生は50%以上、高校生は60~70%もの生徒が
睡眠不足を自覚しているという結果が出ています
それが様々な形で問題となっていて、不登校児や引きこもりが増えているのも
育った環境や人間関係などにも要因がありますが、生活リズムの乱れが大きく影響しています。
幼児期から健全な生活リズムを習慣にすることが、前頭葉の成長を促し、健全な性格を作ります。
聖徳短期大学が348人の5歳児を対象に行った調査によると、
寝起きの時間が不規則な幼児は無表情たっだり、突然パニックを起こす、
模写が上手く出来ないという傾向があるそうです。
また、寝起きの時間が1時間半以上のばらつきがある幼児は
脳の発達が妨げられてしまうため、攻撃的で情緒不安定になりやすい事もはっきりしています。
日本小児保健協会が行った幼児の睡眠についての調査によると、
夜10時以降に寝る幼児が増加しているというのです。
その割合は、2000年には1歳6ケ月の子どもの55%、2歳児の59%にも上りました。
この数字は1980年の約2倍に達しています。
また、3~5歳の子どもも就寝時間の遅れが目立っています。
0~5歳児の頃は、脳が最も著しく発達する時期です。
だいたい21時までには就寝して、朝6時に起きるくらいの生活リズムを保ち、
規則正しい睡眠をとることがとでも重要です。
この時期に睡眠と覚醒のリズムが形成されないと、脳の発達が妨げられ
特にセロトニン神経系が発達しなくなります。
そのため正しい睡眠リズムが出来ていないと情緒不安定になり、攻撃的になりやすいのです。
また、睡眠障害として多動傾向、自閉傾向、言語障害も表れる可能性があります。
たとえ睡眠時間の量を満たしていても、就寝時間や起床時間が遅ければ、生活リズムは乱れてしまいます。
生まれたばかりの赤ちゃんは1日のうちほとんど眠っていますが、
成長するにつれて睡眠時間やリズムも変わっていきます。
そして、この時に規則正しいリズムを作ることが脳の成長を助けているのです。
生後4ケ月までに昼夜の区別ができるようになり、この時期には主に前脳辺縁系という神経系が発達します。
それが母子関係を築いたり、環境への順応や、記憶機能の発達に深く関わっています。
この時期に夜更かしをしていると、健全な母子関係や人格形成にも障害が出てくる恐れがあります。
生後4ケ月を過ぎると、徐々に昼寝が2回から1回になります。
この時期は、認知機能の統合に関与する連合野の神経系が特に活性します。
さらにその後は昼寝が少なくなっていき、社会性や動機づけの発達に関わる神経系が活発になります。
幼児期は、体の成長とともに社会で生きていくために必要な機能が
成長段階に沿ってどんどん発達していく大切な時期です。
睡眠リズムが正しく形成されないと、脳の発達にも関わっているドーパミン神経系や
セロトニン神経系などの脳内ホルモンの伝達の発達にも支障が出てきます。
ドーパミンはやる氣を出し、前頭連合野を発達させます。
セロトニンは感情をコントロールして、親子・家族関係や社会に関わるなど
環境に適応していくために必要なホルモンです。
実際に問題行動を起こす子どもは、セロトニンが不足している事が明らかになっています。
それは母親から見ると育てにくいと感じたり、子どもとコミュニケーションが上手くとれなくて
大きなストレスや不安になると思います。
子どもの持って生まれた性格だと決めつけず、生活習慣や食事を見直してみてください。
人間はもともと昼間に活動して夜は眠るように出来ているのですが、
親の生活習慣が乱れていると、子どももその影響を受けてしまいます。
幼いうちは親の作った環境の中で過ごしますので、親は子どもの睡眠にしっかり配慮して
早めに寝かせる事が大切です。
日本人の平均睡眠時間は世界一短いと言われますが、子どもの睡眠時間も短くなっています。
中学生以上になると、テレビやスマホ、ゲームをするなどの時間が増えるため
就寝時間が遅くなり、睡眠時間が削られてしまっているのです。
こうした生活リズムの乱れは、勉強や食生活にも大きなマイナスになってしまいます。
夕食の時間が遅くなったり、深夜に夜食を食べると、就寝時間までの間隔が短いため
消化や代謝に障害が出てしまいます。
その影響が翌朝に出て、寝起きが悪い、朝食を食べたくないとなってしまうのです。
夜遅くに寝ると、翌朝の目覚めも悪く、それが朝食を抜いたりする行動に繋がります。
朝食を食べない人は、消化機能が上手く働かず食べられないか
起床時間が遅いため食べる時間がとれないといった理由が挙げられますが、
どちらも生活リズムの乱れや遅い時間の夕食に原因があります。
精神科の専門家によれば、朝食を食べない人は食べる人に比べて感情の落ち込みや不安定になりやすい傾向があります。
一方、穀物中心の朝食を食べている人は脳の栄養となるグルコースが供給されるため
感情の乱れが少ないのです。
また、朝食を食べない人は体のだるさや疲労を感じやすく、これは脳に栄養が行かないために起こります。
日本の高校生の6割以上は昼間に眠氣を感じていると言われており、
学習意欲の低下に影響するのはもちろん、眠氣を紛らわすために喫煙を始める場合もあります。
喫煙の習慣は若い頃から始まる事が多く、一生の健康を左右すると言っても過言ではありません。
専門家が行った調査によると、朝食を食べない人には喫煙と飲酒をする人が多く、
夜更かしが食事の乱れにも繋がっている事が伺えます。
それは大人だけでなく、中学生も朝食を食べない人に喫煙者や成績がふるわない生徒が多い事が明らかになっています。
特に子どもの頃は正しい生活リズムで過ごす事が重要です。
脳の発達に支障が出ると、様々な行動や精神に問題が表れます。
ドーパミンやセロトニンが不足するため、やる氣が無く、
感情コントロールが上手く出来なくなってしまいます。
学習意欲が低下して勉強の結果が出なかったり、
親子関係が良くない、いつも体がだるい、遊ぶことにも没頭できない・・・
学校に行っても家に帰っても楽しみや嬉しさを感じられないと
子どもには大変大きな苦痛となり、将来にも希望が持てなくなるかもしれません。
睡眠リズムは日常の行動や考え方に直接影響しますので、
子どもの頃に正しいリズムを身につける事が大変重要であり、
それは両親や家族にとって重要な役割です。
山本和佳