【一般無料】人間の持つ力を守る(健康基礎講座)

・人間独自の性質

・生き物として大事な判断を誤らないために

人間は動物の中でも特異な性質を持っています。

他の動物と同じように本能を持っていますが、それを抑えて行動することも出来るのは、人間独自の能力です。

霊長類の中でも特に人間の脳は大きく、中でも前頭葉が発達しています。

そのため想像したり、コミュニケーションに言葉を使い、相手の様子を見ながら
思いを言葉に表して対応するなど、普段から脳をたくさん使っています。

人間は言葉や文字などのコミュニケーションツールも生み出しました。

さらに電話、出版物、インターネットなど言葉や文字を伝達する手段もたくさん作り、
社会は飛躍的に便利になりました。

人間が文明を築いたり、快適さを求めて道具を作ったり
環境を変化させてきたのも、前頭葉の働きが大きく貢献しています。

人間が社会で生きていくには、前頭葉の機能を抜きにして成立しません。

満足できるかどうか、充実しているかなど精神活動も前頭葉の働きにかかっています。

●前頭葉の働き

前頭葉は脳の中でも人間らしさを司る場所です。

その役割は、考えること、コミュニケーション、行動や感情をコントロールする、
集中する、やる氣を出す、記憶する、応用するなど様々です。

どの役割も大変重要で、人間が生きていく為に欠かせない事ばかりです。

前頭葉の機能が低下すると、物忘れがひどくなる、思考力が低下する、
感情的になる、キレやすくなる、やる氣が無くなるといった形で表れます。

●前頭葉の判断する力

人間が何かを判断するとき、計算機のように単純ではなく
色々な要素が絡んでいます。

たとえば、「1+1=2」のように1つしか答えが無い問いを求められた時は
前頭葉の働きは必要とされません。

正しい解答が無い中で決断するとき、前頭葉が働きます。

そうした機会は頻繁に訪れ、もう無意識のうちに判断を下しています。

「明日はどの服を着て行こうか?」

「今日の夕飯は何にしよう?」

このような問いかけから出た答えは、人それぞれ異なります。

また、同じ人でもその時の状況や氣分によっても判断した結果は変わります。

生きて行く中では、変わっていく状況の中で判断する事の方が圧倒的に多く、
計算機のように問いと答えが常に変化しない条件の元で
答えを出す事の方が少ないはずです。

日常の些細な事から、人生を左右するほど大きな決断に至るまで
人間はこうした変化し続ける状況の中で次々に判断をしています。

着る服を決めるという日常の中の決断も、前頭葉の働きによって行われています。

しかし認知症になると、こうした判断力が衰えて、自分で意思決定するのが困難になります。

認知症になった人を見て、周囲の人は人格が変わったように感じるのも
前頭葉が脳内を上手くまとめられず、バランスのとれた調和が崩れてしまうためです。

●前頭葉は傷つきやすい

前頭葉は脳疾患の影響を受けやすい性質を持っています。

例えば脳腫瘍が出来ると、それが前頭葉から離れた場所であろうと
その距離に関係無く、前頭葉の血流が低下する事が明らかになっています。

血流の低下は営養や酸素供給量の減少を招き、それが脳機能の低下に直結しています。

また、セロトニンは前頭葉以外にも脳内の色々な場所にありますが、
脳内のセロトニン量が少ないうつ病患者は、特に前頭葉の血流が下がるそうです。

前頭葉は脳内の働きをまとめるといった、オーケストラの指揮者のような役目をしていますが、
様々な場所と繋がっているため、各部が受けた障害の影響を受けてしまいやすいとも言えます。

●前頭葉も食事や生活習慣の悪影響を受けている

前頭葉は脳内の他の部分が負った障害の影響を受けやすいと述べましたが、
食習慣や生活習慣の乱れが脳にも悪影響を及ぼしています。

肉、動物性たんぱく質、白米、白砂糖、農薬、食品添加物などを食べると血液を汚します。

汚れた血液が脳に送り込まれると頭痛、記憶力、精神不安定など脳の機能に問題が起きます。

それが脳内の前頭葉以外の部分でも、間接的に作用して前頭葉の機能が低下する可能性は十分にあります。

人間らしさを司っている前頭葉の機能が低下するということは
人間らしさが失われていくという事です。

衝動を抑えられなくなり、社会的に受け入れられない行動(暴力や犯罪)に繋がりやすい。

また、犯罪者の間では、頭部外傷を負っている人の比率が一般の人と比べて非常に高く、
特に暴力的な犯罪者に際立っています。

たとえ前頭葉が直接傷つけられていなくても、前頭葉との連携が上手くとれなくなり、
結果として機能に問題が生じる事もあります。

犯罪というと極端に感じるかもしれませんが、そこまで行かなくても
トラブルを起こして人間関係や仕事に支障が出てくると、社会の中で生きるのが非常に困難になってしまいます。

血液を汚さない食事に改善していく事は、人間の健全な生活を支えとなります。

洋食やファーストフードが当たり前にある世の中に生まれてきたら
ほとんどの人は、それらが体に悪いという事を後で知る事になります。

「玄米の胚芽には営養がたくさんあるから、健康な体を作る」

「ファーストフードを食べていると、体が脆くなる」

例えばこのような話を聞いて、もし全く響かないとしたら
その人の前頭葉の判断力はかなり衰退しているかもしれません。

知らないうちに人間らしさを失っていくというのは怖い事です。

人間の想像力を狂わせるほどの悪影響を不自然な食べ物は持っています。

腐ったものを食べれば、当然お腹を壊しますが、ファーストフードやお菓子などは
たいていお腹を壊すことなく食べれてしまう。それが怖いところです。

安価で、どこでも買える。味の刺激が強く、ほとんど噛まなくても食べれてしまう。
その上、病みつきになるように様々な仕掛けがなされています。

しかし、先に挙げたような前頭葉に表れる悪影響を思い返せば、
危機意識を持って避けようとする行動に繋げられます。

また、生き物として正常な判断が出来なくなっていることも深刻な問題です。

例えば自分の体に必要なものが分からず、選択出来ないのは
体と脳がバラバラになっている状態です。

自然界に生きる動物は、何をどれだけ食べればよいか適切に判断していますが、
現代的な生活をしている人間は、そのような判断能力が衰えてしまっています。

それは健康上深刻であり、直さなければ子どもへ引き継がれてしまいます。

少しでも人間らしさを取り戻すなら、人間の体が必要とする食べものを
食べる生活に変えていく事が大事です。

山本和佳