玄米について学ぶ~フィチン酸について1~

玄米の中にフィチン酸という成分があります。
フィチン酸は、ミネラル欠乏症を引き起こす?体内のカルシウムが不足しやすくなりカルシウム不足や骨折がしやすくなる?
そういう風に言われる一方で、
強い抗ガン作用がある、農薬や化学物質などを排泄する力がある、肝臓や糖尿病には欠かせない、などなど…フィチン酸について、賛否両論の意見があります。
良くも悪くも云われるフィチン酸ですが、本当のところは一体どうなのでしょうか。
今回は、フィチン酸と、その中に含まれる肝臓や、糖尿病治療に今注目されている成分について解説していきたいと思います…。

【フィチン酸とは】
フィチン酸は別名「IP6」と呼ばれている、ビタミンBの仲間です。
イノシトール(I)を中心にして、リン酸(P)が6個、エステル結合(くっつくこと)をした「糖」の一種です。

IP6(フィチン酸)は人間を含む、ほとんどすべての動物の体内にあり、「細胞機能を制御する」大切な役目があります。
植物の中では、根を伸ばしたり、花を咲かせたりするのを手伝ったりしますが、主な仕事は「植物の必須栄養素」植物の体内に取り込んで、栄養が多すぎたり少なすぎたりしないよう、バランスをとることといわれています。

そのフィチン酸の中に、イノシトールという成分があります。
イノシトールは、現代病に真っ向から立ち向かってくれる今注目の成分といわれています。

【イノシトールとは】
フィチン酸の中心核にあるのがイノシトールです。

イノシトールとは、ビタミンとしては正式に認められていませんが、ビタミン様物質として、ビタミンに近い働きがあることで知られています。

イノシトールの働きとしては、神経細胞と神経細胞の隙間に多く含まれており、細胞と細胞の間で信号のやりとりを補助しています。

また、イノシトールは、肝臓によい成分として知られ、治療にも使われています。

イノシトールによってコレストール値を下げたり、肝臓に脂肪がたまるのを防いだり、脂肪とコレステロールの代謝に作用したり、脳細胞に栄養を与えるなど、大切な役割を果たしています。

糖尿病を発症している人は、神経異常が現われる前から神経に含まれるイノシトールが減少している事が多いとも言われています。イノシトールは、糖尿病で損傷を受けた人の神経に刺激を送ることもできるからです。

さらに、人間の体内でも作られていて、お母さんの初乳には特に多く、乳児の成長には欠かせない成分です。

イノシトールは、豆や穀物類に多く含まれています。
イノシトール含量(mg/100g)

豆(緑)55~193
豆(白)283~440
豆(赤)249
エンドウ116~235
アーモンド278
ピーナッツ133~304
ジャガイモ97

また、果物や野菜などにも多く含まれています。
このように、様々な食物から摂取する事ができるイノシトールですが、米が主食の日本人は主食のお米からも摂取できます。

イノシトールはフィチン酸の中心にあり、そのフィチン酸は特に、糠(ぬか)の部分に多く含まれています。
玄米についている糠の魅力は、こんなところにもあったのですね。

玄米を食べると、イノシトールを摂取でき、現代病といわれる糖尿病や肝臓病などを予防することが期待できます。

それでは、本日ご紹介したイノシトールの主な作用をまとめたいと思います。

〇脂肪肝を防ぐ
〇血中コレステロール値の上昇を防ぐ
〇脳細胞に栄養を供給
〇健康な毛髪の維持(抜け毛を防ぐ)
〇湿疹を予防

他にも様々な効果・効能が現在も研究されている今注目の成分です。

次回もフィチン酸について学んでいきたいと思います。

(つづく)

川野 ゆき