玄米について学ぶ~フィチン酸について2~

玄米の中にフィチン酸という成分があります。
フィチン酸は、ミネラル欠乏症を引き起こす?体内のカルシウムが不足しやすくなりカルシウム不足や骨折がしやすくなる?

そういう風に言われる一方で、強い抗ガン作用がある、農薬や化学物質などを排泄する力がある、肝臓や糖尿病には欠かせない、などなど…フィチン酸について、賛否両論の意見があります。
良くも悪くも云われるフィチン酸ですが、本当のところは一体どうなのでしょうか…。

【フィチン酸とは】

フィチン酸は別名「IP6」と呼ばれている、ビタミンBの仲間で、イノシトール(I)を中心にして、リン酸(P)が6個、エステル結合(くっつくこと)をした「糖」の一種です。
(フィチン酸、イノシトールについては前回の記事をご参照下さい。)

今回は、フィチン酸の中のリン酸についてお話したいと思います。

【リン酸】
イノシトールの周りを囲むように存在しているのが、6つのリン酸です。

リンは、植物の必須栄養素としても知られています。

イノシトールを中心に、周りにあるこの6個リン酸はまるで腕のような存在です。
例えば、体内に吸収された有毒な金属を絡めとり、体外に排泄する効果が知られています。
(キレート作用)

ウラニウムのような放射線物質による放射線被曝の治療法としてIP6の可能性を検討した研究報告もあります。

そのリン酸ですが、有毒な金属も絡めとる他に、各種ミネラルをがっしりとくっつけてしまうので、消化しにくくなるのではないか…と、そのことがフィチン酸が、ミネラル欠乏症を引き起こすと云われる所以となっています。

けれど、フィチン酸でミネラル欠乏症がおこり、例えば体内のカルシウムが不足しやすくなりカルシウム不足や骨折がしやすくなるとしたら、玄米菜食の人は皆カルシウム不足なのでしょうか。

もっというと、日本人は古来からずっと玄米を食べてきました。
白米に変わったのは江戸時代という、日本人の歴史から見たらほんの最近の出来事です。

フィチン酸により、ミネラルがくっついてしまうと、消化できない状態、つまり、分解されにくい状態になります。
消化吸収できなければ、せっかくのミネラルも無駄になってしまいます。

ですが体は、長年食べ続けてきたものを消化し、栄養として吸収できるように作られています。

玄米を食べ続けてきた歴史のある私たちの体は、フィチン酸があっても、ミネラルを吸収できるように体が設計されているのです。

その鍵を握るのが、「フィターゼ」という酵素です。

次回はこのフィターゼについてお話したいと思います。

川野 ゆき