一般無料「食物繊維と腸内発酵」健康基礎講座

・食物繊維について

・腸内発酵によって生まれる○○○○○

・腸内環境は心の状態も表す

腸は全身の免疫の70%を担っています。

腸内環境の状態が、そのままその人の健康状態を表しています。

そして、腸は「第二の脳」とも呼ばれます。

独自で判断して動いたり、脳と連絡を取り合うことが盛んに行われていて、
そこには腸内細菌が深く関わっています。

現代人の食生活は、動物性脂肪や加工食品などの食べ過ぎによって
腸内細菌のバランスを崩してしまっていますが、
その背景に食物繊維の摂取量が激減してしまったことも大きな原因です。

●食物繊維について

食べたものは消化器官を通りますが、全てが消化・吸収されるわけではありません。

食物繊維は人間の消化酵素ではほとんど消化されないため、昔は食べかすとされていました。

しかし、食物繊維は心身の健康や病氣の予防において、重要な役割があると分かってきて
今では食物繊維が体に良いというイメージがかなり世間に定着しました。

まず注目したい点は動脈硬化、高コレステロール血症など血管の病氣を予防する点です。

食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。

水溶性食物繊維は胆汁酸の再吸収を抑えて、コレステロール値を下げる効果があります。

胆汁酸とは脂肪を溶かす消化液で、コレステロールを原料として肝臓で作られています。

脂肪を消化・吸収する時に十二指腸へ胆汁酸が分泌され、
役目が終わると再吸収されて肝臓へ送られます。(腸肝循環)

水溶性食物繊維は水を吸収して、ゼリー状に大きく膨らむのが特徴です。

そして腸内で胆汁酸を吸着して、便と一緒に排泄します。
すると体内の胆汁酸が減ってしまうため、肝臓はまた胆汁酸を作ろうとします。

この時に血中や肝臓にあるコレステロールを材料として使われるため、
コレステロールが低下する、というしくみです。

コレステロールはもともと体にとって必要なものですが、
動物性脂肪や加工食品に含まれる質の悪い油の摂り過ぎによって
体内で過剰になると、肥満や生活習慣病のリスクが高くなります。

他にも水溶性食物繊維には、脳血管疾患や胆石などの予防効果もあります。

<水溶性食物繊維を多く含む食べ物>
りんごやバナナ、キウイなど熟した果物。
海藻類、こんにゃく、山芋

もう1つの不溶性食物繊維は水分吸収作用が高く、保水力も高いのが特徴です。

水を吸うと数十倍にも膨らみ、腸の蠕動運動を促して
食べ物の残りかすを素早く排泄させます。

さらに便の量を増やして柔らかくしますので、便秘の改善にも効果があります。

また、腸内の有害物質を吸着して排泄します。

腸内で発生した有害物質、食べ物と一緒に入ってきた化学物質、有害金属などが
留まる時間が長いほど、がんを始めあらゆる病氣を引き起こします。

不溶性食物繊維が不足すると便秘を引き起こし、便が小さく固くなります。

すると腸壁の筋肉に負担がかかって大腸憩室炎になるリスクが高くなります。
他にも虫垂炎、下肢の静脈瘤、痔核、脱肛などを引き起こします。

<不溶性食物繊維が多く含む食べ物>
ほとんどの植物が有している。
玄米など全粒穀物、豆類、根菜類、野菜類、きのこ類に豊富。

食物繊維は生活習慣病を予防する上でも、無くてはならない営養成分です。

ただ、動物性脂肪など摂り過ぎると、せっかくの食物繊維の効果が得られず、
やはり腸は詰まってしまいます。

玄米菜食をして良質の脂質を摂ることが、食物繊維の効果を最大限に享受できます。

●短鎖脂肪酸

それ以外にも食物繊維は腸内で大変重要な働きをしています。

腸内の善玉菌のえさになり、セロトニンやドーパミンの分泌に関わっていて
その人の幸福感に大きく影響しています。

それだけではなく善玉菌が食物繊維を発酵させて、短鎖脂肪酸を作っています。

短鎖脂肪酸とは、酢酸やプロビオン酸、酪酸といった炭素数6以下の有機酸を指します。

オリゴ糖、でんぷん、食物繊維を適量食べた時に腸内で発酵が起きます。
この腸内が発酵状態の時に短鎖脂肪酸が生まれます。

短鎖脂肪酸を作り出す善玉菌は何種類もあるため、
ある細菌だけ多ければ良いのではなく、腸内細菌全体のバランスが大事です。

特定の食材だけを食べてもダメで、食事全体で営養が摂れていることを重視しましょう。

短鎖脂肪酸のうち95%は大腸の粘膜から吸収されて、
全ての消化管と臓器の粘膜上皮細胞の形成や増殖を担っています。

もし短鎖脂肪酸が足りないと、大腸壁の維持が出来なくなって隙間ができ、
そこから細菌や有害物質が体に入ってしまいます。

他にも以下のような働きがあります。

・炎症を抑える
食物繊維を発酵させて短鎖脂肪酸が作られる過程では水素が発生します。

この水素は体内の活性酸素を消去しますので、
体内の炎症を抑えて多くの病氣予防にもなります。

・粘液の分泌
胃液、膵液、胆汁といった消化液、唾液、涙、鼻水のような体液の分泌に関わっている。
もし短鎖脂肪酸が不足すると、これらの分泌が悪くなり、体中に問題が起こる。

例えば胃液が出にくくなると、胃酸がダイレクトに胃壁に触れてしまう。
また、唾液が出にくくなるとドライマウスになったり、口の中で雑菌が繁殖してしまう。

・腸内を弱酸性にする
善玉菌が住みやすい弱酸性にして、殺菌力を高めます。
また、悪玉菌の増殖を抑えます。

・脂肪の蓄積を減らし、肥満を防ぐ
肥満の人の腸内には短鎖脂肪酸が少ないため、すぐに食事改善する必要がある。

・体の活動エネルギー源になる
細胞内のミトコンドリアに働きかけ、エネルギーを活性させる。

短鎖脂肪酸は、腸管の細胞からセロトニン分泌を促します。

セロトニンはもともと腸内細菌同士の伝達物質だったと言われています

地球上の生物の進化の過程では、腸が先にできました。
実際に脳が無い生物はいても、腸の無い生物はほとんどいません。

腸を強くして免疫力を上げ、強い体を作ります。
その結果、食中毒、炎症、食物アレルギー、動脈硬化、がんなどを予防してくれます。

先にも述べました通り、食物繊維の効果は玄米菜食の食事をすることで効果が大きく表れます。

穏やかな心、幸福感、物事に向かうやる氣も食物繊維の摂取量と関係があります。

実際に、うつ病の人は幸福ホルモンのセロトニンの分泌が少ない傾向がありますが、
食事の改善によってセロトニンの分泌を増やすことは可能です。

毎日の食事から、健康な体と心を作りましょう。

山本和佳