・ストレスに強くなる
・健康にも幅広く貢献している
・オキシトシンを増やす習慣
幸せを感じる時、楽しい時は感情も高揚しますが
体内ではホルモンが分泌されています。
わたし達はホルモンを直接目にすることはありませんが、
感情や行動に大きく影響しています。
また、心身の健康状態にも深く関わっています。
今回は体の健康に関わり、幸せを感じる時にも分泌されるホルモンについてお話し致します。
●オキシトシンとは
オキシトシンは脳の視床下部から分泌されるホルモンです。
オキシトシンが分泌されると、以下の4つの作用が起こります。
①セロトニンとドーパミンの分泌を促す
幸せホルモンと言われるセロトニンと、やる氣を出すドーパミンの分泌を促します。
また、セロトニンがオキシトシンの分泌を促す働きもあり、相互に作用しています。
②ストレスがかかると分泌されるCRFを抑える
ストレスを受けた時に視床下部より分泌されるCRFというホルモンの分泌を抑える。
CRFはストレスホルモンの前駆体となる物質で、オキシトシンの働きかけによって
ストレスに強くなる。
③GABAの分泌を促す
GABAにはストレスを和らげ、興奮状態を落ち着かせる作用があります。
④エンドルフィンの分泌を促す
エンドルフィンは脳内麻薬とも呼ばれ、体の痛みを和らげる。
●ストレスに対応するオキシトシン
オキシトシンが十分に分泌されると、ストレスに強くなります。
では、ストレスとは体にどのように影響するのでしょうか。
ストレスを感じると、脳の視床下部から指令が出て、
腎臓のすぐ上にある副腎からコルチゾールとアドレナリンが分泌されます。
アドレナリンからノルアドレナリンが作り出されて、交感神経を刺激して
ストレスと闘う準備をします。
コルチゾールは闘うために必要なエネルギーを蓄え、
ストレスによる脳機能や血糖値の低下を防ぎ、免疫力を上げます。
このように体にはもともとストレスに対応するシステムが備わっているため、
ある程度のストレスを受けても、上手く対応しながら健康な状態を保つ事が可能です。
しかし、ストレスを長期間受け続けたり、ストレスの性質が複雑だったり多様になると
ストレスを防御するシステムが正常に機能しなくなります。
防御システムが過剰に働いて、ノルアドレナリンやコルチゾールが大量に分泌され続けます。
すると、落ち着きが無くなったり、キレやすく攻撃的な行動に出たり、
血圧や血糖値の上昇、免疫力の低下、自律神経の乱れなど体中に支障が表れます。
このような非常事態を救ってくれるのがオキシトシンです。
オキシトシンは脳の視床下部へ働きかけ、ノルアドレナリンやコルチゾールの
前駆体となる物質の分泌を抑えます。
ストレスが病氣の原因になると言われるのは、まずストレスを防御するシステムが
正常に機能しなくなり、慢性的な体調不良を招くためです。
現代人が受けるストレスには、じわじわと長期的に続く場合も少なくありません。
自覚していなくても、ストレスが溜まっていることもあるのです。
オキシトシンをどんどん出して心身の健康を守りましょう。
●オキシトシンの効果
オキシトシンの効果は幅広く、病氣の予防にも貢献しています。
以下に簡潔にまとめました。
<胃腸を丈夫にする>
ノルアドレナリンやコルチゾールが過剰に分泌されると、
交感神経が優位になって体の活動が盛んになります。
その一方で、消化管の活動量は低くなります。
ストレスを溜めた時は食欲が沸かず、
食べ物が喉を通らない経験をされた方もいらっしゃると思います。
先にも書きましたように、オキシトシンはノルアドレナリンやコルチゾールの
分泌を低くしますので、胃腸の働きも回復します。
<自律神経を整える>
現代人は交感神経がずっと優位になっている人が多いです。
ストレスが過剰になると風邪を引きやすくなるのは、
自律神経のバランスが崩れて、免疫力が下がるためです。
オキシトシンには交感神経の昂りを抑えて、副交感神経の働きを上げる働きがありますので
現代人が抱えている自律神経の問題を解決するために必要です。
睡眠不足も交感神経の働きが過剰になって、免疫力を下げてしまいます。
<血圧の低下>
交感神経の過剰は、血管を収縮させて血圧を上昇させます。
この状態が続くと、血管壁に傷がついてしまいます。
その傷に血液中の血小板や赤血球が引っかかって、血栓が作られます。
ストレスによる高血圧にもオキシトシンが効果的に働きます。
副交感神経が優位になりますので、血管を広げて血圧を下げてくれます。
<血糖値の低下>
2つのストレスホルモンは、血糖値を上げます。
さらに、血糖値を下げるインスリンというホルモンの分泌を抑える作用もあります。
ストレスを受け続けると、血管壁に傷がついてしまいます。
その傷に血中の血小板や赤血球が引っかかると、血栓が出来やすくなります。
オキシトシンには食欲を抑える作用もあると言われています。
アドレナリンやコルチゾールを抑え、インスリンの機能を正常にすることで
糖尿病にかかるリスクを下げることが可能になります。
●オキシトシンを増やす行動
ストレスに強くなり、免疫力も上がるなら、是非ともオキシトシンを増やしたいと思うでしょう。
子どもから大人まで、日常の生活の中でオキシトシンを増やすことが出来ます。
<朝日を浴びる、散歩>
朝日を浴びたり、散歩をすると、オキシトシンもセロトニンも増えます。
歩くことで心肺機能が向上して呼吸が深くなるので、
さらにオキシトシンの分泌が促進されます。
<親切な行動>
人に親切にしたり、善い行動をするとオキシトシンが増えます。
それだけでなく、親切なふるまいをしている人を見た時もオキシトシンは増えます。
例えば、電車の中で席を譲っている姿を見て優しい氣持ちになったような事を
多くの方が経験していると思います。
このように直接相手に触れなくても体内で増えるホルモンは、オキシトシンのみです。
<一家団欒>
家族で食卓を囲んで食事をする時間は
同じ料理を一緒に食べ、会話もする大切なコミュニケーションの場です。
一家団欒は、子どもにとってもオキシトシンを増やす良い機会です。
子どもの頃にオキシトシンが増える経験を積み重ねていると、大人になっても
オキシトシンがしっかり分泌される場合が多いのです。
しかし、子どもの頃に親子で触れ合う経験が少ないなど、オキシトシンの分泌量が少なくても
オキシトシンが増える習慣を続けていけば、後で増やすことは可能です。
愛情ホルモンとも言われるオキシトシン。
人と交流をするときは、自分も相手もオキシトシンが増えています。
<ツボを刺激する>
ツボを押すと心地よい感覚刺激が脳に伝わり、オキシトシンが分泌されます。
特に効果の高いツボをご紹介します。
合谷(ごうこく)
親指と人差し指の間の骨が交差する場所にあるツボ。
目、鼻、歯の痛みやストレスに効果が高い万能と言われるツボです。
足三里(あしさんり)
膝の皿の下から指4本下がった場所にあるツボ。
これらのツボは自律神経を整える効果があり、オキシトシンを分泌します。
他にも音楽を聴く、スポーツ観戦、人とのコミュニケーション
美しい景色を眺める、感謝することもオキシトシンを増やします。
いかがでしたでしょうか。
オキシトシンを増やす手段はたくさんあり、どれも簡単に試せます。
朝起きた時や夜寝る前、または外出先で出来るものもありますので
場所や状況によって使い分けると良いでしょう。
人類が生き延びて来られたのは、オキシトシンも大きな力になっていたことでしょう。
苦しくて辛い時、仲間と時間を過ごしたり、家族と触れ合いの時間を持ったり、
体を動かすことによっても、辛い氣持ちを和らげていました。
オキシトシンを増やす習慣を続けて、生きる力を強くしましょう。
山本和佳