一般無料「人間らしさを保つ脳の働き」健康基礎講座

・前頭葉の働き

・スマホの使いすぎで脳の発達が止まる!?

・目の前の物に関心を持つ大切さ

人間は他の生物よりも脳が大きく発達してきました。

想像を膨らませてアイデアを出したり、感情をコントロールするのは
人間独自の能力で、人間らしさに関わっているのが脳の前頭葉という部分です。

前頭葉が損傷してしまうと、人とのコミュニケーションが出来なくなったり、
社会の中で生きていくことが難しくなってしまいます。

●前頭葉の働き

前頭葉の働きは、とても多様性があります。

例えば、曖昧さの中での選択も前頭葉の大切な役割です。

次のような質問は、子どもの頃に出会ったことがあると思います。

・1+1=?

・太陽はどちらの方角から昇るのか?

これらは正解が1つと決まっています。
学校のテスト問題に多く出されるような問いのタイプです。

一方で次のような問いは、正解は1つではありません。

・今日は何色の服を着ようか? 上着を羽織った方が良いだろうか。

・今夜の夕食のメニューは何にしよう?

こちらは学校のテストとは異なり、日常生活では後者のような絶対正解という答えは無く、
その場の状況によっても違う答えを出す事が非常に多いです。

状況が変われば、選択するものも変わります。

今日着る服は天氣や氣音温、好み、その日の予定を考えながら決めたり、
その日の氣分も判断材料になる時があります。

料理を作る時は、その時の体調や食欲、一緒に食べる人や
冷蔵庫の中にある食材によっても変わります。

わたし達は様々な要素が絡み合う中で、物事を選択しています。

前頭葉は、こうした正解の無い意思決定の中核と言われています。

●目的のある行動

目的や目標を持って行動する時にも、前頭葉は活躍しています。

そのプロセス流れを簡単にいうと、次のようになります。

まず行動を起こし、目標や目的をはっきりさせる。
そして、それを達成するための行動計画を立てて、実行に移す。

目標と聞くと、大きな人生の重要テーマと捉えられるかもしれませんが、
それに限らず、むしろ人間の日常生活のる所で、このようなプロセスを踏んで行動しています。

これから料理を作ろうという時。まず材料を見て何を作るか決めたり、
または先にメニューを決めて買い物に行きます。

手順を組み立て、出来上がりの味や見た目をイメージしながら、
それに近づけるよう作っていきます。

また、朝起きてから家を出るまでのプロセスも、
自分で立てた計画と行動があって成立しています。

他にも洗濯、そうじなど家事全般、仕事や学習においても同様です。

そして、実行した後は比較したり確認しています。

行動した結果は目標と一致していたか。上手くいったかどうか。
もし上手くいかなかったら、どこに原因があったのか?など。

少し堅苦しい言い回しになってしまいましたが、誰もが無意識に行っています。

料理に例えると、美味しくできたかどうか。どうして美味しく作れたのか?

もし味が今一つだったとしたら、どこを直せば美味しくなるか?

こうしたプロセスを経て確認したり修正を加えるのも、前頭葉の働きによるものです。

●スマホ依存で脳が壊れる!?

人を人たらしめている前頭葉が活発になると、意欲的に
社会へ参加

しかし、前頭葉の働きを弱めてしまうものも身近にありますので、注意してください。

その1つがスマホやタブレットなどデジタル機器です。

前頭葉の働きには誰かと共感する力もあり、これも人間らしさに関わっています。

対面で会話したりコミュニケーションを取っている時はお互いに共感が生まれますが、
オンラインで繋がっている状態では、共感が生まれにくいのです。

オンラインでコミュニケーションしている時の脳活動は、
共感する時に活発になる部分の脳反応が見られないのです。

つまり情報伝達は出来ているが、心が通わない状態です。

自分ではコミュニケーションしたり、スマホの中の世界に反応しているつもりでも
人間らしさに関わる前頭葉の働きが著しく低下してしまう。

これは、何もしないでボーっとしているのと、ほぼ同じ状態です。

シリコンバレーのIT企業トップの子ども達は、
スマホやタブレットの使用時間を厳しく制限されています。

彼らはデジタルツールはとても便利なものである反面、
それが持つ依存性や、子どもの成長にマイナスとなる事を熟知しているからです。

他にも一部ではありますが、スマホの使い過ぎは以下のような問題もあります。

・スマホやパソコンを毎日1時間以上使う子ども(幼児から高校生)は、
それほど使わない子どもと比べて、確実に学力の低下が認められる。
勉強する子どもも、スマホ使用によって学力が低下する。

・1日に1時間以上使う子どもは、脳の発達が遅れる。
さらに1日3~4時間以上使う子どもは、脳の発達がほとんど止まってしまう。

・子どもも大人も、1日1時間以上使う人には、自尊心のていか、不安や抗うつ傾向、
うつ状態のような精神的な問題が表れる。

相手との共感が生まれにくいツールを長時間使用していると、
人間らしい活動もどんどん少なくなっていきます。

また、そうするほど心が満たされなくなります。

使用時間を1日に1時間以内に留めている子どもは、
使用していない時はスマホを物理的に離すなど、簡単に触れないよう配慮しています。

●赤ちゃんも夢中にさせる!?スマホの危険性

現代は、油断すると子どもの脳の発達が危うい社会とも言えます。

子どもの脳の発達を邪魔するリスクがあるスマホやタブレット。

乳幼児でもスマホの画面でスワイプして、画像や動画に目を奪われてしまいます。

興味関心を惹きつけやすい上に、頭を使わなくても簡単に操作出来てしまうツール。

子どもがおとなしくなるからという理由で、安易にスマホを渡してしまう親もいますが、
電磁波の問題もありますし、子どもの成長プロセスを壊してしまうリスクも大きいです。

赤ちゃんはお母さんとのコミュニケーションを深めながら、周りの世界に興味を持ち始め、
色々なものに手で触れたり、時には口に入れて確かめようとします。

さらに成長するにつれて、手先を器用に使えるようになっていきます。

折り紙、おはじき、あやとり、塗り絵、お絵描きなど手指を使って遊ぶことも大切です。
指先は脳と繋がっていますので、このような遊びも脳の発達を助けます。

歩き回ったり、肢ったりしながら基礎体力がつき、
さらに行動範囲を広げて色々なものを観たり触れたり観察して
子どもの体や情緒面が成長して、好奇心も育まれていきます。

ところが、もし生まれて早い段階でスマホに夢中になってしまったら・・・?

先程の指を動かしたり、歩いたり体全体を使った運動をする時間が必然的に少なくなります。

また、既に親が長時間スマホを使用している家庭だと
外遊びを十分にさせてもらえない心配があります。

まだ幼い頃から子どもをデジタルの世界に閉じ込めてしまうと、
健全な成長を阻害してしまいます。

それを後から取り戻そうとしても難しいので、
まずは赤ちゃんの目や手が届く周りの物や人に興味を持って接するよう
赤ちゃんをとりまく環境に配慮してほしいと思います。

人間として生きていくために前頭葉の機能は大変重要な役割を担っています。

大人も前頭葉を活性させると、意欲的な活動を後押ししてくれます。

ストレスを溜め込まず、笑ったり楽しく過ごす時間を持ちましょう。

適度に体を動かすと頭がすっきりして、心理的にも楽になります。

また、営養ある食事をして、添加物や化学物質を極力避ける事も重要です。

心と体の健康にも前頭葉は深く関わっています。

山本和佳