一般無料「疲労への対応と予防」健康基礎講座

・慢性的な〇〇の疲れ

・不自然な生活が、より疲れを溜める

・腸内環境を良くする食べ物は負担も少ない

疲れというと、肉体労働や頭を使った長時間労働から来るものという
イメージを持たれるかもしれません。

しかし、実はそれ以外にも内臓の疲れも体に負担をかけているのです。

●炎症に対応する器官

例えば暴飲暴食をすると、胃腸に負担がかかります。

しかし、体内の各器官は連携をとりながら働いていますので、
実はそれ以外の器官にも過剰労働を強いています。

食べたり飲んだりした後、それらが体内で消化されていく過程は
思っている以上に、体は酷使されています。

そのような状態を何とか回復させようと働くのが
副腎という縁の下の力持ちのような器官です。

副腎は腎臓の上に位置する小さな器官で、
ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールを分泌します。

コルチゾールは早朝に最も多く分泌され、1日のリズムを作ります。

筋肉をアミノ酸に分解して、肝臓でブドウ糖を合成したり、
起床時に低くなっている血糖値を上昇させます。

コルチゾールは交感神経を活性させて緊張状態を保つほか、
脈拍や血圧を上昇させて覚醒を促します。

また、コルチゾールは体内の炎症を抑える働きもあります。

●疲労の要因は腸内の炎症

副腎を酷使している人は、だいたい腸内に炎症が起きています。

その炎症が続くと、腸に穴が空いてしまいます。

通常、食べたものは分解されて、小腸から営養として吸収されます。

この時に腸壁の上皮細胞では、体に吸収するものと吸収しないものに選別されます。

そして、体に必要と判断されたものはさらに細かく分解され、
腸壁から体内へ吸収されていきます。

しかし、リーキーガット症候群になると腸壁に隙間が空いてしまうので、
そこから有害物質や老廃物など吸収すべきでないものも腸壁を通り抜けて
血液に入り、全身を巡ります。

腸内環境は食生活の乱れやストレス、睡眠不足などにより悪化します。

すると、腸も含め体内で炎症が起きやすくなります。

副腎はその炎症を抑えようとして、さらにコルチゾールを分泌します。

しかし、コルチゾールをたくさん分泌しても、食生活など炎症の原因を
改善しないままだと、腸内の炎症は解消されず、
リーキーガット症候群を引き起こしてしまいます。

こうして副腎が酷使され続けると、
ついにはコルチゾールを分泌できなくなる事もあるのです。

腸内で悪玉菌を増やす要因はいくつもあります。

<ストレス>

ストレスが増えると、腸内環境が乱れてしまいます。

ストレスにより緊張状態が続くと、自律神経の交感神経の方が優位になり、
腸内で悪玉菌が増えます。

悪玉菌も体にとって大事ですが、バランスが崩れると腸内で腐敗が進みます。

<食生活の乱れ>

暴飲暴食、肉食、食品添加物など体が必要としない不自然なものも
腸内環境を悪くします。

腸内で発酵して善玉菌を増やすには、玄米菜食の食事をしましょう。

また、暑くなると冷たい飲み物を飲む量が増える人もいるかと思いますが、
腸が冷えて蠕動運動が低下し、悪玉菌が増えやすくなりますので
飲み過ぎには注意してください。

その他にも、医薬品は腸内の菌を死なせてしまいます。
症状に対処するよりも、原因を取り除いて予防に努めましょう。

体内の炎症を抑えるためには、まず腸の炎症を起こさないようにする事が大切です。

●甘いものの食べ過ぎにも注意

先に甘いお菓子(砂糖)が悪玉菌を増やすとお伝えしました。
甘いものは、色んな意味で体に良くありません。

その理由の1つにカンジダ菌の増殖が挙げられます。

カンジダ菌は真菌の一種で、もともと腸内に存在していますが、
甘いものを食べると、腸内でカンジダ菌が増殖して悪玉菌を増やしてしまいます。

カンジダ菌が増殖すると、腸の細胞の組織を溶かして腸に穴をあけて根付きます。

さらに増殖すると、腸壁が荒れてリーキーガット症候群を引き起こします。

腸内のカンジダ菌は、ピロリ菌とも関係があります。

よく知られているように、ピロリ菌は胃粘膜に存在している菌です。

ピロリ菌に感染すると胃粘膜の収縮が起きて、胃酸や消化酵素の分泌が少なくなります。

胃酸は食べ物を消化するほかにも、
食べ物と一緒に入って来た細菌類を殺菌する役目もあります。

しかし、胃酸が不足すると胃の中のpHはアルカリ性に傾き、
食べたのが十分に殺菌されないまま、腸へ流れていきます。

つまり、本来なら胃で殺菌されるはずの菌も腸へ入ってしまうため、
腸内もpHバランスを崩して、悪玉菌が増殖しやすくなるのです。

これもカンジダ菌を増やして、リーキーガット症候群の原因になります。

●小麦と牛乳

日本に欧米の食事が入って来てから、日本人の病氣が増えました。

小麦と牛乳は、洋食の料理に必ずと言ってよいほど使われています。

しかし残念なことに、これらもリーキーガット症候群のリスクを高めます。

まず、小麦にはグルテンが含まれます。
このグルテンが、腸に穴を空ける因子となっているのです。

グルテンに含まれるグリアジンというタンパク質が、そのきっかけを作ります。

1つはゾヌリンというタンパク質を誘発させ、腸壁の隙間が出来てしまう事。

2つめは、免疫反応を引き起こしてアレルギー症状が出やすくなる事。

そのため、小麦や小麦製品は腸に穴を空けて血液を汚し、
アレルギー症状を引き起こしたり、体内の炎症を引き起こします。

パン、うどん、ラーメン、パスタ、ピザ、クッキー、
ドーナツ、ケーキなど食事にもお菓子類にも、小麦がたくさん使われています。

さらに見落としがちですが、天ぷらや揚げ物の衣、餃子の皮などにも使われています。

もう1つの牛乳にはカゼインが含まれています。

牛乳に含まれる乳糖は、特にアジア系民族ではほとんどの人が
その分解酵素を持っていないため、消化不良を起こしやすいのです。

もし分解したとしても、分解して出来たブドウ糖は
腸内でカンジダ菌を増やしてしまいます。

牛乳のほかにもバター、チーズ、ヨーグルトなど乳製品も
腸に穴を空けるリスクが高いです。

さらに小麦と牛乳の生産過程で使用される残留農薬や抗生剤も
リーキーガット症候群の原因になります。

現代人は食生活の乱れなどによって、内側からも疲労が起きやすいです。

特にこれから氣温が高い季節は、食欲も落ちやすくなりますので
腸内環境を悪くする食べ物は控えましょう。

体内の様々な器官への負担が減る事にも繋がりますので、体が楽になります。

腸内の善玉菌を増やす食事は、代謝を上げますので疲れにくくなります。

食後に胃腸が比較的軽く感じられると、
日常の活動が妨げられることもなく、自然と意欲的になります。

夏野菜を食べて塩でミネラルを補給し、暑さに耐えられる体を作りましょう。

山本和佳