一般無料「活性酸素について ~Part1~」健康基礎講座

・体に有用な働きと有害な作用

・酸素はもともと有害だった!?

活性酸素は厄介者として取り扱われることが多いですが、
決してそれだけの存在ではありません。

また、なぜ酸素を必要としながら体内で活性酸素ができるのでしょうか。

それについては、生命の進化の過程が深く関わっています。

●活性酸素は生物と切り離すことができない

地球上に誕生した生命は、進化の過程で酸素を生きるための手段に変えて
上手に利用するようになりました。

実は、もともと酸素は生物にとって猛毒でした。

太古の昔、地球上にはまだ酸素は存在しておらず、生物も酸素を使わないで呼吸していました。

その後、光合成で酸素を作る生物が誕生すると、地球上に酸素がばらまかれ
多くの生物が死んでしまいましたが、それを機に進化を遂げた生物もいました。

生物の体内で酸素を材料として多くのエネルギーを得ることが
出来るようになったのです。

そして、人間のように脳が大きくて創造したり、思考するなど
複雑な機能を持つ生命体にまで進化を遂げました。

しかし、酸素が体内でより酸化力の強い活性酸素に変わることがあります。

呼吸で取り入れている酸素の2~3%は活性酸素に変わります。
これが生体を傷つけ、組織を破壊したり機能を失わせるほど強い酸化力があります。

体にとって有用な働きもすれば、有害に作用することもある諸刃の剣と言えます。

●フリーラジカルと活性酸素の違いについて

電子の手が奇数個の状態の分子をフリーラジカルといいます。

手をつなぐ相手がいない(フリー)状態、つまり不安定な分子です。
これが安定しようとして過激に(ラジカル)暴れて、周囲の分子から電子を奪い取るのです。

フリーラジカルが起こす反応は、始末の悪いことに一度反応が起きると
その後に続いて何回も繰り返し連鎖反応を引き起こし、
体内のたんぱく質や脂質など大事な成分を著しく傷つけてしまいます。

活性酸素には、フリーラジカルなものと電子が2個ずつペアになった
非ラジカルなものがあります。

フリーラジカルな活性酸素の代表は、スーパーオキシドやヒドロキシラジカル。

非ラジカルな活性酸素の代表は、過酸化脂質や一重項酸素。

分子の構造の違いはありますが、活性酸素はどれも毒性が強く
あらゆる病氣の原因となっています。

●体内のエネルギーを作る時に活性酸素が発生する

活性酸素が発生する原因はたくさんあります。

まずは食べたものが体内でエネルギーに変わる過程を見ていきましょう。

グルコース、脂肪酸、アミノ酸はエネルギー(ATP)の原料となります。

ATPは体内で行われる、あらゆる活動に関わっています。

以下の3つの回路(工場)を通り、最後に水と二酸化炭素になるまでの過程で
エネルギーを作り出します。

①解凍系(第1工場)

グルコースから作られるATP分子は2個だけですが、
急にエネルギーが必要になった時、酸素がある無しに関わらず
すぐにエネルギーを作れる利点もあります。

ここで作られたピルビン酸や乳酸は次の第2工場へ送られます。

②クエン酸回路(第2工場)

第2工場では水素を作り出します。

ピルビン酸からアセチルCoAが作られ、これがクエン酸回路を動かします。

ここで作られた水素が第3工場で酸素と反応して、大量のATPを作ります。

これは燃料電池が水素と酸素を反応させ、電氣を作り出すのと同じ原理です。

なお、アミノ酸や脂肪酸も同じように分解されて水素を生み出し、
第3工場へ水素が送られます。

③電子伝達系(第3工場)

第3工場はミトコンドリアの中にあり、多量のエネルギーを作る
発電所のようなところです。

第2工場より送られた水素はここでエネルギーを作り出す回路に渡されて、
その中で酸素と反応して水が出来る過程で、ATPを36分子も作り出します。

なんと解糖系(第1工場)よりも18倍も多くのエネルギーを作り出します。

3つの工場を通り、最終的に水と二酸化炭素ができます。
これらは、いわゆるエネルギー工場の廃棄物ですが、
体を傷つけることはありませんので、非常にクリーンな工場システムです。

酸素を使ってエネルギーが大量に生産できるになったおかげで、
生物は遠くへ移動したり、体内では臓器や各器官が連携して
働くことが可能になりました。

それに加えて人間は脳では考えたり想像するなど、複雑な働きを同時に行っています。

朝ごはんを食べると体も頭もよく働くのは、
食べた後に体内でATPがたくさん作られるからです。

特に子どもの体内のエネルギー生産工場はまだ新しく、
よく働くのでATPが早く作られます。

朝ご飯を食べるてから、学校の授業が始まるまでに
ATPがたくさん作られますので、授業に集中しやすくなります。

しかし、第3工場でエネルギーを作り出す過程では、
時々スムーズにいかないことがあり、この時に活性酸素が発生します。

●白血球が外敵から守るために活性酸素を作る

わたし達は細菌やウイルス、病原体などに囲まれて生きています。

体はそれらに対して攻撃して、体を守ろうとする仕組みを持っています。

例えばけがをして体内に細菌が侵入すると、白血球が傷口に出てきて
細菌を殺してくれます。

白血球が外敵と戦う時に武器として使っているのが、活性酸素です。

白血球の表面には酸化酵素があります。
この酵素が酸素をスーパーオキシドに変化させ、
さらに過酸化脂質→ヒドロキシラジカルへと変わり、
これらを武器として使っているのです。

また、マクロファージという免疫細胞も
活性酸素を武器にして外敵と戦ってくれています。

●代謝酵素によって活性酸素ができる

体内には、様々な酸化酵素があり、重要な働きをしています。

体内で起きる化学反応に触媒として働くと同時に、活性酸素を作りだしています。

生物は、絶えず新陳代謝を繰り返しています。
酸化反応によって必要な成分を合成したり、分解しています。

利用された酸素は電子を受け取って、別の物質に変わります。
この時に副産物として活性酸素が作られます。

ATPを作る、外敵を攻撃する、代謝の過程で作られる活性酸素。

このような体に重要な目的を果たす過程で作られた活性酸素を消すしくみが
体には備わっていて、バランスをとっているのです。

しかし、現代はそれ以外にも活性酸素を大量発生させる要素がたくさんあり、
それによって病氣が激増しています。

その詳しい内容は、次回にお伝えします。

最後になりますが、今年の夏は昨年に増して暑くなりそうですので
元氣に夏を乗り越えるために、頼りになる食材をいくつかご紹介します。

<しょうが>

生のしょうがに含まれるジンゲロールには、解熱や強い殺菌作用、
抹消の血管を拡張する作用があります。

それによって体にこもった熱を取り除き、体温調節を助けてくれます。

冷房の効いた室内と氣温の高い場所を行き来していると、
体温調節が大変で体に負担がかかり、暑いけれど冷房で体が冷えて
疲れを感じる時もあるかと思いますので、是非食事に取り入れてください。

納豆にすりおろしたしょうがを混ぜても、美味しいです。

<オクラ>

オクラに含まれるペクチンというネバネバ成分が胃腸の粘膜を保護するほか、
体の中の熱を冷ます作用もあります。

ビタミンB群、ビタミンC,カリウム、鉄、マグネシウムも含まれています。

<モロヘイヤ>

モロヘイヤもネバネバが特徴の野菜です。
こちらに含まれるネバネバ成分のマンナンも、胃腸の粘膜を保護して
消化を助けます。
漢方では、熱を冷まして体を潤す野菜と呼ばれています。

夏の最強野菜とも言われるモロヘイヤにはビタミンB群、ビタミンC、
ビタミンE、カルシウム、鉄もバランス良く含まれているので
夏バテ、疲労回復、ストレス対策など様々な効果が期待できます。

いよいよ夏本番!
今年も元氣に乗り切っていきましょう。

山本和佳