・幸せを感じる時に体内で起きる変化
・赤ちゃんの成長、お母さんとの関わり
・体にも働きかける
わたし達の体内では、常に体の健康を維持しようと働いています。
ホルモン分泌もその1つで、100種類以上のホルモンが
体や心の健康のために働きかけています。
その中の1つであるセロトニンについて、お話し致します。
●幸せホルモン
幸せホルモンと呼ばれるセロトニンは、脳内のセロトニン神経と
腸内から分泌されるホルモンです。
特に脳内で分泌されるセロトニンは、脳の情報伝達をサポートするなどして
脳を元氣にする働きがあることから、うつ治療のカギを握ることでも知られています。
また、日中に多くセロトニンが分泌されると、ストレスが緩和されて幸福感が増します。
また、セロトニンは睡眠にも深く関わっています。
朝目覚めて太陽を浴びると、セロトニンの分泌が始まります。
日中はセロトニンとして働き、夜になるとセロトニンを材料として
睡眠に必要なメラトニンというホルモンが作られます。
セロトニン無くして充実した睡眠は無く、セロトニンがしっかり分泌されるためには
十分な睡眠が欠かせません。
セロトニンとメラトニンは互いに影響し合っています。
●体にも働きかけるセロトニン
セロトニンの役割はまだまだあります。
他のホルモンとも連携して、心と体に作用しています。
やる氣や意欲に関わるドーパミン。
集中力を司り、外からの刺激で不安や緊張を感じさせるノルアドレナリン。
程よく分泌されている分にはいいのですが、
多過ぎると暴走して、依存症やパニック障害を引き起こしてしまいます。
セロトニンは、これらのホルモンを脳内でコントロールして、
脳を安定した状態にキープします。
この働きのおかげで、人間は平常心を保つことが出来ています。
他にも、セロトニンは体内の機能を調整しています。
例えば、起床後にセロトニンが交感神経に働きかけて、
血圧や体温を上げて、呼吸を促して体を活動状態に切り替えます。
朝日を浴びるとセロトニンが分泌され、氣持ち良い目覚めを得られます。
昼の活動時にも、セロトニンが大脳皮質に作用することで
爽快な覚醒状態を保つことが出来ます。
他にも抗重力筋(背筋、足の筋肉、まぶたの筋肉など)に働きかけ、
正しい姿勢や引き締まった表情をキープすることもセロトニンによる働きです。
●赤ちゃんとセロトニン
赤ちゃんの成長にもセロトニンは関わっています。
お母さんが子どもを抱っこしてぴったり触れ合うと、
子どもは安心して母を信頼する。
この時、赤ちゃんの体内でセロトニンが分泌されています。
母乳育児が赤ちゃんに良いと言われるのは、
母乳に含まれる営養以外に、心の営養にもなっているからです。
しかし、母と子のコミュニケーションが不十分だと赤ちゃんは大きなストレスを感じます。
例えば、次のようなケースです。
赤ちゃんがお腹を空かせて、泣いて母を呼ぶ。
こういう時に、親の都合で決めた授乳時間を優先させてしまい、
待たされてしまう。
あるいは遊んでほしい、触れ合いたいという欲求が無視される。
外の空氣を吸いたいと訴えても分かってもらえず、泣いても放っておかれる。
このような状況では。赤ちゃんのストレスは積み重なり、それによって
セロトニン量が少なくなっていきます。
(セロトニンはストレスに非常に弱い。)
それによって、人と交流する能力やコミュニケーション能力の発達を妨げていると
言われています。
また、赤ちゃんが産まれてくる前のお母さんの食事も大変重要です。
玄米菜食を中心として、発酵食品や小魚など魚介類も食べましょう。
妊娠期間のお母さんの心の状態は、赤ちゃんに影響しています。
怖い、不安になったり、イライラしてばかりだと、お腹の赤ちゃんにもストレスがかかります。
もしストレスが出ても、上手に解消して幸せな氣持ちで過ごす事が大切です。
(体を動かす、家族と団らんする、お腹の赤ちゃんに話しかけるなど)
お菓子やジャンクフードを食べたり、家でゴロゴロしていると、
必要以上に体重が増えてしまったり、精神面でも不安になりやすい等、良い事がありません。
外へ出て体を動かすと氣晴らしにもなりますし、無駄に食べる事も抑えられます。
●セロトニンを増やす
幸福感が増して、体も健康にして若々しさにも欠かせないセロトニン。
是非是非、増やしたいですよね。
セロトニンを増やす方法は簡単です。
・歩く、ストレッチ、スクワットなどリズムのある運動
・よく噛んで食べる(リズム運動の1つ)
・深呼吸をする
・人とコミュニケーションをとる
・朝日を浴びる
セロトニンの材料となるのが必須アミノ酸であるトリプトファンです。
体内でトリプトファンを作ることが出来ないため、食事から摂る必要があります。
トリプトファンは納豆、味噌、醤油、豆腐などの大豆製品や
玄米、バナナ、マグロや鰹など赤身魚に多く含まれます。
玄米菜食はセロトニンの活性という面から見ても、大変理にかなっています。
セロトニンはストレス過剰になると不足してしまうため、
体を動かしたり、人と話してリラックスする事がセロトニン不足の予防にもなっているのです。
体内では100種類以上のホルモンが働いています。
24時間を通して体中を巡り、体の機能の維持や調整、心の働きにも関わっています。
セロトニンも他のホルモンとも関わりながら、お互いの効果を発揮しています。
ホルモンの働きを正常に保つためには、食事や生活習慣を正していく事が必要です。
心身の健康を目指しましょう。
山本和佳