・吸収されやすいリンと吸収されにくいリン
・運動と腎機能の関係
現代人はリンを摂り過ぎています。
そう言われると意外に思われるかもしれませんが、
わたし達が毎日食べている大体のものにはリンが含まれていると言っても良いほどです。
そして食品添加物からも大量のリンを摂っています。
食品中のリン、食品添加物に含まれるリンを合わせると、
普通の人でも必要量の約3倍も摂っていると言われています。
さらにカップラーメン、コンビニ食品、ジャンクフード、お惣菜、その他加工食品を
頻繁に食べている人は、必要量の5倍以上もリンを摂取しているそうです。
リンには匂いも味もありません。
砂糖や油は、味や匂いで食べたと自覚できますが、
無味無臭のリンは、知らないうちに体にどんどん入ってきています。
リンは酸味料、着色料、pH調整剤などに含まれていますが、
「リン」と表示されていないので、消費者にとっては非常に分かりにくいのです。
●リンによって吸収率が違う?
食品に含まれているリンは、有機リンと無機リンの2種類に大別されます。
有機リンは、野菜や穀物、肉や魚、乳製品などに含まれています。
とりわけ肉、乳製品、魚など動物性たんぱく質に有機リンの含有量が多い傾向があります。
そして有機リンには、吸収されるものと吸収されないものがあります。
肉や乳製品など動物由来の有機リンは、体に吸収されやすいです。(吸収ロつ20~60%)
一方、吸収されない有機リンは、納豆、豆腐、油揚げ、豆乳など大豆製品に含まれる有機リンは食べても吸収されません。
<無機リン>
そして、最も注意したいのが無機リンです。
無機リンは、食品添加物として使用されているリンで、ほとんどの加工食品に使われています。
なんと、体への吸収率は90%以上!です。
つまり、食品添加物を通して体に入って来るリンは、ほぼ全て体に吸収されうという事です。
市販されている食品には食品添加物がたくさん使われています。
ソーセージ、ベーコン、ハム
水産加工食品(明太子、ちくわ、かまぼこ、はんぺんなど)
カップ麺、インスタント食品、冷凍食品、お菓子類、
ファーストフード、スナック菓子、お惣菜、お弁当など
これ以外にも、挙げればきりが無いほど加工食品には食品添加物が含まれています。
加工食品には必ずリンが入っていると言って良いほど、あらゆるものにリンが使われています。
表示成分については、リン酸塩、メタリン酸、ポリリン酸などの表示がされています。
しかし、「リン」という言葉が表示に使われていないケースの方が多く、
かんすい、酸味料、香料、乳化剤、pH調整剤、強化剤、結着材、加工でんぷんなど
にもリンは含まれています。
どれも加工食品ではよく使われている成分ばかりで、
1つの商品に複数の成分が表示されている事も珍しくありません。
食品表示法では、「同じ目的で使う複数の食品添加物」や「似た性質を持つ複数の食品添加物」を
ひとまとめにして表示しても良いことになっています。(一括表示)
他にも、スーパーのお惣菜やお弁当など、店内で調理・製造・加工したものは
食品添加物を使っていても表示しなくて良いとされているのです。
また、パッケージが小さくて成分表示を記載しにくい食品についても、
食品表示法では成分表示をしなくても良いとなっています。
原材料表示でリンという名称が乗っていなくても、至る所でリンは使われています。
そのため、加工食品は極力食べないようにする心がけが大事です。
そして野菜、豆類、きのこ、海藻などの素材を調理して食べること。
スーパーやコンビニなどで売られているお惣菜やお弁当は
素材の形が残っているものの、食品添加物がたくさん使われていますので、
自分で素材を買って、調理して食べましょう。
パンも加工食品ですので、食品添加物がたくさん入っています。
ここでは詳しい事は省きますが、パンには食品添加物以外の問題もあります。
パンは意外なほど砂糖も入っているので、主食ではなくお菓子に近いものです。
主食も素材が大事です。お米の営養・エネルギーをまるごといただける玄米を食べてください。
肉食は止めて、玄米菜食をして魚介類を摂るようにしましょう。
腎臓が元氣に動いているうちから氣をつけることが重要です。
●運動も必要!
健康維持のために運動は欠かせないと言われますが、腎臓とも深い関係があります。
加齢とともに骨量が減りやすく、骨粗鬆症のリスクが高くなります。
運動不足の状態が続くと、骨からリンやカルシウムが血液へ溶け出していきます。
前の記事にも書きましたが、リンとカルシウムは結合しやすく、
リン酸カルシウムとして骨に収まっている時は問題無いのですが、
骨以外の場所で結合するとCPPが出来ます。
このCPPが体内で炎症を起こし、動脈硬化を進行させたり、腎臓にダメージを与えます。
骨粗鬆症は骨がスカスカになってしまいますが、
それだけではなく腎機能も低下させてしまい、老化が加速していきます。
骨から溶け出したリンとカルシウムが血中などで結合してCPPになると
腎臓機能を低下させてしまう。
歩くなどの有酸素運動をすると、骨が丈夫になります。
骨という組織は、運動や荷重のストレス刺激を受けると、
それに負けないようにリンとカルシウムを蓄えて丈夫になっていくのです。
運動をしないいと骨の強度が低下し、特に40代以上で運動不足が続くと、
加齢による骨密度低下も加わって、骨粗鬆症のリスクが高くなります。
そして、それは腎機能の低下を招くという事も、どうか忘れないでください。
腎臓機能の低下は知らないうちに進行しますが、途中で急に加速していきます。
それは、まるでゆったりと流れる川の先に滝があるようなものです。
慢性腎臓病に至るまでの進行度合いは、ステージ1~5まで表されています。
まずステージ1~2は、腎臓の濾過装置が少しずつ減り始めますが、
この時点では症状は無く、ゆっくりと進んでいきます。
ステージ2の終わり辺りからステージ3になると、少し流れが速くなり
腎臓のろ過装置はどんどん減っていきますが、腎臓機能は予備も十分ありますので、
体に異常を感じることなく、このまま進行していきます。
ステージ3の中頃から進行のスピードが上がり、健康診断でたんぱく尿を指摘され、
慢性腎臓病と診断される人も出てきます。
そしてステージ4になると流れが激しくなり、腎不全に向かって進む流れを止められなくなります。
血中のリン濃度が高い状態が続き、動脈硬化、心臓病、脳血管障害などの
重大な疾患にかかるリスクがとても高くなります。
CPPによって腎臓の濾過槽地がダメージを受け、CPPの排泄に負担がかかり、
さらに腎臓がダメージを受けるという悪循環によって、急速に悪化してしまうのです。
ステージ5になると、もう腎不全の手前。透析治療をスタートする段階です。
慢性腎臓病は目立った症状が出ないまま、進行していきます。
ステージ3の時点でも腎機能は大きなダメージを受けていますが、
検査のタイミングで病氣が発覚することが多く、
そして、その後に重大な疾患に発展するので、症状が出た頃には手遅れとなってしまいます。
腎臓はとても辛抱強い臓器です。
体に必要なものと不要なものをより分ける作業は負担もかかります。
くれぐれも食品添加物を摂り過ぎないよう注意しながら
運動をして丈夫な骨を維持し、腎臓を守りましょう。
山本和佳