一般無料「老化のメカニズム~Part1~」健康基礎講座


・細胞の老化


・機能低下による影響


老化は生物の宿命ですが、進み具合には個人差があります。

老化とは、生理機能が衰えることです。


体内では、どのように老化が進んでいくのでしょうか。

 

●細胞の老化

生命は細胞が集まってできています。

細胞は自分で営養を取り入れたり、エネルギーを作り出したり
分裂したり、死んだりしています。


細胞分裂の回数には限界があり、
細胞分裂を繰り返すと、ある時点で分裂が止まります。

分裂が停止した細胞は老化細胞と呼ばれます。

 

細胞の死には、アポトーシスという自ら死を選択する現象があります。

アポトーシスは生命が正常な状態にするために引き起こされます。

例えば、オタマジャクシがカエルに成長する時に尻尾が無くなるのも
アポトーシスによるものです。


他にもアポトーシスは細胞の数を適正に維持したり、がん化しそうな細胞など
生命に有害な細胞を排除する重要な役割があります。


また、アポトーシスとは別にネクローシスという形の細胞死もあります。

ネクローシスは感染やけが、営養不足などによる細胞の死です。

 


●細胞分裂の停止の鍵となるもの

細胞の分裂が止まる、限界を迎えるのはテロメアの仕組みにあります。

細胞分裂が停止に至る鍵を握るのが、テロメアという構造です。


テロメアは染色体の末端を保護していています。

細胞分裂の度にテロメアは短くなり、これ以上短くならない所で
細胞分裂が止まり、老化細胞になります。


老化細胞は免疫の働きによって排除されますが、
生き延びた老化細胞は体内に残って蓄積されます。

その蓄積された老化細胞は炎症物質を誘発させ、臓器や組織の機能を低下させます。

老化細胞が体内に溜まると、老化を促進させてしまうのです、

 


●ストレス

正常な細胞で、まだテロメアを使い切っていないのに
細胞分裂が停止して、老化細胞になるものもあります。

紫外線や放射線など外的ストレスはDNAを損傷させ、細胞を老化させます。
他にも喫煙など化学物質や、心理ストレスも外的ストレスになります。

つまり、生活環境や習慣が細胞を老化させています。


また、DNAを複製する時に時々起きるコピーミスによるDNA損傷も細胞老化の原因です。

 


●免疫の低下

年齢と共に免疫が下がり、感染症にかかりやすくなります。

免疫とは、老廃物や病原体など体が異物と見なしたものを排除して、体を守るしくみです。


免疫力が高い人の体内では、免疫細胞が活発に働いています。

免疫細胞は幹細胞によって作られますが、加齢によって幹細胞の機能が低下します。


また、本来免疫は自分の細胞に対しては働かないように出来ています。
(自分をターゲットとすることはない)

しかし、何らかの原因で正常な自己を異物と認識して、
自分自身を攻撃してしまうことがあります。(自己免疫)


その原因として遺伝子異常、細菌、ウイルス、そして老化も挙げられます。

 

体内に異物や病原体が入って来た時に
それを免疫細胞が察知して戦う反応を炎症反応といいます。


炎症には急性炎症と慢性炎症があります。

急性炎症は、部分的で短期間で治まる炎症です。

例えば足をぶつけて痣ができたり、蚊に刺されて腫れや痒みを伴うような場合です。


炎症と共に赤くなる、腫れる、熱を帯びる、痛みなど
感覚器官を通して分かりやすいタイプの炎症です。


一方、慢性炎症は特別なけがや病氣が発症していなくても
免疫細胞が休みなくずっと働いている状態です。

先にお話ししました老化細胞も慢性炎症の原因の1つとなります。


様々な生活習慣病は、慢性炎症が積み重なった結果と言えます。

 

炎症は痛みや熱を伴うなど悪いものと思われますが、
体から異物を排除する時や、傷を治そうとする時に表れる
生命にとって大切な防御反応です。


ただ、体外から入って来る異物が大量だったり、体内の老廃物の排出の滞りが
長期間続くと、慢性炎症となって生体を傷つけてしまいます。

長く続く炎症は、がんや病氣に繋がります。

 

また、老化と共にホルモン分泌量も減少します。

ホルモンは恒常性維持機能にも関わり、全身の器官で分泌されています。

そのため加齢と共に全身の器官が衰えると、ホルモン分泌の減少や体の不調に直結します。

 


老化は誰にも避けられないものですが、早くに老化するか
年齢を重ねても若々しくいられるかは、その人の心がけ次第です。


外見に見えやすい老化、体内で起きている老化現象があり、それらは繋がっています。

今回お伝えしたような老化現象を加速させない、
なるべく遅らせる方法ついては、また追ってお話し致します。


次回も、別の視点から老化についてお話し致します。


山本和佳