・縮んだり硬くなる
・自律神経も衰える
・動脈硬化のタイプ
前回に続きまして、老化についてのお話です。
加齢とともに老化は起きるものですが、老化の促進を抑える事は十分可能です。
全身に表れる老化について予め知ることで、老化対策の動機になればと思います。
●老化で委縮する
加齢とともに内臓や組織の機能が衰えていきます。
その直接的な理由の1つが臓器や組織の萎縮です。
各部位において、以下のような老化が表れます。
皮膚が感想して萎縮し、シワができる。
筋肉が萎縮する事で筋力が弱くなり、外見も小さくなる。
脳は神経細胞の萎縮により、脳のシワが深くなる。
胃の粘膜が萎縮して、消化機能が衰える。
これらの老化現象は、細胞の数が減少したり
細胞自体が小さくなるために起きると言われています。
また、脳も加齢により萎縮します。
脳の萎縮は神経細胞が減少して、容積が小さくなって起こると言われています。
特に大脳の前頭葉と側頭葉で萎縮が見られます。
前頭葉は感情をコントロールしたり、想像したり、相手を思いやるといった
人間らしさに最も深く関係している部位です。
側頭葉は、外部からの情報の認知や記憶に関わる部位です。
脳の萎縮によって機能が低下すると意欲が無くなったり、記憶力が低下します。
他にも年を取って怒りっぽくなったり、頭が固くなったと言われるのも
脳の老化と関係しています。
さらに脳の萎縮が進むと、認知症の発症に繋がります。
●脊髄と老化について
中枢神経である脊髄は、脊椎の内側にあります。
重要な部分なので硬い骨で守られていますが、
脊椎の老化の影響を受けて傷つけられてしまうことがあります。
脊髄は脳と繋がっていて、これらを合わせて中枢神経と区別されています。
体の隅々まで張り巡らされた末梢神経から受け取った情報は、
脊髄を通って脳へ伝達されています。
脊椎とは背骨を構成する骨で、脊髄を保護するように覆っています。
脊椎を形作る骨と骨の間に椎間板という軟骨があり、骨同士の接触を和らげる
クッションの役割をしています。
加齢と共に脊椎が硬くなって、その内側の脊髄を圧迫して傷つけてしまうのが
椎間板ヘルニアです。
腰に椎間板ヘルニアが起きると足がしびれたり、足に力が入らなくなります。
●自律神経も衰える
自律神経は、脊髄を起点にして全身に張り巡らされています。
脊椎の老化によって椎間板ヘルニアを引き起こすリスクが高くなりますが、
脊髄が圧迫されるため、自律神経にも影響が出ます。
自律神経の老化は、特に副交感神経の機能が低下して
交感神経が優位な状態に偏り、疲れやすさやのぼせ、冷えなどが表れます。
●動脈硬化の原因について
加齢と共に動脈硬化になる人も増えていきます。
動脈硬化には、血管が狭くなるタイプと硬くなるタイプがあり、
これらが複合的に起きています。
<血管が狭くなる>
血管の内側にプラークが形成され、徐々に血管内が狭くなっていきます。
そして、プラークが破れると、そこに血栓ができます。
原因は脂質の摂り過ぎです。
血中にLDLが過剰になると、血管の内皮細胞の下へ入り込み、酸化します。
そして、免疫細胞のマクロファージによって泡沫細胞に変えられて蓄積し、
プラークが作られます。
進行するにつれ、プラークがどんどん蓄積されて、血管内が狭くなります。
<血管が硬くなるタイプ>
血管の中膜平滑筋細胞に溜まり、石灰化します。
腎臓のリン排泄機能が落ちて、血中のリン濃度が増えると、血管の石灰化が起きます
石灰化が進行すると、血管が伸び縮みしにくくなります。
動脈硬化は脂質の摂り過ぎや、食生活や習慣の乱れが長年続いた結果です。
脂肪もカルシウムも、あるべきところに治まっていれば、体に有効に働きます。
脂肪は脂肪細胞に蓄えられ、必要な時にエネルギーに変換されます。
カルシウムはリンと結合し、リン酸カルシウムとして骨に収まることで、
丈夫な骨を作っています。
しかし、体内で過剰になって血管内を漂うと血管の老化を促進し、全身に影響が出ていきます。
リン酸カルシウムと脂肪は水に溶けない物質で、いくつかの共通点があります。
リン酸カルシウムはタンパク質とくっついて、コロイド粒子CPPに変化して
血中を流れていきます。
脂はタンパク質とくっついてHDL・LDLになって血中を流れます。
リン酸カルシウムも脂も体に必要な物質ですが、本来の貯蔵場所でない所に溜まると、
動脈硬化など様々な健康被害が出てきます。
●心臓にかかる負担
人体の中で最も太い血管で、心臓から全身へ血液を送り出す大動脈の硬化は、
高血圧に直結します。
心臓はポンプのように、血液を押し出したり取り込んだりを繰り返しながら、
絶えず収縮しています。
弾力を失って狭くなった血管内では、血液が血管を押す圧力が強くなります。
そして拡張する時に圧力が低くなり、血圧の上と下の差が大きくなるのが、動脈硬化の特徴です。
さらに血栓ができると、心筋梗塞のリスクが非常に高くなります。
心臓は筋肉で出来ていて、全身へ血液を送り出すポンプのような役割をしています。
臓器や組織が老化によって萎縮するのに対して、
心臓では加齢によって心臓を動かす筋肉(心筋)が大きくなります。(心肥大)
萎縮して衰えた臓器や組織の働きをカバーしようとして
全身へ血液を送り出す心臓の負担が大きくなり、
その結果、心臓の筋肉を肥大せざるを得なくなると考えられています。
血液の汚れ度合いによって、老化の進み具合も変わります。
体内の血液が汚れるほど、細胞が汚れて老化の進行も早くなります。
反対に血液がきれいな状態に保たれていたら、老化を遅らせる事が出来ます。
若い頃はそれほど差が無いですが、
年齢を重ねるほど、若い人と老化が加速する人がはっきり分かれます。
老化すると体に起きる変化について知り、予防や健康維持に役立てる事が大切です。
山本和佳